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#2 再会と転生後のステータス

先月中に投稿しようと思っていたのに、気がついたら月を跨いでた……

11/19

再開→再会に修正しました


1/15修正 ステータスの「ATK、MATK」を「STR、MSTR」に変更しました

「どうして私は女の子の姿に(何で俺は女の子に)………?」

瞬人(はやと)は湖の水面に映る、腰まで届く程のプラチナブロンドの髪に、大きすぎず小さくもない胸、引き締まった腰、スラリと伸びる手足をした女性の姿を見ながら一人呟いていた。


(んー、何度見返しても『ステラフィール』様の特徴に似てるよなぁ……この身体。……十五歳くらいか?いや、十六、七は行ってるかな………?それに、頭で言葉を浮かべてる時は『俺』の口調なのか…………訳わかんねえなこれ)


『んふふふ。それはね…………』


発そうとした言葉と、実際に口から出る言葉の違いに戸惑っていると誰もいない筈の空間から聞き覚えのある………否、先程まで話をしていた女神の声が木霊(こだま)する様に聞こえてきた。


「……えっ!?『ステラフィール』様!?」

(なんで『ステラフィール』様の声が聞こえてくるんだ!?…………俺の頭がおかしくなった訳じゃないよな……?)


そんな普通では有り得ない様な出来事に、見当違いな事を考えていると女神『ステラフィール』が更に子供が悪戯をした時の様な、楽しそうな声で未だ困惑する瞬人に会話を続ける。


『ふっふっふー。その様子だとサプライズは成功の様ね!』

「は、はぁ?サプライズ?何を言って…………いえ、そもそも何処から話しかけてるんですか!?私(俺)からは見えないんですが……!」


困惑しながらも辺りを見渡すも、声の主『ステラフィール』の姿が無く、更に困惑する、そのループにいる瞬人。


『はいはい。ちょっと待っててねぇ………よっ』

「きゃっ(うわっ)!?」

『ステラフィール』が一言呟くと瞬人の胸元から球体が飛び出し、小さく悲鳴を上げる。


すると、空中で浮遊している球体に向かって、光が集まっていった。その後、その光は人の形を形成していき、最後は女神『ステラフィール』の姿に変わっていた。


「『ステラフィール』様!?」

『やっほー。さっきぶり!』

語尾に『☆』が付きそうな程軽い口調で瞬人に挨拶をしてきた女神に、瞬人は驚きを隠せないでいると『ステラフィール』はそのまま先程までの疑問に対しての説明を始めた。


『取り敢えず、色々と説明しに来たのよー…………突然女の子になっちゃって驚いただろうし……まあ、私の持っている権限で無理矢理介入してるから、長くは保たないけどね』

そこで一度区切り、『ステラフィール』が少し目を逸らしながら申し訳なさそうにしながら続けた。


『まず、その女の子の身体は神界でも(さっきも)話したかと思うけど、貴方のスキルに頼まれたからなの』

「確かにさっき言ってましたね……?でもどういう事なんです?まさか、スキルに自我があるとでも言うつもりですか?」


瞬人は、神界で聞いた時からずっと疑問に思っていたことを聞いた。

『ええ。でも全てのスキルに自我がある訳じゃないわ。スキル自体が神性を有している、理外術式(マギア)。これは高位の神々に造られたスキルのみが持つ特徴で、世界の英智(えいち)に干渉出来る権限を持つスキルよ』

「……世界の英智に干渉出来る権限………凄いとは思いますけど……それってつまり、この世界の全てを識る事が出来るんですよね……?流石に強力すぎるんじゃ……」


瞬人は『ステラフィール』の説明を聞いてる中で疑問に感じたことをそのまま聞いた。


『確かに強力で理外(りがい)のモノであるけど、そもそも《理外術式(マギア)》自体創られることは無いから見る事も得る事もそうそう無いわ。

あとは、貴方の持つスキルで、私に頼み事をしてきた子ね。神々(私たち)は《神外神技(デウス)》と呼んでるそれは、元は神ではない者が何かを起源とし、神に等しい力を得て、後天的にスキルへと変化したモノよ』


(……て事はそのスキルは元は神以外の何かで、多分そのスキルは…………)

