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生贄聖女とお人好し魔技師  作者: 綴螺
一章 捜索
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討伐完了


「アァァアアーー」


 白いワイバーンが悲鳴をあげて動かなくなった。

 それと同時にワイバーンを縛っていた磔の魔法は解除され、黒い手が消えていった。


「よし、みんな、帰るぞ!外にいる王宮兵士達がこちらに襲いくるゴブリンの群は追い詰めて討伐してくれるそうだ。後は門番に任せるぞ」


 ギルマスが大きな声で叫ぶ。


「はい!!」


 元気の良い声が返り、次々と街へ帰っていく。


「じゃあ、俺達も帰ろうか」


「うん」


「ラムちゃん、お待たせ!」


 ムスからラムを奪ってユリアは抱える。


「と、お前達はまて」


 ギルマスがムスを掴む。


「うえっ!いきなり、ショルダーバッグを後から引っ張らないでくださいよ。なんですか?」


 紐が体に食い込み、悲鳴をあげる。


「そっちのお嬢さんの説明をしてもらおう。後は今回の討伐報酬の説明をしないといけないから、ギルドにこい。緊急参戦だっただろう?分前の説明があるから、しないといけないだろう」


「はーい。でも、ラムは『グリザス』にいれるからね。手続きしてくれるの?」


「お前達のパーティーにいれるのが決まってるのか。今のでかなり目をつけられたと思うぞ。手続きしてやるから、こい。検査もしなきゃならん」


「よーし、ギルマス変な奴ら追っ払ってよ!ラムは依頼もしてるから、母さんと同じスタイルで受けれるときだけ受けるだからねー。俺はついでに依頼を受けるスタイルだから」


「わかった。居てくれるなら非常事態の時に助けてくれるだけでいい」


 ギルマスは強く頷く。


(ムスの家族ってそんな形でパーティー組んで仕事してるのか。珍しい。これなら、アルマを探すのに便利だし、邪魔にもならない。ギルドは登録しておくと便利だから、してしまおう)


 ラムはなりゆきに身を任せることにした。


「ここって、かなり大きい魔法玉ありますか?」


 魔法玉とは魔力を測る水晶玉で大きくなればなるほど、大きな魔力を測れるものである。


「中くらいだが」


「測定不能で割れますから、魔力は測らない方がいいです。私、前に割りましたから」


「何!?」


「魔力が多いのです。大きいのでギリギリです。ですから、半分、いやもう少し抑えないと割れます。測ったことがあります」  


「威力は」


「普通より上手いぐらいですから問題ないです」


(本気で測定したら正体がバレるので、抑え気味にだそう。魔力は隠すと後々に面倒になるから正直にいった方がいい)


 ラムは身の振り方を考えながら頷く。

 ギルマスはニヤリと笑う。


「これは、やりがいがありそうだ。久々の実力者か。楽しみだ」


 ギルマスは嬉しそうに豪快に笑う。


「ビョンビョン」


 闇精霊のデネブラが声を出しながら、ラムの方を見て跳ねている。

 ラムは変な声を聞いたのでムスの方をみた。

 そしたら、デネブラがムスの頭の上で跳ねている姿をみてしまった。


(か、可愛い。可愛いけど、無視しなきゃ。見えてないふりしないと)


 ラムは視線を反らしてユリアの方にしがみつく。


「ビョンビョン」


 なおも、デネブラはラムを見ながら声をだす。


「ワイバーンはそのままでいいのか?」


 ムスが気になって指をさす。僅かに声が震えている。


「ああ、後で解体する手筈は整ってる」


「そっか。じゃあ、任せていいのか。母さん、いこう」


「ラムちゃん、行きましょう。そんなにぎゅうぎゅうしなくても落とさないからね」


 ユリアは安心させるように、ラムを撫でる。


(そうじゃないけど、勘違いしてくれるならいいや)


 ラムはデネブラの可愛い姿をずっと見ないよう、視界に入れないようにしているだけだった。


「ビョンビョン。あーれー」  


 ムスが動いたのでデネブラは肩に転がっていった。

 ラムは必死にデネブラを見ないように1行はギルドに向かうのだった。



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