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生贄聖女とお人好し魔技師  作者: 綴螺
一章 捜索
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ーー用事を済ませてきたら、もう既に昼頃だったーー



「ただいまー!」


「ただいま」


 仲良く2人で手を繋いで帰ってきたら、昼ごはんのいい匂いがする。


「ごはんだー!ラム、ラム、美味しそうだよ!」


 デネブラがラムの頭の上に乗って、跳ね出す。


(うわぁぁ。ふわふわしてて軽い。可愛いけど、無視しなきゃ)


 姿は見えないが、随分人懐っこい精霊で人に興味津津のよう。


「何か、頭が、痛いような、、?」


 何回も跳びはねるデネブラの影響で、頭が振動して痛みが出てきた。


「家についたから、荷物片付けてくる。ちょっと、手洗いしてきて。俺も後から洗うよ。頭が痛い、、?疲れたかもしれないから、横になってた方がいいかな?」


 さっと、ムスがラムの荷物を持ち、歩き出す。


「みーえーるー?」


 ラムの眼の前にデネブラの顔がドアップで、映り込む。跳びはねるのをやめたらしい。

 精霊が悪戯したり驚かせたりするのを知っているため、ラムはなんとか平常心を保った。

 反応がないとわかると、デネブラはムスの頭の上に張り付いて行ってしまった。

 ラムは1人で洗面所に歩いていく。


「びっくりした。デネブラは遊びたいのかなぁ、、」


(ムスにべったり張り付いてる。そして、私を気にして手を振ったり、跳ねたり。明らかに気にしている)


「見えて話したら不審がられるのは避けたいし、、」

 

 ラムは言われた通りに洗面所で手を洗う。


「ラムちゃん、薬草を取り替えましょー」


 花柄のワンピースをきたユリアが洗面所に姿を現す。

 手元にはすり潰した薬草と包帯がある。


「ユリアさん。お願いします。でも、ムスが後で来ると言っていましたが」


「ああ。台所で手を洗って貰ってから、昼ご飯の準備をしてもらってるから大丈夫よ。こちらには来ないわ」


「なら、安心ですね」


 ラムはワンピースを脱ぐ。

 下着を上にあげる。


「ラムちゃん、そのままねー」


 ユリアは古い包帯をラムから剥がして、薬草をとる。


「よくなったわねー。明日は包帯いらなそうよ」


 新しい薬草をつけて、包帯を巻き直す。

 ユリアは傷口をみて、よくなっているのを確認し、笑顔になる。


「よかったです」


「明日は肩慣らしに依頼でも受ける?まずは、ギルドに品物を取りに行ってから、料理をしてもいいわよ」


「そうですね。料理しましょう。良いものは早めに頂いた方がいいです」


(ワイバーンの肉がどの部位かも気になるし、新鮮な方がおいしい)


「明日の朝、ムスも一緒に連れていって、品物を引き取りつつ依頼を確認しましょう」


「はい!」


「はい。これでおしまいよ」


「ありがとうございます」


 ラムはワンピースを着る。


「母さんー!できたよー!」


 台所からムスの声が聞こえる。

 調理がおわったらしい。


「わかったわー!行きましょ!」


「はい」


 ユリアとラムは並んで洗面所を後にした。

 昼ご飯を食べた後、いつもと変わらない日常が流れていったのだった。



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