分前
「まず、変異種から。ムス、お前が一番ほしい素材は?または金額でも食べ物でもいい」
「え?おれ?」
ムスは目を丸くする。
「明らかに今回はお前だろうが。次はラムさん。結界の補強をしていたのはラムさんなのはわかってるから。ユリアさんも聞くが、ユリアさんは中くらいだろうから期待するな。後はペディロさんも狙いの素材が貰えるぐらいか。今回は活躍制だからな」
「えー。ワイバーンって、何の素材取れるの?討伐したことないから、わからない」
完全に困った表情になる。
「牙、骨は防具に。鱗も加工品としていいよ。魔法耐性ついてるなら、いい物になる。お肉も美味しいし、皮は丈夫だからバッグにも使える」
「ええ!?ラム、何かもらったことあるの?」
ラムは頷く。
「うん。牙と鱗を合成して強い御守りにしてた。魔法耐性ついてるはず。大剣作ったりもしてたよ。私は妹とお揃いの骨で装飾品を。鱗合成したから、魔法耐性が付与できたはず。キラキラ光るし、何より軽い」
「軽い。光る」
「軽い重要。重いの嫌い」
(動きにくくて肩がこるドレスに装飾品はあまり好きじゃない。家の格式もあるから、ある程度は我慢する。でも、全部ゴテゴテは嫌い。社交界は大きい宝石中心で面倒)
真剣に頷く。
「うーん、合成は錬金術師だなぁ。でもあのワイバーンの鱗は綺麗だった。錬金術師の修練度並だけどいけるかなぁ」
「ムスは合成もできるの?」
(装飾品に使えそうな技術、もしかして全部習得してるのかな。だとしたら、ムスは相当に器用にこなせるということで、重宝されるのもわかる)
ラムは興味深そうに聞く。
「薬草系は。母さんがこんな体質だから、習得した方がいいと思って。でも、モンスターの素材はしたことないから本格的なのは修練がたりないと思う。失敗したら嫌だしさー。綺麗ならみたいし」
「鍛冶屋ならできるよ。自信がないなら、頼むといい。防具にも使えるから扱ったことあると思う」
「なら、ソーマスに頼めばいっか!魔針の件もあるし、鱗と骨を持ってけば。サイズはかんざしで。だから、20センチの骨と鱗は」
「鱗は50個くらいあれば、好きなだけできるよ」
「ギルマス、それで!骨はしなる場所がいい。翼の根本より少し上で」
「はいよ。もし余りがでたら、何がいる?」
「余りは」
「牙がオススメ。牙は御守りになるし、綺麗だよ。私の報酬はあるなら、変異種の牙1つと鱗4つがいい。余るなら、ムス、骨でアクセサリーがほしい。ワイバーンの方の骨で」
「ラムさんの報酬は承知した。牙は余らないと思うが」
ギルマスが悩みながら返事をする。
「じゃあ、牙の次は肉辺り。骨でも助かる。加工できるから」
「よし、わかった。ラムさんは先程のやつで。ムス、アクセサリー作ってやるのか?どこの場所がほしい?」
「できるなら、翼の根元から上。ないなら、細くても構わないから順番でくれ。2つほど欲しいから翼から」
(ワイバーンも狙いの素材が貰えるのか。嬉しい)
安心して、ラムは成り行きをみる。
「よし、わかった。ムスはワイバーンの方は?」
「えー、じゃあ骨。硬い場所がいいから、人気ない場所で。尾の先とか。丈夫なやつがいい。魔針の材料になれば助かる。皮も少し欲しい」
「おう。それなら、硬い場所で魔力が流れる首がオススメだ。ブレスを吐くから丈夫でしなるしいい。魔針は小さいからワンブロックで足りるだろう。皮は剥がなきゃならない。1mやろう。皮は人気ないしな」
「ありがとうございます!」
ギルマスはいつの間にかあるペンと紙でメモをとり、ムスとラムの素材を書き記す。
「次はユリさんだ。聞きはするが、素材はないと思う」
「ユリさん、お肉貰ったら私が教えるよ?解体の仕方も。モンスター肉って、大体は同じだから。せっかくだから、傷も酷くないし、料理なら平気だよ」
「確かに肉なら余るだろうな。いい場所は取られるかもしれないが。解体は時間がかかるから明日に渡すことになる。保存はこちらでするから、安心してくれ」
「まぁ、、、!なら、余ったら報酬分のお肉を貰えます?ラムちゃんに現地料理を教えて貰うの。料理の腕をあげる!」
「ラムさん、首や尾など堅い場所が残るかもしれないが、大丈夫か?」
「大丈夫です。狩ったモンスターは全て食べますので」
「じゃあ、ユリさんはそれで。ペディロさんは?」
「みょーん」
肩に大人しく座っていたデネブラが、声と共に紙を吐き出す。
その紙に文字が書かれていた。
(え。デネブラがお使いするの!?え。ペディロさんはデネブラが見えるの!?え?え?)
ラムは混乱しているが、表情に出すわけにはいかず、固まっている。
「あ。何かきた。欲しいのは皮と肉だって」
「皮なら大丈夫だろう。皮と肉を半々にしよう。わかった」
ギルマスが頷いてメモをとる。
(ムスが拾って読み上げた。え。驚かないの!?えー。ムス、見えたりするの?)
「みょーん。ビョーン。見える?見える?」
デネブラはラムに向かって手をふる。
ラムはパニックになっていた。ゆえにデネブラが手を振っているが固まっている。
「これで、終わりだ。時間を取らせたな。報酬は明日には揃う。取りに来れば、いつでも対応する。帰っていいぞ」
ギルマスが3人を出口に促す。
「ありがとうございます。じゃあ、帰ろう」
「ええ!ラムちゃん?」
「あ、はい。ありがとうございます」
ラムは頭を下げて3人はギルドを後にした。




