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視線の先に

 光が収まると同時に見えない斬撃を予感したレミは咄嗟に床に伏せて攻撃をかわす。

 すぐ上を斬撃が掠め少しだけ髪が切れた。

 クロネ達の事が頭をよぎり咄嗟に周りを見渡すとさっきまで近くにいたクロネ達が離れたところで戦っているのが見えた。


「どうやら分断されたみたいですね〜って! レミさん危ない!」


 魔剣の声に無意識のうちに反応して急いで横に転がるとさっきまで伏せていた床から剣の束が床を突き抜けてきた。


「なかなかやりますわね……」


 いつのまにか武器を変えていたカリンは地面に突き刺した剣を引き抜きながらレミの方をじっと睨む。


「あの武器もなかなかめんどくさそうですねーあれもデザイアウェポンじゃありませんし……それにさっきまで隣にいたボッチ達がいませんしこの人達だいぶめんどくさそうですね〜レミさん! このエセお嬢様なんてとっとと倒して帰りましょうー!」


 もう反転を使えるだけのNPも無く正直勝ち目が全く見えていないがあえて余裕があるようにハッタリをかます魔剣。

 実際プレイヤー同士の戦いならハッタリも効果的な戦略だが打つ手がないことに変わりはない。


「そう簡単にやられるわけにはいきませんわ!」


 カリンは剣を地面に突き刺し、そのまま見えない斬撃を放つ剣を取り出して斬撃を放つ。

 レミは地面から飛び出る剣の束を避けるが避けた先に見えない斬撃があるのを感じ取り何とか魔剣で捉えるがそのまま吹き飛ばされてしまった。


「同時に二つの能力を使うとかズルじゃないですかー! 攻撃パターンは一定にするのが普通ですよー! この卑怯者〜!」


「船ごとひっくり返してきた人達に卑怯者だなんて言われたくありませんわ!」


 魔剣に言い返しつつ見えない斬撃を再び放ち刺したままの剣を引き抜いて空中に投げるとレミ目掛けて蹴り飛ばす常人とは思えない動きをするカリン。

 一方のレミも魔剣のアシストと獣人の身体能力をフル活用して立ち回る。

 見えない斬撃を弾き飛んできた剣をギリギリで避けてカリンとの距離を詰める。


「すばしっこいですわね……」


「レミさん! 今がチャンスです! 多分あのエセお嬢様、反転がトラウマで遠距離攻撃しか使えないっぽいですし近距離ならやりたい放題ですよー!」


「う、うるさいですわ! と、トラウマになんてなってませんわ!」


 明らかに動揺するカリンにできた隙をついて一気に懐まで潜り込み連続攻撃を喰らわせる、カリンはなんとか攻撃を防ごうとするが見えない斬撃の剣はカリンが持つには少し大きく速度が出ないためレミの動きについていけないようだ。


「くっ……」


「いけますよレミさん! あの武器機動力は高くないみたいですしこのまま押し切りましょう!」


 少し疲れが出てきたのか息を切らしながらも攻撃の手を緩めないレミは反撃の隙を与えることなくカリンにダメージを与えていく。


「ぐぬぬ……もう面倒ですわ! 反転があろうとなかろうとまとめて吹き飛ばせば終わりですわ!」


 魔剣の口撃とレミの攻撃に追い詰められたカリンは武器を捨てるとレミの魔剣を片腕で無理矢理ガードしながらカードを取り出す。


「防御を捨てたー!? レミさん気をつけてください! あのカード何かありますよー!」


「渾身の一撃見せて差し上げますわ!」


 カリンの手に持ったカードが光ると同時に巨大な斧が現れる。

 赤と黒のシンプルなデザインの斧はその圧倒的質量が見て取れるほどの威圧感を放っている。


「いやいやいや! なんですかあのバカでかい斧! あんなのまともに振れませんし当たるわけ……レミさん!」


「……!」


 カリンの出した斧に目を奪われ隙ができてしまったレミは腕をがっしりと掴まれ身動きが取れなくなってしまう。

 なんとか振り解いて逃げようともがくレミだが必死の形相で手を掴むカリンは無理矢理斧を振り上げる。


「何考えてるんですかー! そんなの振り下ろしたらあなたごと海に落ちちゃいますよー! 海にはまだ魔物がいますし今すぐその斧を消してくださいー!」


「死なばもろともですわ! これが私の最大級の一撃とくと堪能してくださいまし!」


「ちょっとまっ!」


 思いっきり振り下ろされた斧の衝撃で甲板から海まで貫通した大穴に吸い込まれるように落ちていく2人。


「はぁはぁ……勝ちましたわ!」


「いやどう見ても引き分けですよー! ふざけんなー! このエセお嬢様ー!」


 カリンの高笑いと魔剣の罵倒がしばらく聞こえた後、甲板には静寂が訪れた。


「あはは〜めちゃくちゃだな〜2人もそう思うでしょー?」


 カリン達が穴に落ちていくのを笑いながら目で追って行くミーナはその隙を突いて放たれたクロネとトーカの攻撃を弾いていく。


「今の攻撃も弾かれるのね……」


「……あの能力……厄介」


 先ほどよりも明らかに調子を崩している2人がニーナを睨みながら攻撃のタイミングをはかる。


「あはは〜カリンちゃんも面白いけどあのレミって子も面白かったな〜」


 そんな視線など全く気にする様子もないニーナがレミ達が落ちていくのを見届け終わるとクロネとトーカの方に視線を移す。


「2人はどうかなー? 楽しみ〜」


 満面の笑みで舌なめずりをするニーナはまるで獲物を見つけた肉食獣のような目で2人をじっと見つめた。

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