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生贄聖女とお人好し魔技師  作者: 綴螺
一章 捜索
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部屋紹介2


 2人が階段を降りると開けた場所にでる。少しだけ右に曲がって歩くと、玄関があった。


「ここが玄関よ。脇に傘立てがあるから、雨が振ったらここから傘を持っていってね。ラムちゃんの靴は中にしまっているわ」

 

 オレンジのカンテラの照明が玄関を照らす。

 明るい白いレースのカーテンがあり、大きめの靴入れの棚、脇にある棚は掃除用具入れなのか、大きな区画の仕切りになっている棚もある。棚の上には大きめな花の花瓶。中には百合の花とひまわり、フリージア等、様々な花が飾られている。下に視線を向けると、傘立てには黒い大きな傘と、緑色の傘。他に黄色の傘や、桃色の傘がある。地面に視線を向けると、一枚の石の板で作られた玄関の靴の脱ぎ場。

 脱ぐ場所の上には綺麗な刺繍された玄関マットがある。柄は精霊達の姿を模写したと言われる絵とにていて、火、水、氷、雷、風、土、光、闇精霊が仲良く笑っている絵。普通は売ってないような柄だ。

 玄関もレンガ積みの壁模様で明るい。


「今、玄関から見える扉は2つね。さっき歩いて来た側に見える扉は一階のトイレ。こっちは二階のトイレに照明がついてて、窓がないだけよ。普段、私達は一階のを使ってるわ。二階はお客さん用よ。中は同じだから、行かないわね。左側の扉が一階の客間というか、居間かな」


 左側の木の扉をあける。

 ここには、真ん中に落ち着いた暖炉があった。上にパイプが繋がっていて、けむりを外にだす仕組みだ。家の上には煙突があるようだて推測できる。

 中央にはテーブルがあり、椅子が4つ。寛げるように、赤茶色の落ち着いた色。壁も赤茶色の落ち着いた色。中が見える棚には、可愛らしい柄のティーポットにティーカップが何個かおいてある。さらに、スプーンやフォークもあることから、ティー食器があるのはわかった。さらに、紅茶の葉が様々置かれていて、完全にティータイム部屋のようだ。


「いい部屋ですね、、。紅茶の葉がたくさん。ミルクティー用のアッサム、、ハーブティーのミントまである」


 ティータイムが趣味のラムは目を輝かせる。


「一旦、部屋を案内し終えたら、戻りましょう。夫も話したいと言っていたの。話しながら一緒にお茶にしましょう!」


「はい!」


(私がお茶を入れたいけど、怒られるかなぁ。動くなって言われたもの)


 名残惜しそうに客間を直進して、左に曲がる。

 続いて繋がっていた扉をあける。

 すると、そこは台所と居間が繋がっている部屋。

 まず目につくのは、白を貴重とした食器棚と長方形のアルミの箱の冷蔵庫。次に暖かみのある木の椅子に木のテーブル、桐の箪笥。部屋の置物として目立つのは本棚と新聞ぐらい。ここから、奥に続く金属の扉と、上に続く木の螺旋階段がみえる。


(冷蔵庫があるってことは、この店は商売上手らしい。冷蔵庫は庶民に普及し始めたばかりで、地方にはまだ回ってきてない。流石、王都)


 ラムは冷蔵庫を見て、暫く釘付けになる。


「ラムちゃん、冷蔵庫が気になる?最近、家にきたのだけど、やっぱり食材を収納して長持ちできるのは便利ねぇ。ラムちゃんの家にもある?」


「はい。あります。フルーツが好きなので保管しています」


「便利よね!魔法使える夫でよかったわ。冷気維持に魔法を込めてもらえるから。私は魔法がさっぱりできないの。頼んでも安いらしいから、いいけどね。あ、あっちに見える上の螺旋階段は屋根裏部屋に繋がっているの。食材保管以外に使用してなくて、何にもない場所だから、行かないわね。掃除もあまりしてないの。次は金属の扉にいくわよ。扉を潜ると風の魔法で埃吹き飛ばす部屋があるから、目を瞑って。傷口は私がガードするわ」


「わかりました」


「開けるからね」


 ユリアはそう言うと金属の重たそうな扉を開ける。

 四角い箱、向こう側に扉があるが人が2人ほどしか入るスペースしかない部屋があった。自然に金属の扉が閉まると、魔法による風が二人の埃を吹き飛ばす。10秒ほどで風が終わった。

 ユリアは続く木の扉を開ける。


「ペディロー。ちょっと手を止めて。ラムちゃん、開けていいわ」


 ラムは目を開けると、そこには金属を研磨する機械、その前に針のような細くて長い切り抜きのような道具が大きさ別に収納されている。

 ラムの方を向いた男性は40代ぐらい。真っ白な肌によく映える、黒い瞳に黒い短髪、服装も黒いシャツに黒いワイドパンツの全身黒色だった。

 彼がムスの父親だろうと、ラムは推測する。


「はじめまして、お世話になります。ラムです」


「ペディロ・ダーラス・グリザス・ディーラだ。ムスの父親でユリアの夫だ」


 ラムは頭をさげて、ペディロも頭を下げる。


「ユリア、怪我人は寝かせてあげなさい。悪化したら大変だろう。ラムさんも、無理にユリアに付き合わなくてよい。強引なところはあるが、悪気はないから始末が悪いのはわかる。しっかり断って大丈夫だ」


 落ち着いた低い声が響く。


「そんなにすぐに寝られる訳がないじゃない!気晴らしよ、気晴らし!ペディロも会いたかったでしょう?部屋の案内もしないと落ち着かないでしょう。荷物がないのよ!あ、ラムちゃん、荷物はこの部屋の宝石をしまっておく鍵つき金庫の中にあるから。一番セキュリティが高い場所に!」


 勢いよくユリアがペディロに反論する。

 ラムが部屋の奥をみると目立たない色で着色された茶色の大きな金属製の箱がある。


「ありがとうございます。あの、自分がいる場所の確認はしないと危険なので、きました。万が一の事、敵襲があったら困ります」


(もし、モンスターの襲撃があった場合、怪我人であることは関係ない。動かなければ命を落とす。地の利は必要)


 しっかりと自分の意志であると伝える。


「ーー無理やりではないならいい。こちらから出向くべきだった、か。見ての通り、ここは作業場だ。金属を研磨したり彫ったり。他はムスが縫い物をしたり、アクセサリー制作したりする場所だ。洗濯と風呂は左の扉。右の扉は店に繋がっている。他の部屋は案内したのか?」


 指をそれぞれさし、ペディロは端的に説明する。


「ええ、案内したわ」


「休憩する。客間に行こう。あまり、無理させるものではない」


 そういうと、一人で先に進んでいく。


「無愛想だけど気にしないでね。心配してるのよ、あれでも。私達もいきましょう。ラムちゃん、お茶請けは何がいい?」


 ユリアは笑いながら、ラムを一階の客間につれていく。


「おまかせします。あの、気にしてないので」


「そう?なら、よかった。じゃあ、おすすめにするわね」


 嬉しそうにユリアは笑った。


 


 


 



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