第2話
僕はいつも通りにキルしまくる。返り血で自分も赤く染まりそう。KROは血がでるというのが他のVRMMORPGとは違ういい所だ。リアルさが大違いだ。
グサッと1発、2発、3発・・・次々とプレイヤーが倒れる。暗い洞窟の中に悲鳴が鳴り響く。もはや血だけでなくゲロを吐くやつもいる。 肌寒い洞窟に生暖かい血が湧き水のように滴る。
もちろんプレイヤーキルをした後はダンジョンクリアもする。だが、ボスを倒すのはとても困難だ。ソロであんな巨大な敵を倒すなんてとても大変。そろそろボスの対策もしなければ勝てないレベルにまでなってきた。
ある日、女性の悲鳴が聞こえた。それは恐怖に満ち溢れた声だった。僕は声のする方へ急いで近づいていった。たぶんプレイヤーキルをしようとしているやつがいるのだろう。
その予想は見事的中、5人組のギルドが2人の女性を襲っている。1人は完全に動けなくなっており、実質1対5の状況だ。これはいい。5人一気にキルする。
とてつもないスピードで5人の中のリーダー的存在のやつに近づき、首を切った。
「何が起きたんだ?」
1人がそう呟くと残り4人を素早く切る。人を切ったときの音は、切られたプレイヤーの悲鳴と共に素晴らしい音楽を奏で、その時に噴き出た鮮やかな血は美しい芸術作品となる。
「ありがとう。もし良かったら何かお礼をさせてよ。」
2人の内の1人が声をかけてきた。僕が殺人鬼であることに気づいていない。助けてもらっただけだと思っているようだ。僕は弱いやつは殺さない主義だからもちろん攻撃はしない。
「お礼なんて必要ないよ。ただの自己満だから。」
そう言って去ろうとすると彼女は、
「お礼くらいもらっときなさいよ。さぁ行くわよ!」
と笑顔で僕を引っぱっていった。
別に助けたわけじゃないのに勘違いされた。まぁ少しくらい息抜きも必要だからついて行こう。