瞬人は今の説明で何か心当たりがあるかの様に黙り込んでしまった。それを『ステラフィール』は心を読んだかの様に続ける。


『そ、今考えてるスキルで合ってるわよ。……あ、《大罪化》も持ってたわよね……あれは《理外術式(マギア)》に分類されるわ』


(……ふむ、つまり俺は《理外術式(マギア)》を七つ(・・)、《神外神技(デウス)》を一つ持ってるって事になるのか……)


因みに《大罪化》は『LEO』のプレイヤー間では《大罪シリーズ》と呼ばれ、七つの大罪を元にしたスキルで、それぞれ《傲慢》《憤怒》《嫉妬》《怠惰》《強欲》《暴食》《色欲》に分けられている。

それぞれ、習得する為には途轍(とてつ)もなく難易度の高い条件を満たさなければいけない。


「あの……《理外術式(マギア)》の代償は変わらないんですか?」

『ええ、変わらないわよ。でも、気を付けなさい。神が創ったスキルとは言っても、《大罪化》は元となったモノ自体が悪魔や魔神、堕天使よ。今まではゲームで、使用制限があっても安全に使えてた。でも今は現実。《(カルマ)》の値が100パーセントになったら、魂が摩耗されて消えてしまうわ。そうなったら私の権能を行使しても、どうにも出来なくなってしまうの……だから、本当に必要だと感じた時だけにしなさい』


『ステラフィール』は、心の底から心配そうに忠告した。

「分かりました。それと、今の自分のステータスとかってどうやって見るんですか?『LEO(あっち)』にいた時みたいにやってるんですが、見れなくて……」


先程から説明を受けながら、ずっとステータスウィンドウを出そうとしていた瞬人は全く開けないと『ステラフィール』に質問した。


『ああ……さっきから聞きながらなにかしてるなーとは思ってたけど、ステータスを出そうとしてたのね……こっちの世界では普通に頭の中で『ステータス』って唱えるだけで見れるわよ』


『ステラフィール』は苦笑しながら、未だに開けずに苦戦している瞬人へ、教えた。

すると先程までの苦戦が無かったかの様に、瞬人と『ステラフィール』の中間辺りに半透明な、色々な文字が書かれた板状のモノが現れた。


『あ、今は私も見えてるけど、普段は本人の許可が無い時とスキルの『鑑定』を使っていないと、相手には見えないから安心して』

「おお。出ました!ありがとう……ござい…………ます……?」


瞬人はステータスウィンドウを見て感謝を言いながら段々固まっていった。何故なら──。


『フォルティナ(ハヤト) Lv5(342)

種族:人間(真祖たる血種(オーバーロード))

メイン職業(ジョブ):剣聖

サブ職業:賢王、使役者(グランテイマー)、聖女、神騎士(ディバインナイト)


HP:3740(38467) MP:5950(81975)

STR:610(3877) MSTR:1263(7965)

DEF:455(2510) MDEF:982(4194)

AGI:351(4256) INT:153(1590)

LUK:65(238)


アクティブスキル:(ライフドレインLv10)、(マナドレインLv10)、(魔物召喚)、精霊召喚、不殺Lv5(7)、(火魔法Lv10)、水魔法Lv5、風魔法Lv5(10)、聖魔法Lv6(10)、闇魔法Lv4(EX)、空間魔法Lv8(空間支配)、影魔法Lv6(EX)、精霊魔法Lv6(10)、聖護盾(アイギス)(血気操作ブラッド・コントロールLvEX、(眷属強化Lv9)、偽装Lv10


パッシブスキル:剣術の心得Lv7(EX)、魔法の心得Lv7(EX)、(魔術の心得LvEX)、弓術の心得Lv2(7)、状態異常軽減Lv6(状態異常完全無効)、(被物理攻撃軽減Lv6)、被魔法攻撃軽減Lv4(被魔法攻撃完全吸収)、神託Lv6、HP自動回復Lv4(10)、MP自動回復Lv5(EX)、創造神の寵愛


エクストラスキル:影纏(かげまとい)、破塞、(眷属化)、心眼、《真祖廻り(封印)》


理外術式(マギア)》:《大罪化》

使用可能:(《傲慢》)、(《憤怒》)、《嫉妬》、(《怠惰》)、《暴食》、(《強欲》)、《色欲》


神外神技(デウス)》:《九尾》

使用可能:《九尾召喚》、《九尾化》、(《厄災の宴》)


