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生贄聖女とお人好し魔技師  作者: 綴螺
お迎えの時間
100/114

星夜祭前日7

カランカラン


 ラムとコーグとムスは『アルス』をでた。

 満足するまで甘い物を食べた二人。

 道なりに隅まで歩いたら、王宮の方へ歩をすすめる。


「店を回ったら王宮に行こうー!」


「何かあるの?」


「ダンス、泊まる場所を予約しといた。綺麗な装飾品が見られるし、踊るかなーって」


「!?泊まる?」


(予約!?王宮って泊まれた?踊れるのは知っていたけど、市民も舞踏会に参加しているなんて、、)


 ラムは目を丸くする。


「一度、泊まって見たかったから!豪華な部屋らしいよ。お手伝いしてきた市民は予約を取れる仕組み。せっかくだから」


「そうなの、、」


(予約が激戦区な気がする。市民にも星夜祭だけ開放しているとは聞いたけど、安全面は大丈夫なのだろうか)


「そう!装飾品が見れるから泊まろう」


「二人には伝えてあるの?」


「うん、大丈夫!」

 

「なら、泊まろうか」


(気にはなる。王宮に泊まったことはない)


「綺麗な装飾品は全てスケッチしなきゃ!」


 ムスは目を輝かせる。


(ムスは綺麗な服を着ても変わらないみたい。装飾品目当てらしい。私も王宮は気になる)

 

「耐久性は充分か見なきゃ。将来アルマが住む場所だから」


「、、、いや、耐久性はあると思うけど」


「甘かったら困る。訓練所みたいにしてもらわないと」


「、、あれは、、異常、」


 ムスは目をそらす。


「え?王宮だから、あれぐらいしないといけないよね?」


(強固にしてもらわないと)


「あははは。ダンスは?」


「、、久しぶりだから踊ろうかな、、」


(これを逃したら踊る機会はもう訪れないだろう。ムスみたいな体質が貴族にいるはずがないだろうから)


「よーし、頑張ろー!真ん中は勘弁だけど、普通に踊れるから安心して。まあ、本当に普通に踊れるだけだし」


「中央は王族と侯爵家だからね。大丈夫、お忍びだからバレないよ。私は普通の姿でドレスは着てないし、欠席の知らせはしてる。市民にしか見えない」


「そうなら、安心だけどーー少し気をつけよう」


「?大丈夫だよ」


「ううん、ほら、王宮が見えてきたね」


 町並みを見ていたら、急に雰囲気が変わった。

 王宮に近づくにつれ、石畳の通路に複雑で綺麗な左右対称の模様が彫られていた。

 周囲も煌びやかな雰囲気になり、ベルサイユ宮殿のような大きく綺麗で見事な装飾された造りの王宮がみえてくる。キラキラと輝く王宮は立派。

 その王宮の前にある門は磨かれた黒い石でできており、厳格な雰囲気を醸し出しているが、今日は星の装飾品で埋め尽くされており、綺麗だった。

 門の前には剣を帯剣した門番が二人いて、王宮に向かう馬車や人を検問し中に通している。

 門の前に並んでいるのは圧倒的に馬車が多い。馬車は貴族用で、市民は男女ペアで何人か並んで待っている。

 次々に貴族や市民が王宮へ入っていく。

 そして、空には魔法陣が山のように描かれていた。


(守護魔法は維持されている。問題なし)


 ラムは目で自分が作った魔法を見て問題なく機能しているのを確認した。

 

「次の方」


 門番が声をかける。


「予約していたムス・ダーラス・グリザス・ディーラです。隣は連れです」


「名簿に確かに名前がある。身分証明は」


「ギルドリングで」


「ーーー問題なし。受付へどうぞ進みください」


「ありがとう。ラム、いくよ」


「お疲れ様です」


 2人は夜空の星座で飾り付けされた受付に行く。


「ムス・ダーラス・グリザス・ディーラです」


「確認できました。お部屋に案内します。舞踏会は既に始まってます。いつでも来てください。食事は2階の広場で自由に注文ください。3階まではフリーでして、明日は催し物があります。部屋のパンフレットに詳しくありますので、ご覧ください。宿泊は2日間です。お部屋は10階、星の魔になります。どうぞ寛ぎください」


 受付が案内の兵士を呼び、2人は星空に綺麗に飾り付けされた通路を抜け10階へと向かう。

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