昼
ーー用事を済ませてきたら、もう既に昼頃だったーー
「ただいまー!」
「ただいま」
仲良く2人で手を繋いで帰ってきたら、昼ごはんのいい匂いがする。
「ごはんだー!ラム、ラム、美味しそうだよ!」
デネブラがラムの頭の上に乗って、跳ね出す。
(うわぁぁ。ふわふわしてて軽い。可愛いけど、無視しなきゃ)
姿は見えないが、随分人懐っこい精霊で人に興味津津のよう。
「何か、頭が、痛いような、、?」
何回も跳びはねるデネブラの影響で、頭が振動して痛みが出てきた。
「家についたから、荷物片付けてくる。ちょっと、手洗いしてきて。俺も後から洗うよ。頭が痛い、、?疲れたかもしれないから、横になってた方がいいかな?」
さっと、ムスがラムの荷物を持ち、歩き出す。
「みーえーるー?」
ラムの眼の前にデネブラの顔がドアップで、映り込む。跳びはねるのをやめたらしい。
精霊が悪戯したり驚かせたりするのを知っているため、ラムはなんとか平常心を保った。
反応がないとわかると、デネブラはムスの頭の上に張り付いて行ってしまった。
ラムは1人で洗面所に歩いていく。
「びっくりした。デネブラは遊びたいのかなぁ、、」
(ムスにべったり張り付いてる。そして、私を気にして手を振ったり、跳ねたり。明らかに気にしている)
「見えて話したら不審がられるのは避けたいし、、」
ラムは言われた通りに洗面所で手を洗う。
「ラムちゃん、薬草を取り替えましょー」
花柄のワンピースをきたユリアが洗面所に姿を現す。
手元にはすり潰した薬草と包帯がある。
「ユリアさん。お願いします。でも、ムスが後で来ると言っていましたが」
「ああ。台所で手を洗って貰ってから、昼ご飯の準備をしてもらってるから大丈夫よ。こちらには来ないわ」
「なら、安心ですね」
ラムはワンピースを脱ぐ。
下着を上にあげる。
「ラムちゃん、そのままねー」
ユリアは古い包帯をラムから剥がして、薬草をとる。
「よくなったわねー。明日は包帯いらなそうよ」
新しい薬草をつけて、包帯を巻き直す。
ユリアは傷口をみて、よくなっているのを確認し、笑顔になる。
「よかったです」
「明日は肩慣らしに依頼でも受ける?まずは、ギルドに品物を取りに行ってから、料理をしてもいいわよ」
「そうですね。料理しましょう。良いものは早めに頂いた方がいいです」
(ワイバーンの肉がどの部位かも気になるし、新鮮な方がおいしい)
「明日の朝、ムスも一緒に連れていって、品物を引き取りつつ依頼を確認しましょう」
「はい!」
「はい。これでおしまいよ」
「ありがとうございます」
ラムはワンピースを着る。
「母さんー!できたよー!」
台所からムスの声が聞こえる。
調理がおわったらしい。
「わかったわー!行きましょ!」
「はい」
ユリアとラムは並んで洗面所を後にした。
昼ご飯を食べた後、いつもと変わらない日常が流れていったのだった。




