表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
生贄聖女とお人好し魔技師  作者: 綴螺
一章 捜索
32/114

帰宅


 ムス、肩で跳ねるデネブラ、ラム、ユリアはダーラスに帰宅した。


「父さん、ただいまー!」


「ただいま、ペディロ」


「ただいま戻りました」


「戻った〜!」


「おかえりなさい」


 3人が1階の客間、中央の赤茶色のテーブルを囲む、椅子が4つあるティータイム部屋に向かう。ペディロはその部屋にいた。


「ムス、ギルドは無事に?」


「うん。報酬は明日の朝に取りに行くことにしたよ。狙いの品物は貰えるだろうって。ついでにラムをギルドに登録してきた。その方が安全だと思ったから。うちの預かりだからすんなりいったよ」


「そうか。ラムさん、これでギルド依頼を受けれるし、身分証明書に使える。ここにいる間は使えるから使いなさい。受けたい依頼があるなら、ユリアと一緒に肩慣らしにいくといい」


「はい。ありがとうございます」

  

 ラムは頭を下げる。


「ムス、検問でラムさんを通した時の書類が今回の騒動で駄目にしたとラーズから連絡がきた。2人で行ってきなさい」


「はーい。ラム、行ける?」


「普通に歩けるから、大丈夫」


 その返事をきいたムスは財布を取りに2階へいく。


「私が背負っていくわ。疲れたでしょう?」


「ユリアは店番だ。流石に閉めっぱなしは駄目だ。残ってくれ」 


「あーーー。そうね。残念」


「後は着替えてくれ。それだと、客が驚く」


「まぁ!そんなことないわ」

 

「着替えてくれ。完全に戦闘用だと、店の雰囲気に合わない。ワンピースの方がいい」


「!ワンピースに着替えてくるわ!」


 ユリアはペディロのワンピースの方がいいという言葉に反応して、すぐに2階にいく。


「うわぁー、父さん策士。ラム、今のうちにいこ」


 戻ってきたムスが、呆れ、諦めのような微妙な表情をする。


「行こう〜」


 デネブラがムスの頭の上に乗って翼をパタパタさせながら、言葉を話している。


「?うん。策士?」


(デネブラは可愛いけど無視)


 ラムは必死にデネブラを視界に入れないようにしながら聞き直す。


「母さん、父さんにベタ惚れだから。ワンピースの方がいいなんて言われたら、すぐ脱ぐよ」


「なるほど」


「で、抱き着くまでセットだから、今のうちにいかないと」


「?」


(悪いことなのかな)


 ラムはよくわからなかった。


「あー、わからないならいいよ。息子に両親のイチャイチャシーン見せるなってこと。いこう」


(イチャイチャシーンって何だろう。とりあえず、ムスは見たくないみたい)


「うん」


 ラムはゆっくりムスの後ろをついて行って、外に出る。


「あ。街の案内してないよね。通り道で良ければ説明するよ。この辺は商店街で、商売している店が多い。隣が化粧品専門と眼鏡専門店で、服が反対側の方。スーツやドレス専門店、軽装系、ファッション目的、ちょっとした防具系、後は下着類とか。反対側歩いてれば服は一通り揃うよ。逆に服の反対側はアクセサリーとか、革専門店、鞄専門店とか身に着ける小物系の店でまとまってる。この通りは着飾る系。飲食店と宿泊施設は外側で、中心部に市場があるよ」


「なるほど。門番は西側の方?」


「そう。危ないし、手を繋いでいこう」


「え?」


「だって、人攫いだよ?脇からあっという間に来られたら防げないもん。射線があるしね」


 ムスが左手を差し出す。


「で、でも」 


(手を繋ぐ。手を。エスコートみたいなものだけど。繋いで歩く。したことない)


 左手を見つめたままラムは戸惑う。


「俺、効かないから大丈夫だし!」


「う、うん。じゃあ」


(勘違いされてる。異性と手を繋いだことなくて、戸惑ってるだけなのに)


 ラムはおずおずと右手を出すと、ムスが握る。


「じゃあ、行こう!変なやつはワイバーン騒ぎでいないとは思うけど、索敵はしとくから」


 笑顔をみせるムス。


「みょーん」


 デネブラはムスの肩まで落ちてきて、コロコロと転がる。完全に寛いでいる。

 時折、耳がピコピコと動いている。


「うん。私も警戒はしておく」


(ゴツゴツしてる。ペンだこもあるし、皮が厚くて仕事をしている手。男性の手はこんな感じなのかな)


「歩くスピード速かったら言ってね。怪我してるし、歩き辛いだろうから。そうそう、ラーズには世話になってるから、手土産買うから製菓店による」


「製菓店、、?」


「うん。美味しい店。あ、何か欲しいなら買ってく?クッキーあるけどさ」


「ーーいいの?」


「美味しいからね。お茶請けに!それぐらいなら大丈夫。見て、食べたいのあったら言ってね」


「うん!」


 2人は仲良く通りを歩いて行くのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