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出揃ったカード

 追い詰めていたはずのブレイクは逆にRによって追い詰められていた。


「一体どうなってやがる!」


 さっきまでは追い詰める側だったブレイクだったが突然ダメージを追い始めた。

 何もない空間にいるはずなのに攻撃魔法を喰らったときのような痛みを感じ実際HPも減っている。

 誰も攻撃など仕掛けていないし目の前にいるRもただ不敵な笑みを浮かべるだけで何もしていない。

 しかし何もされていないのにHPが減っていくブレイクは何が起きているのかわからず逃げるように距離を取る。

 しかし変わらずHPは減り続ける。


「どうしたんですかー?私は"何も"してないですけど〜?」


 HPを減らされて焦るブレイクを愉快そうに眺めながらRは攻撃魔法を放つ。

 もちろんこの攻撃は当たらないがなぜかブレイクのHPは減り続ける。

 回復アイテムを多用し回復しつつ攻撃を仕掛け続けるがRはそれらの攻撃をひたすら避ける。


「攻撃は当たってないのになぜだ?HPが減る要素なんてないはずだが……」

「何ででしょうね〜?私の日頃の行いがいいおかげでしょうかね?」

「ふざけるな!お前がなにかしたにきまってんだろ!」


 アイテムも無限にあるわけではない。

 実質タイムリミットをつけられたのと同じ状態のブレイクはやけになり攻撃を続ける。


「あなたの能力はもう充分見ましたしそろそろ次の手をうちに行きたいんですよね〜というわけでこの勝負は終わらせましょう?」

「いいぜ!テメェの敗北で終わらせてやる!」


 怒涛の連続攻撃を繰り出すブレイクによってRもダメージを負っているがそれよりも早いペースでブレイクのHPが減っていく。

 それどころかHPの減りが速くなっている。


「なに!?どうなってやがる!」

「いやー楽しかったですね!あなたの能力面白いし強いいい能力でしたが私のデザイアウェポンの能力とは相性が悪かったですね〜お疲れ様です」


 回復アイテムが間に合わないと判断し最後まで攻撃を仕掛け続けるブレイクだが既に意味はない。


「あなたの能力、確かノールールでしたっけ?この世界のルールを私の常識を改変することで塗り替えて本来当たるはずの私の魔法があなたに対して当たらないというルールを作り適用したようですが無駄でしたねー」


 能力を見抜かれ動揺するが今更後に引けないので攻撃をし続ける。

 ブレイクの能力ノールールはRの言うように相手の常識を改変したものを世界に適用するものだがこの能力は一度に適応できるルールの数に制限がある。


「あなたの能力ならHPが減ると言う今の常識を改変すれば済む話ですがそれをしないあたり書き換えられるルールは一度に一つもしくはHPのようなステータスに関するルールを書き換えるのはできないと言ったところですかね?」


 Rはブレイクの能力について戦いながら考察していたようだがブレイクから答えを得ることはできなかった。

 既にHPがつき倒れてしまったブレイクのアバターは消滅しブレイクは戦争から脱落した。


「おっと……私としたことが少しミスをしてしまいましたね〜まぁあの能力はそんなに興味をそそられませんしどうでもいいですね!私のデザイアウェポンの能力も結構使えるものですね〜」


 自身のデザイアウェポンである本を眺めながらスナイパーライフルのデザイアウェポンを持った幹部と合流しようと歩き始めようとした時だった。


「なるほどの〜ブレイクを倒すとはなかなかの実力者じゃな?王国の支配者よ」

「……少しぐらい休ませて欲しいものですね〜?あなたの相手は私ではないんですけど?」

「あの黒騎士なら動きを封じさせてもらったのじゃ!妾をNPCごときで止められるとでも思っておったのかのー?」


 不機嫌そうに言うとR目掛けて魔法が放たれる。

 ギリギリで避けるRだが魔法の威力は衰えることなくそのままスナイパーライフルを持った幹部に命中し消滅させた。


「これでおあいこというものじゃな」

「アンフェア過ぎますよ魔王様、あなたと私じゃ釣り合いが取れませんよ?」

「何を言っておる?それぞれの陣営の親玉同士なら釣り合いが取れているはずじゃろ?それに妾は諸事情で遅れてしまったからのもう充分に時間は与えたはずじゃ」


 ブレイクを倒されたせいかどこか怒っている様子の魔王とRが対峙した頃。

 こっちの戦場にも決戦の時が訪れていた。


「やっと追いつきましたよー!あのクソボッチよくも弓でレミさんを狙ってくれましたねー!許しません!」

「ボッチて言うなー!本気で行くわよ!」

「……負けない」

「本気で行くにゃー!」

「クロネさん!が、頑張りましょう!」


 追いついたレミ達と対峙するクロネ達。

 戦争は終わりに近づく。


「それにしてもやけに遅かったですねあなた?」

「ちょっと寝坊してしまったのじゃ……」

「……」

「呆れたような顔をするでない!敵に呆れられるとか最悪なんじゃが!というか妾がいないと気づかれてなかったっぽいんじゃがそれってどうなんじゃ!」

「あはは〜人望ないんじゃないですかー?」

「なんじゃと!お主よりはあるわ!」


 怒りのベクトルが少しズレてる魔王様の参戦により戦争は終焉に向かって進み始めるのだった。

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