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ep0 プロローグ
始めての投稿です。
ゆっくり更新していきます。
「ねぇ、あなたは誰?」
誰か分からない、ただ女性だとは分かる声が聞こえる。
「俺は俺だろう」
俺以外に俺という人物はいないのだから。
「ねぇ、どうしてあなたはあなたなの?」
さっきより声が大きく、はっきりと聞こえる。女性はこちらに近づいて来ているのだろうか?
「どうしてって……」
俺は答えに躊躇う。
どうして?これは生物的な問題なのか?それとも心理的な問題なのか?どちらにせよ、俺が俺でいる理由はあるのだろうか、そんな考えが頭を過る。
そこにまたもあの女性の声がする。
「どうして?どうしてなの?あなたも分からないの?」
「おい、俺"も"ってどういうことだよ。誰か他にいるのか?おい!おい!」
声が届いている感覚が無くなっていく。体が重くなって、重力が働いているような、働いていないような、そんな奇妙な感覚に陥っていく。
そのまま俺の意識は薄れていった。
ほんと、どうして俺は俺なんだ。
この物語は回が進むにつれて文字数は増えていく事が多い物語です。