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ヤンデレの時代は終わりだ!!!  作者: 松岡由樹
第一章 千枝春乃
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第一章 1 中卒とインポ

みなさんこんばんにちわ。


これから毎日1ページづつだけど投稿していくんでヨロシク!

「なぁ、マル」


「お兄ちゃんと一緒なら怖くないにゃ!」


「俺さ、卒業してからなんだけどよ」


「ふふ、なんでかしらね。あなたと一緒なら不思議と怖くないわ」


「チンコがよ……」


「いつも一人だった私をここまで連れてきてくれたのはあなた……次はあなたをーーー私が連れていくっっ!!」


「勃たなくなっちまったみたいでよ……」


「………………………なんだって?」


常の通り、丸の家に許可なく上がり込んでも全く反応せずに、座った状態から微動だにしないでパソコンの画面を凝視していた丸が初めてこちらに振り向いた。


「いや、だからよ、俺のチンコがあれからウンともスンとも反応しなくなってさ」


坊主頭で、筋肉と脂肪で丸々とした体型の丸が、目を真ん丸にしてプレイしていたノベルゲームをセーブした。


「お、おまえ……15歳でインポになったってことか?」


「……やっぱこれって……インポ、だよ……な?」


「ぎゃはははははべへぼぱぐふぉふぉふぉふぉふぉふぉあははははふぉふぉふぉはは!!!!!!」


丸は座っていたゲーミングチェアから崩れ落ち、足をバタバタさせながらクルクルと床を回った。


「笑われるのは分かってたけどさ、俺は全く笑えねぇんだわ……」


「ひひひひほほっほほほほほほっっっ------くふっふー------おぇ!!ふっっふふぅ!?------はは------っつ!」


「………………」


丸は笑い過ぎの為に声を失いながら何度も深呼吸をして、腹をさすりさすり椅子に座り直して煙草に火をつけた。


「イケメンで女にモテモテのお前がい、インポ………くふっふーーー!!神様ぁ!ありがとう!!!」


「こんの豚野郎………」


余程嬉しいのか、丸は今まで見たことのない晴れやかな笑みで天井を仰ぎ両手を広げた。煙草の煙がゆっくりと天井に広がっていく。


「みこにフラれた時も爆笑したが、今日のカミングアウトゥはそれを超えたな」


「やめろ……絶対それが原因だから……」


丸は椅子を回転させ、マウスを操作しながらオイと顎をしゃくった。


「お前の重症度合いを見てやる。これをみてみろ」


俺は丸に促されてパソコンを覗いてみるとそこにはノベルゲーム、通称エロゲの一枚絵が表示されていて、小さな女の子がのっぺらぼうの男と裸で絡み合っていた。


「これを見て疼かねぇか??」


「いや全く」


「…………………なるほど、これは重症どころか重体だな」


「いや、インポじゃなくても反応しねぇよ」


丸は同情の念が湧いてきたようで、憐憫の眼差しを俺に向けた。心なしか優しげなその眼差しは、インポで笑われるよりも腹が立った。


「ちぃチャソのエロ絵で勃起しないとは流石の俺も同情が禁じ得ないぜ………」


「いやだから、最初から絵に興奮しねぇから」


「インポは皆そう言うんだよ七海さん………」


「こ、こいつ………いや……もういいわ」


性欲に脳みそが支配されている筋肉達磨の豚野郎に相談した己を恥じ、読みかけの漫画を手に取るとスマホが鳴った。

LINEを確認すると、紗希から夕飯作る。一緒に食べようと届いていたので、了解と返信して俺は立ち上がった。


「紗希か?」


「ああ。飯作りにくるって」


「俺も腹減ったし、食いに行こうかな」


「おう、聞いてみるわ」


俺は紗希に丸の夕飯も用意してくれるか聞いてみると、食費を全額出すなら構わないと返信が来る。


「食費全額でOKだとよ」


「……まぁ、あいつの飯はうめぇからいいけどよ。俺と七海の扱いの差ひどくね?」


「それはお前の普段の行いが悪い」


「っち。まぁ?働いているこの俺様がお前らに恵んでやるのも一興よな」


「中卒だけどな…………」


「世の中、学歴じゃねぇんだよダボ」


丸は冷蔵庫から缶ビールを取り出し、新しく火をつけた煙草を片手に家の鍵を閉めた。


「補導されたら俺は無関係な」


「はん、そうしたらお前も晴れて中卒だ」


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