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生贄聖女とお人好し魔技師  作者: 綴螺
一章 捜索
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災難


ーーー次の日ーーー


 朝から何やら騒がしい声が聞こえる。

 何かのサイレンのような音も響き渡っている。

 ラムは怪我もよくなってきたので、慌てずに起きて居間に向かう。

 ラムは何かの警報だとは予測できてはいるが、はっきりわからないので怪我が開かないようにゆっくり降りたのだ。


「あ、ラムちゃん!起きたのね」


 ユリアが半袖の花柄のシャツに珍しい緑色の半ズボンを着ていた。


「はい。あの、この音は」


 まだ、寝間着の薄いレモン色ワンピース(ユリアが買ってきた)を着ているラム。


「モンスターが門まで迫ってきてる音。商人は品物をしまう時間。しまってきたよ。金庫に入れといたから大丈夫」


 ムスは仕事をしてきたらしく、別の扉から現れた。

 彼は既に最初にあった時と同じく、半袖のシャツにズボンの格好。腰に銃のホルスター、ショルダーバッグを肩にかけている。


「ーー私も着替えてくる」


(戦闘がある)


 ムスの出で立ちからわかったので、ラムが部屋に戻ろうとすると


「ラムちゃん、着替えるならこっちに。そっちに真っ白なワンピースあるから。こちらにしましょう。激しい運動は駄目だから、手伝うわ」

 

 ユリアに連れられ、2階の部屋で着替えさせてもらった。

 2人でまた居間に降りる。


「ラムさんは私と待機。ムス、ユリア、声がかかったら街の人達と協力して討伐しなさい。朝食にしよう」


 いつもの黒一色のペディロは落ち着いた声で話す。

 場馴れしている、と思わせるほどいつも通り。


「はい!サンドイッチよ!卵とレタスのものと、甘いジャムがいい人はいちごがあるわ。どうぞ」


 今日は1人1人に皿を用意せずに真ん中にたくさんサンドイッチが積まれている。 

 取り皿が4人分あるので、そこにのせてという意図らしい。

 紅茶は1人1人用意されている。今日の紅茶はブレークファーストである。


「やったー!甘いやつ!ラムも食べて食べて。朝食に出るの珍しいから。追加はないけど。糖分はとっーても美味しいから」 


 ささっと、ムスは苺のジャムのサンドイッチに手を伸ばし、ラムの皿にも勝手にのせた。


「あ、ありがとう」


(落ち着きすぎた家。こんなに落ち着いて食事なんか普通しないよ)


 昨日と全く変わらない朝食である。取り乱して錯乱したり、慌てて物を落としたりと、全くしないダーラス家に驚きを隠せない。

 ジャムがとても美味しい。


「ラムちゃん、不安にならなくていいからねー。近づいたのは私が投げ飛ばすか粉砕するからねー」


 不安になっていると思ったのか、ユリアは笑いながら頭を撫でる。


「その前に麻痺弾とか、氷弾撃ち込めばモンスターは止まるし。時止め弾もある。後はゆっくり叩くかラムや父さんに任せれば解決」


「ああ、闇魔法で葬れば終わりだ。外に出られないから探知魔法使いながらにはなるが」


「私はトドメ役なの?」


(まぁ、近接、妨害、魔法、私も魔法だがそういう役らしい)


「あまり動かない方がいいからね。傷口が開かないように、もう一日様子をみよう。街の人達の中にもギルド所属者や戦闘向きな役職の人がいる。結界もあるから門を越える前に仕留めるだろう、武装は念のためだ。私達の家で駆り出されるとしたら、ユリアだとは思うからラムさんは楽にしてなさい。おそらく、怪我人がでた方が連絡が入る。私達の家は薬草のストックが必ずあると教会に伝えてある。足りなくなったら、補充も可能だと言ってあるからね」



ーーー「市民の皆様にお伝えします。門を乗り越えられる可能性があります。避難してください。繰り返す。避難してください」ーーーー



 サイレンからアナウンスに変わる。どうやら、事態は悪化したようだ。


「おや、越えられたかな。飛行タイプがいるのか」


「んー、羽音はしないけど。見てくる。どんなモンスターだろ。破れてたらやばいし、速く刺繍に戻りたいし」


「頼む」


 ムスが居間から出ようとする時に、肩にデネブラという黒い目に蝙蝠のような形をした闇精霊が肩に乗っかっていた。大きさは間違いなく、最初にあった時と同じ。おそらく、同じ個だろう。

 どうやら、ムスをよっぽど気に入っているらしくまた肩でコロコロしている。

 ラムに気づくとこちらを見ながら、ぴょんぴょん跳ねていた。

 外の様子をみるため、ムスと一緒に外へ出ていってしまった。


(居心地が良いって感じだなぁ。とても可愛いから触りたいけど、見えるとバレたくない)


 ラムは仕方なく見えないフリをしていた。

 ただ、デネブラがぴょんぴょん跳ねていた姿は可愛らしかった。つい、目で追ってしまうぐらいに。


「ラムさん」


「何でしょう?」


「もし、飛行タイプだったら撃ち落とすことが必要になる。どうやって撃ち落とす?」


「ーーここは街ですからね。私なら重力で叩き潰すか、風で切り刻む。街に落とすのが嫌ならふっ飛ばします。動けるなら、飛びながら空中戦しますけど」


「いい回答だな。少し準備していた方がいいかもしれない」


「父さんー、やばいかもー!」


 声を出しながら玄関から居間に戻ってきた。


「結界がワイバーンかな?とにかく、壊されてて、やばそうな蜥蜴みたいなやつが飛んでるよ。頑張って修復してるけど、ブレスとんできたら街がやける」


 ムスの言葉から衝撃的な言葉が伝えられた。




 



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