称号:転生者、神に愛されし者、(超越者)、(神魔を統べし者)、剣聖、聖女、(賢者の王)、(真なる吸血鬼)』


ゲームの時と同じステータスに、他のステータスが表示されていたからだ。それに、自分の名前まで変わっているというおまけ付き。


「あ、あの……色々と聞きたいことはあるのですが……まず、『フォルティナ』と言うのはもしかして……?」

恐る恐ると言った感じに瞬人が問うと──。


『ええ、その身体での貴女の名前よ!あ、それと……()(かっこ)内のモノは貴方……『ハヤト』の時のモノね』

『ステラフィール』は満面の笑みで、瞬人が聞こうとしていた二つ目の疑問と共に答えた。


「えっ……と、じゃあ、次の質問なんですが……」

瞬人はステータスの序盤に表記され(・・・・・・・)ている箇所(・・・・・)に視線を合わせ、眉間に指を当て悩む様にしながら続けて問う。


「この、サブ職業の『聖女』ってなんですか!?私(俺)、『聖女』じゃなくて『聖者(・・)』だった筈なんですが!?」


驚いたのはサブ職業欄にある『聖女』の職業である。『LEO』では、性別で分岐する職業やスキル等があるのだが、瞬人が指摘した『聖女』は読んで字の如く、女性プレイヤーにしかなることが出来ない職業で、男性プレイヤーの場合、『聖者』となる。


因みに余談ではあるが、この『聖者』と『聖女』の職業、違うのは性別分岐だけではなく、職業によるステータスボーナスも違いがある。

『聖者』の場合『MP』と『ATK』、『DEF』の値にボーナスが多めに入るが、『聖女』の場合『MP』と『MATK』、『INT』の値にボーナスが多めに入る。


その他にも、『聖者』は《聖痕(スティグマ)》と言う、悪魔系のモンスターに与えるダメージが倍になると言うスキルが習得出来るが、『聖女』の場合だと《聖護盾(アイギス)》と言う、敵から受けるダメージを一定値に達するまで無効化すると言うスキルを獲得できるが、お互い、逆のスキルは手に入らないと言う若干の不公平感を拭えない様なシステムもあった。


『貴女を『聖女』にしたのはあくまでこの世界のシステム(・・・・・・・・・)よ。幾ら私が管理しているからと言って、増え過ぎた全ての種を把握するなんて到底無理だからねぇ……そこで、『管理システム』を創った訳!……話が逸れたわね。まあ、兎に角その、《聖護盾(アイギス)》もそれ程強過ぎる訳でもないし問題ないでしょう』


「成程……あ、でも流石に周りに聖女や剣聖だってバレると大変ですよね……ど、どうしましょう……!?」

説明を聞いている内に、段々様々なところに不安を感じ始めた瞬人は焦りを隠しきれない様子で質問を重ねる。


『あら、それもそうね……じゃあちょっと待っててねぇ…………』

『ステラフィール』はそう言うとステータス画面の様な物を出し、瞬人の目の前で色々と弄り始めた。


その様子を緊張した面持ちで見つめる瞬人。

暫くして、『ステラフィール』が顔を上げるとまるで悪戯っ子の様な表情で言った。


『ステータスを確認してみなさい。我ながらいいアイデアだと思うの』


(……………?)

訝し気な表情で瞬人がステータスを確認すると、そこにはパッシブスキル欄には『情報隠蔽Lv10』と、《理外術式(マギア)》の欄に『叡智神(エア)』と言うスキルが追加されていた。…………あとフォルティナの年齢も。十二歳だってさ。


「……え?いや、十二歳!?」


日本ではそうそう見ないような美人に転生し、しかもそれが十二歳だと言われ、最早『普通』がゲシュタルト崩壊を起こし、大混乱している瞬人に『ステラフィール』は話を続ける。


『こっちじゃ十五で成人扱いだから、成人前且つ、学園入学できる年齢の方が都合が良いかなーって思ったから十二歳の身体にしておいたわ』


と、『ステラフィール』が胸を張って言う。

「ん、学園もあるんですか?冒険者でもやろうかなと思ってたんですが」


『ええ、あるわよ。この『グランティア』は七つの大陸に別れていて……まあ、その辺の知識はその身体に記憶させてあるから(・・・・・・・・・)、後で確認しておいて』


(……今説明するの面倒くさくなって放り投げたな)

