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生贄聖女とお人好し魔技師  作者: 綴螺
一章 捜索
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脱走


 ラムは部屋に戻ったらすぐにベッドに横になる。


「寝てるから、起こさなさないでね」


 メイドにそう言伝て、部屋から下がらせる。

 クローゼットからショルダーバッグを取り出して、《物質の魔法》(スモール)で小さくしたものをもとに戻す。

 服は着替えて、ドレスをクローゼットにしまう。腰に細剣を帯剣しナイフだけはショルダーバッグにしまう。

 最後に、格子状のサイコロの中に白い石が入っているアンティーク調のネックレスをショルダーバッグにしまう。

 少しだけ顔を顰めるが、テーブルの下にある救急セットの包帯で傷口をきつく縛る。


「よし。お兄様ごめんね。運べ、時空を場所をこえ、思い描く場所へ《空間魔法》(テレポート)」


 ラムの体が光に包まれてその場からいなくなる。

 部屋には音もなく、突然と人がいなくなったのだ。




ーーーガヤガヤガヤーーー

 


 人の話し声が聞こえる。

 ラムが目を開けると、そこは王都に入る門から少し離れた草むらの中。


「成功。誰にも見られてないよね?」


 草むらの隙間からこっそり門の方に並んでいる人達をみるが、ラムが《空間魔法》(テレポート)を使ったことに気づいた様子はない。

 動ぜず並んでいる人がいるだけ。

 天候は晴れで、地面が乾いており歩きやすい。

 景色は草木が荒れた様子はなく、草原がひろがっている。

 ほっとしたラムはナイフを手にとって、髪を適当に短く切った。

 長いままだと邪魔だから。

 このまま、列から離れて隠れながら道なりに進んでいく。誰もいなくなったところで、茂みから顔を出して街道を進んでいく。



ーーー暫く道なりに進むーーー



 整備された街道を進んでいくと、木々が増えてきて、見通しが悪くなっていく。

 不意に、周囲から物音がしてくる。


 ピタピタピタ

 

 音がする方へ振り返る。

 だが、人も馬車も周囲にはいない。

 あるのは草木のみ。

 

 ピタピタピタピタ


 音は止まない。


「打ち砕く閃光、貫け闇を《光の魔法》(ブレイクライト)」


 音がした方へ木々の間を縫いながら閃光の稲妻を扇形に無数に飛ばす。


「ぐぎゃあ」


 潰れた悲鳴が聞こえた。

 人の声や動物の鳴き声とはとても似つかない、おぞましい声だった。

 森の方から出てきたのはゴブリンと呼ばれる、背は小さく鋭い鉤爪に牙をもった二足歩行のモンスターだった。

 仲間がやられた事で距離をとりながら、五、六匹、ラムの方へ距離をつめてくる。


「群れ?ゴブリンは群れないはずだけど、、。考えても仕方ない、片付ける」 


(近づかれる前にやらなきゃ。近接は得意じゃない)


 帯剣している細剣を抜き、構える。


「穏やかな陽風、空へ花を舞い上がらせて。《風の精霊》(ウォームウインド)」


 近づいてくるゴブリンに大きな竜巻を叩きつける。

 ラムから距離を詰めてきた六匹全員を巻き込み、切り刻んでいく。

 ゴブリンは手足が千切れ絶命する。


「これで、、最後?」


 ラムが周囲に耳をすます。



ーーガサガサッーーー


「ガアァァァ」


 雄叫びと共に生臭さが周囲に漂う。


「四!」


 右左を確認し、奥の方にゴブリンが四匹いることを確認。


(これは、モンスターの様子が変。王都に戻った方がいい。囲まれたら流石にきつい)


 囲まれると判断したラムは来た道を戻る選択をする。


「穏やかな陽風、空へ花を舞い上がらせて。《風の精霊》(ウォームウインド)」


 四方向全て台風を起こして飛ばすように威力を調整。さらに、自分の身を王都に吹き飛ばすように調整して、魔法を放つ。

 

 



 



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