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生贄聖女とお人好し魔技師  作者: 綴螺
一章 捜索
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お買い物


ーーー次の日の朝ーーー


 ムスとムスの頭の上で伸び縮みするご機嫌なデネブラ、ユリア、ラムはギルドに行くついでに市場に来ていた。

 

「わぁ、、すごい」


 ラムは王都の市場の辺りを見回す。

 素朴なレンガ積みの建物が立ち並び、ガス灯の淡い光が舗装された石畳の通路を照らす王都。品の良い、でも過度な装飾はされてない落ち着いた街並み。

 その前に大量のトマト、じゃがいも、ピーマン等の野菜が売られているスペースがあり、商人が呼び込みをしている。

 隣には鶏、羊、牛肉、豚肉、馬肉、モンスター肉等の肉類の切り売り。

 他には米や小麦粉の量り売り、りんご、ブルベリー、ブリズー等の果実が並んでいる通り。マグロや蟹、しらす、しじみ等の魚介類。奥は加工品があるようで、はちみつやドライフルーツ、魚や肉の缶詰がある。

 商人の声が飛び交う市場は賑やかで、人々もたくさん行き来しており、多いに繁盛しているようだ。


「ラム、欲しいのあったら言ってね。今日はワイバーンの肉の調理だから、足りないやつは買うつもりだし」


 ムスはラムの右側に並んで歩いている。ショルダーバッグの中に財布を持っているのは彼だ。

 ユリアはラムの左側。左側の方が視界が悪いため、ユリアが左側にいる。

 ラムは真ん中にいて、2人がきっちりガードしていた。

 通行人が綺麗なラムをみてチラチラと振り返っているが、ムスがにっこりと微笑むと慌てて顔を背けている。


「私もしっかり覚えたいから、遠慮なくいって!」


 ユリアも笑いながら、ラムに声をかけている。

 ユリアはラムに見惚れている人に視線を投げて、忘れずに圧力をかけている。手を出したら、殴るぞという意味である。

 ラムは2人がそんなふうに牽制しているのに気づいていない。


「わかりました。まず、ローリエが欲しいですね。硬い場所は柔らかく煮込みたいです。後は好きな香味野菜があればいれたいです。好きな魚はありますか?魚も捌きます。骨から出汁を取って、一緒にパスタを作るとおいしいですよ。魚も合います。スープパスタです」


「スープパスタ、、!」


「母さん、やったことないね。いいんじゃない?あ、魚は鯵!鯵大好き!野菜は何でもすき!」


「鯵ね。他は?」


「ペディロは鰯がすきね。私はホノホノ貝かしら。あれ、小さいけど本当にすき。野菜はどれでも大丈夫よ」


 ホノホノ貝とは海岸の岩に張り付いている3cmぐらいの貝で、よく、口を開けているため呑気な性格に見えるということでこの名前をつけられている。

 味は貝の旨味がつよく、後味がさっぱりしていてとても美味しい貝である。


「全部、買いましょう。高くないですし、全て相性がよいです」


「よーし、おまけしてくれる店にいこうか」


「え。そんなところあるの?」


「あるよー。パスタもないから、買おう。小麦粉も」


 ムスが迷わずに量り売りしているところで分量を伝えてお金を払う。

 手際よく小麦粉とパスタを受け取り、買い物を済ませた。

 そのまま道なりに進むと、おじいちゃんおばあちゃんがいる店につく。

 品揃えは新鮮な魚介類を置いている店で、種類が豊富である。

 ラムは新鮮な魚たちをみて、美味しそうだと思っている。


「おじいちゃんー!鯵と鰯ちょうだい!おばあさん、ホノホノ貝ちょうだい!」


 初老の優しそうなおじいさんがムスをみる。

 おばあさんはにこにこと笑いながら、返事をする。


「ムスくんじゃないか。今日はたくさんあるからねぇ。たくさん、買っておいき」


 おばあさんがホノホノ貝を袋に詰めながら話す。


「鯵と鰯ね。はいよ。まとめて、1000ラータでいいよ」


 2人は袋を合わせてムスに渡す。

 ムスもお金を渡す。


「隣の娘は見ない顔だねぇ」 


「ラムです。暫くお世話になることにしました」


 おばあさんに尋ねられ、ラムは軽く頭を下げる。


「今日はね、ラムがパスタを作ってくれる約束なんだ!ワイバーンの肉が手に入る予定で!」


 ムスが脇から事情を説明する。


「おやおや。そうなのかい。お嬢さん、料理ができるのかい。将来、いいお嫁さんになるよ。ワイバーンなら、春だからねぇ。しらすもオススメだよ。しらすも持っておいき」


 おばあさんがしらすを詰めた袋を差し出す。


「で、でも」


(こんなにたくさん貰っていいのだろうか)


「若いのが遠慮しないの。美味しいのを作っておやり。ムスくんにお世話になってるからねぇ。お礼だよ」


「あ、ありがとうございます」


 ラムは言われるがまましらすをもらう。

 

「わーい!しらすだー!」


 デネブラがムスの頭の上で跳ねる。


(デネブラはしらすが好きなのかな)


 ラムがそんなことを考えていると、デネブラはしらすが入っている袋の近くまで来て、飛び回る。


「えーと、後は香辛料だから、こっち!おじいちゃん、おばあちゃん、ありがとう!またね!」


「また来てねー」


 ムスは元気よく挨拶して、3人とデネブラは店を後にする。

 いつの間にか、デネブラはムスの頭の上に座っていた。

 3人とも手早く買い物を済ませて目当ての香辛料や食材を手に入れる。

 荷物はムスが全て買い物袋にいれて、1つにまとめる。そのまとめた荷物をユリアが持ち、一行はギルドへ向かうのだった。



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