そんな事を考えていると、瞬人は思い出したかの様に、肌寒さを感じた。


「……寒くなってきましたね……と言うか、先程から聞こうと思っていたんですが…………」

そこまで言うと、『ステラフィール』を見据えて、続けて言った。


「せめて服は着せていて下さいよ!!」

『あ、忘れてたわ』

そう、瞬人は布一つ無い状態……つまり、全裸だったのだ。

『まあまあ、取り敢えず貴女の服に関しては『LEO(あっち)』で最期に着ていた装備を、女性用に作り替えておいたわ!』


『ステラフィール』はそう言って「凄いでしょう!?」とでも言いたげに、胸を張って言った。

「そうなんですか?……えっと装備装備……と言うか他のアイテムとかってどうやって取り出せばいいんですか…………?」


そう『ステータス』はそれ以外の画面に遷移(せんい)出来ず、装備一式や回復アイテム等が取り出せなかった。


『それなら、ステータスと同じ要領で取り出したい物を思い浮かべてみて?それで取り出せるわ』

(んー。取り敢えず服…………『天魔の羽衣』)

「…………ええ??」


言われた通り、頭の中で取り出したい装備の名前を思い浮かべる。

すると、瞬人の手にはワンピース調の純白のドレスが綺麗に畳まれた状態で乗っていた。


「こ、これを着ろと…………!!?」

瞬人が想像していた物と違うことに戸惑っていると、『ステラフィール』が瞬人に何処から出したのか分からない下着も差し出してきた。


『これも履きなさいね?あと、恥ずかしいだろうから上の方もサービスしておいたわ!』

『ステラフィール』は、親子仲の良い母親が娘に服を選んであげる様に、にっこりと満面の笑みで衣服を着るように勧めてきた。


(く、クソゥ……着たくない………せめて服だけは……服だけは…………)

「ズボンとかにして下さいぃぃぃぃ!!!」


森に本日二度目の絶叫が響き渡るのだった──。

その後、結局(ドレス)を着る以外の選択肢が無いことに、死んだ目で着替えることになったのは言うまでもない。


──それから少しして、落ち着いてきた瞬人は森を出ることにした。


「『ステラフィール』様、色々と有難うございました。それより此処って結局なんて名前だったんですか?」

『それはね〜。ここは『亜精霊の森』って言って、『精霊の森』とは真反対の性質を持つ森なのよ〜』

瞬人の質問に相変わらずのおっとりとした雰囲気で答える『ステラフィール』。


「『亜精霊の森』……もしかして此処って普通に魔物とかって出ます……?」

『亜精霊』と聞き、冷や汗が出るのを感じながら質問する瞬人。


『出るわよ〜?まあ、だから、『亜精霊の森(ここ)』を出るまでは、さっきのステータスにあったカッコ内の能力値のままでいられるようにしておいたわ〜。勿論、此処を出たら本来の、フォルティナちゃんのステータスになるようにしておいたから〜それと、出るまでに魔物を倒した時の経験値はフォルティナちゃんの方に加算されるからね〜?』


その説明を聞き、瞬人は(ほんと、なんでもありだな…………)と呟いたのだった。


『一応、職業に『聖女』があれば協会とかでお祈りをする感じにしてくれれば、神界(あっち)で私と話を出来るから、待ってるわ〜』

そう言い、『ステラフィール』は来た時と同じ様に光に包まれ、消えていった。


「……よし、この先何が出てくるか分からないし、武器は………うん、これでいいか」

瞬人は『天魔の羽衣』を取り出した時と同じ要領で出したい武器をイメージした。すると、その手には赤黒い、黒炎を思わせる色の刀が握りていた。


最後に瞬人は、念の為アイテムの確認などをして今度こそ、森の外に向かって歩みを進めた。

どうも、朧月です。何とか書き終わった……。新作出して直ぐに二十日以上経過してしまうなんて……反省します。今月中にもう一部投稿できるように頑張ります。遅れそうな時はTwitterか、活動報告で報告する様にしますので、皆さん、これからも楽しみにしていて下さると幸いです。アルファポリスさんでも、投稿してますので、面白いや、気に入って下さりましたら、なろうとアルファポリスで評価、ブックマークの方、宜しくお願いします。では、また次回お会いしましょう〜

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