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出港

 ミケと合流してから数日後、レミはクロネに呼び出されギルドの管理している港に来ていた。


「全くいきなり呼び出してなんのようですかー? レミさんはボッチのあなたと違って忙しいんですけどー!」


「忙しいって……あんた達が魔王軍幹部の船盗んで壊しちゃったからでしょ! 自業自得よ」


「そ、それはあのネコが悪いんであってレミさんは全く悪くないですよー! だいたいなんですかあのネコのスキル! 鍵の掛かった船のロックを外して盗めるとかチートじゃないですかー! 普通そんなの気付きませんしあのネコが自信満々に運転してましたからあいつのだと思うじゃないですかー! 嵌められたんですレミさんはー!」


 数日前、あの島でミケと再会を果たしたレミは島に止めてあった船に乗り込みハクム島に戻ってきたのだが、ミケの運転が荒すぎたせいで船に傷がつき修理代を弁償する為にここ数日ポイント稼ぎをしていた。

 魔王軍幹部が所有していただけあって修理に必要なポイントも多くミケと手分けして稼ぐもまだ半分にも到達していなかった。


「そういう言い訳は私じゃなくて船の所有者にしなさいよ! まぁあんたの魔剣の事だからしたんだろうけど……」


「う、それは……そうなんですけどね! でもおかしいじゃないですかー! 納得できませんよー! レミさんもそう思いますよねー?」


「……うるさい……話進まない」


「そんなー! ひどいですよレミさん! 私はレミさんのことを思ってですね」


 レミが魔剣に釘を刺すがまだまだ不満があるのか一向に話をやめない魔剣。

 どうやら余程今回の事が納得いかないようだ。


「はいはいもう良いから! あんまりのんびりしてると宝物全部奪われるわよ!」


「宝物ですかー? ……それってもしかして」


「そうよ海賊イベントよ!」


「……なにそれ?」


「あーレミさんはお知らせ読んでないんでしたねー海賊イベントって言うのはプレイヤー同士で組んだ海賊って組織で宝探しをしたり、他の海賊から宝物を奪ったり出来るイベントですよー! 要するにイベント限定の職業みたいなものですねー」


「そう、その海賊イベントよ! これかなりポイント稼ぎがしやすいから前々からやりたかったんだけど……」


 そこで言葉が詰まるとクロネは俯いてしまった。

 魔剣はその様子から何か察したのか一気に上機嫌になった。


「あーなるほど〜あのイベントはプレイヤー同士でしか組めませんからねーボッチには荷が重かったって事ですね〜? それならそうと最初から言えばいいのに〜これだからボッチはボッチなんですよー!」


「べ、別に組む相手ぐらいいるわよ! ただ海賊になるとほら! 特定の町に入れなくなったり海軍側の人に狙われたりするからやらなかっただけだから……」


 ここぞとばかりに煽り倒す魔剣のせいで若干涙目になりながら必死に言い訳を並べるクロネ。

 この後魔剣が投げられたのは言うまでもない。


「……大丈夫?」


「だ、大丈夫よ! それより今の説明で分かっただろうけど私と海賊にならない? 一気にポイントも稼げるし上手く行けば余ったポイントで欲しいものも買えるわよ!」


「……良いよ」


「ほ、ほんとう! ありがとう! これで最低限必要なメンバー4人揃ったから行けるわね! 他の二人はもう船にいるから早速行くわよ!」


 投げ捨てた魔剣を回収しつつクロネの後に続き港の奥へと向かっていく。


「結局やるんですかーまぁレミさんが決めた事なら私はなんでも賛成しますけど本当に大丈夫なんですかねー? なんか勿体ぶってましたけど他のメンバー二人もどうせいつものポンコツ悪魔とネコでしょー?」


「違うわよ! ベルは鍛冶屋が忙しいから参加できないみたいだしミケは気づいたらどこか行ってたから誘えてないわ」


「え? その二人以外にボッチであるあなたの知り合いなんて存在するんですかー! レミさんこれは大事件ですよー! 明日は槍の雨が降るかもしれません!」


「ボッチをなんだと思ってるのよ! そもそも私ボッチじゃないし……あ、あの船よ!」


 レミ達が港の奥に着くとそこには木造の船に大きな帆がついたイメージ通りの海賊船が少し離れたところに止まっていた。


「これが私が稼いだポイントで交換した海賊船よ!」


「えーこれ中型のやつじゃないですかー! どうせなら大型の派手なやつが良かったんですけどー! これだからボッチは」


「大型の海賊船動かすのに何人必要だと思ってるのよ! 私達はこれぐらいがちょうど良いの! 後ボッチは関係ないでしょ!」


 そんな魔剣とクロネのやり取りを呆れたように見るレミとは別に二つの影が眺めていた。


「あれは……あの時の魔剣使い!? なんでこんなところに……」


「ほーあれがお主を倒したやつなんじゃな! 面白そうなやつじゃなー!」


 こうしてレミは新たな面倒ごとに向けて出港するのだった。

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