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生贄聖女とお人好し魔技師  作者: 綴螺
一章 捜索
31/114

分前


「まず、変異種から。ムス、お前が一番ほしい素材は?または金額でも食べ物でもいい」


「え?おれ?」


 ムスは目を丸くする。


「明らかに今回はお前だろうが。次はラムさん。結界の補強をしていたのはラムさんなのはわかってるから。ユリアさんも聞くが、ユリアさんは中くらいだろうから期待するな。後はペディロさんも狙いの素材が貰えるぐらいか。今回は活躍制だからな」


「えー。ワイバーンって、何の素材取れるの?討伐したことないから、わからない」


 完全に困った表情になる。


「牙、骨は防具に。鱗も加工品としていいよ。魔法耐性ついてるなら、いい物になる。お肉も美味しいし、皮は丈夫だからバッグにも使える」


「ええ!?ラム、何かもらったことあるの?」


 ラムは頷く。


「うん。牙と鱗を合成して強い御守りにしてた。魔法耐性ついてるはず。大剣作ったりもしてたよ。私は妹とお揃いの骨で装飾品を。鱗合成したから、魔法耐性が付与できたはず。キラキラ光るし、何より軽い」


「軽い。光る」


「軽い重要。重いの嫌い」


(動きにくくて肩がこるドレスに装飾品はあまり好きじゃない。家の格式もあるから、ある程度は我慢する。でも、全部ゴテゴテは嫌い。社交界は大きい宝石中心で面倒)


 真剣に頷く。


「うーん、合成は錬金術師だなぁ。でもあのワイバーンの鱗は綺麗だった。錬金術師の修練度並だけどいけるかなぁ」


「ムスは合成もできるの?」


(装飾品に使えそうな技術、もしかして全部習得してるのかな。だとしたら、ムスは相当に器用にこなせるということで、重宝されるのもわかる)


 ラムは興味深そうに聞く。


「薬草系は。母さんがこんな体質だから、習得した方がいいと思って。でも、モンスターの素材はしたことないから本格的なのは修練がたりないと思う。失敗したら嫌だしさー。綺麗ならみたいし」


「鍛冶屋ならできるよ。自信がないなら、頼むといい。防具にも使えるから扱ったことあると思う」


「なら、ソーマスに頼めばいっか!魔針の件もあるし、鱗と骨を持ってけば。サイズはかんざしで。だから、20センチの骨と鱗は」


「鱗は50個くらいあれば、好きなだけできるよ」


「ギルマス、それで!骨はしなる場所がいい。翼の根本より少し上で」


「はいよ。もし余りがでたら、何がいる?」


「余りは」


「牙がオススメ。牙は御守りになるし、綺麗だよ。私の報酬はあるなら、変異種の牙1つと鱗4つがいい。余るなら、ムス、骨でアクセサリーがほしい。ワイバーンの方の骨で」


「ラムさんの報酬は承知した。牙は余らないと思うが」


 ギルマスが悩みながら返事をする。


「じゃあ、牙の次は肉辺り。骨でも助かる。加工できるから」


「よし、わかった。ラムさんは先程のやつで。ムス、アクセサリー作ってやるのか?どこの場所がほしい?」


「できるなら、翼の根元から上。ないなら、細くても構わないから順番でくれ。2つほど欲しいから翼から」


(ワイバーンも狙いの素材が貰えるのか。嬉しい)


 安心して、ラムは成り行きをみる。


「よし、わかった。ムスはワイバーンの方は?」


「えー、じゃあ骨。硬い場所がいいから、人気ない場所で。尾の先とか。丈夫なやつがいい。魔針の材料になれば助かる。皮も少し欲しい」


「おう。それなら、硬い場所で魔力が流れる首がオススメだ。ブレスを吐くから丈夫でしなるしいい。魔針は小さいからワンブロックで足りるだろう。皮は剥がなきゃならない。1mやろう。皮は人気ないしな」


「ありがとうございます!」


 ギルマスはいつの間にかあるペンと紙でメモをとり、ムスとラムの素材を書き記す。


「次はユリさんだ。聞きはするが、素材はないと思う」


「ユリさん、お肉貰ったら私が教えるよ?解体の仕方も。モンスター肉って、大体は同じだから。せっかくだから、傷も酷くないし、料理なら平気だよ」


「確かに肉なら余るだろうな。いい場所は取られるかもしれないが。解体は時間がかかるから明日に渡すことになる。保存はこちらでするから、安心してくれ」


「まぁ、、、!なら、余ったら報酬分のお肉を貰えます?ラムちゃんに現地料理を教えて貰うの。料理の腕をあげる!」


「ラムさん、首や尾など堅い場所が残るかもしれないが、大丈夫か?」


「大丈夫です。狩ったモンスターは全て食べますので」


「じゃあ、ユリさんはそれで。ペディロさんは?」


「みょーん」


 肩に大人しく座っていたデネブラが、声と共に紙を吐き出す。

 その紙に文字が書かれていた。


(え。デネブラがお使いするの!?え。ペディロさんはデネブラが見えるの!?え?え?)


 ラムは混乱しているが、表情に出すわけにはいかず、固まっている。


「あ。何かきた。欲しいのは皮と肉だって」


「皮なら大丈夫だろう。皮と肉を半々にしよう。わかった」


 ギルマスが頷いてメモをとる。


(ムスが拾って読み上げた。え。驚かないの!?えー。ムス、見えたりするの?)


「みょーん。ビョーン。見える?見える?」


 デネブラはラムに向かって手をふる。

 ラムはパニックになっていた。ゆえにデネブラが手を振っているが固まっている。


「これで、終わりだ。時間を取らせたな。報酬は明日には揃う。取りに来れば、いつでも対応する。帰っていいぞ」


 ギルマスが3人を出口に促す。


「ありがとうございます。じゃあ、帰ろう」


「ええ!ラムちゃん?」


「あ、はい。ありがとうございます」


 ラムは頭を下げて3人はギルドを後にした。


 

 


 



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