第二章 自己紹介
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「はい! というわけで!」
「衝撃のオープニングでしたけども! って、あれれれ? 宇津美ちゃんどしたの?」
「先輩……でしたよね?」
「あははは! どうやら宇津美アナも混乱しているようです! そうです! 入ってきたメンバーを改めて紹介致しますと、二年前にTVSを退社し、現在フリーの宇津美アナの先輩に当たる新垣千里アナウンサーの姿が! いやあ、宇津美アナも今はフリーですけれど、前はTVS所属でしたもんね? 実際どうでした? 中継見てみて」
「え? え? 音楽って言ってましたよね? ていうかアイドルって言ってました? これ、一応バラエティのお仕事ですよね? え? 夢? 先輩の夢ってアイドルやることだったんですか? え? でも、先輩って確か、二十な――、ええええ?」
「混乱しております!」
「そしてえ! ミステリ作家として現在活躍中の葦玉轍先生という一見音楽の道とは無縁なお方や、最近でも炎上系アイドルと世間を賑わせているアリサちゃん!」
「さらにさらに~? 一番初めに入室してきたRaybacksのベース、本庄栞さんと衝撃の対面を果たした少女は一体誰だったのでしょうか!? というか南野さん? なんていうか、全体的に触りにくいエピソード持ち主ばっかりで僕、始まったばかりなのに、既にしんどいです」
「関田さん。安心して下さい。実は僕もです……! まあ、冗談ではありませんが、冗談ということにして今は置いておいて。まだまだ番組は始まったばかり! なんとなんと、メンバーはまだまだこれだけじゃありませーん!」
「まーだ増えちゃうんですか?」
「増えちゃいます増えちゃいます!」
「え、先輩の生活二十四時間配信するんですか? え? そんなことが許されるんですか? 先輩はちゃんと許可出してるんですか? ていうかこれ、向こうに繋げられないんですか?」
「……はい! というわけで!」
「混乱覚めやらぬお方もいらっしゃますが、それは我々も視聴者も同じだと思います! それでは続けていきましょう!」