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生贄聖女とお人好し魔技師  作者: 綴螺
一章 捜索
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人拐い

 すみません。日付を跨いでしまいました。


 ムスは半袖のシャツにズボンの格好。腰に銃のホルスター、ショルダーバッグを肩にかけている。ムスの頭の上にコーグが座っている。ユリアは花柄のワンピース。ラムは黄色いふんわりしたワンピースを着ている。ムスだけしっかり武装していて、ユリアは武装をやめ、ラムは普通の格好だ。

 そんな3人とコーグは家が2軒繋がっているぐらい、大きな珍しいシンプルな木造建築の建物の中、ギルドに3人はいた。

 受付がある部屋の椅子とテーブルに3人は座っている。


「皆、人拐い依頼のやつあつまれ〜」


 ギルマスが呼びかけを始めると数十人のパーティーが集まる。


「ラムちゃん、隣に。誰かに誘われたら殴るから安心してね。荒っぽいのが多いから」


 ユリアはにっこりと笑ってラムの手を繋ぐ。


「は、はい」


 ラムは言われるままについていく。

 ギルマスの周りには何十人もの人だかり。


「みんな、集まってくれてありがとう。今回は人拐いの根城の情報が入ったため、ここにいるメンバーで一気にたたく。そして、取引先まで潰す予定だ。そのため、内部犯の全員無力化に加え、生け捕りが重要になる。適性が高いパーティー、それと参加を希望したメンバーに集まって貰っている。今回は5箇所となるから、2パーティーほど分かれて任務となる。チームわけだが」


 と、任務の内容と目的が始まり、チームわけが始まる。


「『グリザス』はここだ。皆、それぞれ異論は?」


「はい!質問したいです!」


 黒いローブをきた銀髪の少女が手をあげる。


「モナ、なんだ?」


「無力化の方法ですが、相手に魔法は効きますか?」


「確認はとれてない。情報が少なくてな。部屋の間取りだけはある。一応、施設に対しての魔法許可は貰っている。作戦は各々、考えてもらっていい」


「わかりました」


 数十名のチームは話し合いを始める。


「とりあえず、私達もどうするか決めましょうか。決行は3時。まだ、2時間あるわ。間取はこれね」


 ユリアが代表してもらった見取図をみる。玄関と裏口があり、何部屋も小部屋がある比較的大きな家。3階まである。

 『グリザス』が任務を行う場所は目立たない場所にある家で他のチームは参加しない。ギルマスが戦力的にわけたため、3人のみだ。


「裏口から近い部屋で取引するとして、逃げやすい場所にある部屋が怪しいかな。地下室はないけど、土魔法が使えるなら、地下室生成できなくはないから、調べる部屋が多い」


 ラムは思ったより大きな家の間取りを食い入るようにみている。


「部屋数も多いから被害者は分けているかも。うーん、だと一気に救出は無理かな」


「いっそ、1階ずつ同時に入って鎮圧する?できなくはなさそうだけど」


「母さん、、。まぁ、できなくはないけど。魔法耐性いたらラムがきついよ?」


「その時は、周りに魔法かけるから大丈夫。魔法耐性は直接攻撃には作用するけど、物体を動かす魔法で投擲すれば、投擲ダメージは入る。30ぐらい投げる物はあるでしょう」


「うわぁ、、、。部屋めちゃくちゃになるね。危なくない?」


「散乱するから、その部屋が使えなくなるか。うーん、やっぱり凍らせようかな」


「中にいる人、寒いから」


「あ!」


「ラムちゃん?」


「屋根だけふっ飛ばして強風ですーってよびかける。慌てて出てくるよ」


「ふっ飛ばした屋根はどうするの?」


「闇魔法でぺしゃんこにすれば証拠なし!安全」


「確かに。安全そう。しかも、大丈夫ですかーって部屋に入って眠らせてしまえば大丈夫そう」


「いいわね!」


 ユリアも頷く。


「お前らなぁ、、。なるべく建物は残してくれ。みんな、引いてるから」


「え」


 ギルドのメンバーが引きつった表情をしている。

 ラムはなぜ引きつった表情をしているかわからないが、この作戦は駄目だとわかった。


「安全だと思ったのだけど」


「俺もこれならいいと思ったのに。氷の家より安全だし、父さんのとりあえず捕獲してから識別、または燃やすとか、危険極まりない作戦よりいいのに」


「ペディロさんは例外だ、ムス。あの人はやる時は徹底的に怖い。とりあえず、安全で建物も無事で、逮捕できるやつにしてくれ」


 ギルマスがムスに対してしっかり釘をさす。


「難しいわね。手当たり次第に殴り飛ばすのは駄目だとなると」


「身を隠して内部潜入しましょう。不意の魔法が怖いけど、潜入捜査にぴったりな魔法があるよ」


「ラムさん、なんでそれを先に言わない?」


 ギルマスは胡乱げな目でみる。


「これぐらいの家なら氷漬けしてから、人質だけ魔法解除して救出。他は保存したままの方が効率がいいからです。透明になる魔法は姿だけですから、魔法が見破られないか、移動に神経を使います。何より相手に察知される可能性があります。無駄が多い。人質の安全性も確認は難しいですし、何よりユリアさんは待機するしかないです。あの魔法は服にかけられません。無理でしょう」


「えー、どうなんだクロウ」


「正論ですね。効率がよいのは間違いありません。今回は潜入してくださいね」


 いつの間にかいたクロウは笑顔で圧力をかける。


「だって。作戦決める必要ないね。ムス、一緒にいこう。1人は神経を使うから、すぐに、魔法使えない」


「うん、わかった。潜入してかたっぱしから眠らせるかあ。母さん、外に逃げようとしたやつは捕まえてもらっていい?合図したら救出手伝って」


「わかったわー。ロープが大量にいるわね。他にいるものはあるかしら」


「一応、強い弾を装備してくるぐらい」


「私は爆発する薬品」


「家が燃えるから!護身が欲しいなら、俺が庇うからいいよ」


「いいの?」


(敵に近づかれた時に何か欲しいのは間違ってない) 


「大丈夫。そんなに軟じゃないよ。蹴り飛ばすぐらいはするから」


「コーグにお任せ!ボーンするよ!ムス、ラムを守る!」


 ムスの頭の上にいるデネブラは翼をはためかして、アピールしている。


「なら、お願いするね」


(仲いいみたい。ムスとそっくりなのかな、性格。デネブラはやる気満々みたい)


「じゃあ、武器を取りに一旦、家にいっていい?さすがに、強い弾は持ち歩いてない」


「ええ。ロープもたくさんないと。ラムちゃんも怪我しないようにタイツ履きましょうね〜」


「わかりました」


「ギルマス、一時戻るわ。作戦開始時間には現地にいるようにする。監査役はいるの?」


「おう。監査役というか被害者は一度教会預かりにして手当してもらう手筈になってるから、聖騎士がつく。お前らのとこはセイジさんがいくから、現地にいるはずだ」


「わかったわ。じゃあ、いきましょう」


「はい!」


「はい」


「はーい」


 3人とコーグはギルドを後にするのだった。





 



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