新章:ターゲット:白狐「城攻め」
とうとう狩り場を拡げ始めたラッシュ。果たして彼等はどんな罠を仕掛けるのか?
「山猫?なぜにあないな田舎貴族が…?」
国境沿いに設置された物見の塔からの伝令に、白狐の重臣達はざわめく。
過去に幾度かのつばぜり合いを強いてきた隣接国だが、国力の差は歴然。
だが、伝令からは、部隊を率いた山猫族の跳ねっ返りが真っ直ぐ拠点のあるこの場所へ、さも当然のように進軍してきていると言う。
「本当に来ていたとして、今更何がどうだと言うのだ。討ち死にしにきたのかえ?」
白狐族はこの大陸に、文化的な国家を長年存続させてきた、実績のある国だった。
パワーバランスを見極め、時には使い捨ての亜人種族に金で国境を揺るがせたり、周辺国との貿易で弱体化を狙ったり、日夜隣接国として「対策」を施してきた。
だが。
あの筋肉脳の跳ねっ返りは、何をやっても気にしない。
好きなときに越境し、また有るときには作物を掠め取り、神託を授かる宮殿に火矢を放って逃げていく。
まあ、所詮野蛮人だ。
倒すのではなく、弱らせてから飲み込むつもりの搦め手で、そろそろ決め時だったが、
もう収穫は諦めざるを得まい。
溜息をつきつつ、周辺国へと連絡が付き次第、連携協定をまた増やそう。
数で押し切ればよい。
何を考えて行動しているのか、全く理解不能だな。
「……山猫なぞ、滅ぼしてしまうか。」
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国境付近に現れたラッシュと丘巨人の双子。
目の前には国境沿いの白狐側の物見の塔が張り出して立っていた。
「ラッシュ、あれ、めざわり。」
「ラッシュ、あれ、こわそう。」
「もちろん。最初の狼煙に持って来いの櫓だな。」
山猫族の竜馬を走らせる。
夜は走れないことを除いては、この大陸で最強の軍馬。
岩山も関係なく、草が無くとも肉を喰らう食性は、正に闘う為に特化した生物の象徴と言える。
音もなく、一瞬で塔の下の岩場まで駆け上がる。
「毎度、この瞬間には、慣れないな……!」
体が鞍に押し付けられるような浮遊感と共に、塔の真下まで文字通り跳ね揚がり、
「お届け物だよぉ、っと!!」
小さめの鞄に詰め込んだクラッカーを塔の基部に投げ込んだ。
数瞬後、閃光と共に基部が弾け飛び、塔の中段からゆっくりと亀裂が入り、崩れ落ちて行った。
中に居なかった警護の兵士が駆け付けてくるのと、崩れた塔の下から二人の丘巨人が登り上がるのが同時だったが、
「…つぶそうか?ヨーク。」
「…つぶそうよ、ヤーク。」
振るわれる鉾が兵士を薙ぎ倒し、
振り下ろす盾が兵士を押し潰す。
同時に動くが、互いの間合いを調整しながら、
左のヤークが左に鉾を振るえば、
右のヨークは右に盾を叩き込む。
鉾が直撃した兵士の体は血飛沫を上げながら舞い上がり、
盾に触れた兵士の体は圧縮され、刺杭の当たった箇所から鮮血を撒き散らした。
振るう速度は抵抗を感じさせない微風のように、
変化なく右から左、上から下。
三十人程の武装した兵士が、物言わぬ肉塊に変わるまで続けられ、
「ラッシュ、おわったよ。」
「ラッシュ、いこうか…?」
「あぁ、毎度ながら鮮やかだね。」
返り血を僅かに浴びた二人を連れて、真っ直ぐ拠点のある方向へと進み始める。
「雑兵が増えても変わらん。俺達の狩り場は獲物には情け無用さ。」
歩む二人を先行して、ラッシュは次の一手を進める為に駆け始めた。
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「………!そんな、まさか、」
白狐の国府は報告を受けて、余りにも手際の良すぎる相手側の動きに動揺していた。
「くっ、同盟諸国が到着するまで二日はかかる、おまけに………たった、三人だけが止められないとは……!」
国境を越えた不審者、たったの三人なのに、何の困難も感じる様子もなく、ただまっすぐに中央まで進んで来ていた。
こちらは最終的に三千の騎兵を持って、隣国に到達する手筈になっていたが、現在は三百の騎兵と歩兵同数のみ。
だが、それとて、
「全体が揃っていないとはいえ、電光石火にも程があるぞ!!」
周辺から兵士が散発的に集まり、それが当たる度に蹴散らされていく。
一瞬、軍を下げ、包囲網で殲滅することも頭を過ぎったが、
「…それでは、がら空きの国府を明け渡すことになるではないか!!」
つまらぬ見栄が先に立ち、戦況よりも現状維持を選んだ。
白狐の国は、上流階級が少数派を占め、決定権が集積している。
つまり、反対者は存在しない。もし、自分達が違う選択を選べたとしても、それを最初から採択しなければ変更はない。
攻めに強く、守りに弱い国家体制なのだが、国が長く続いてきただけに変化を嫌う体質になっていたのだろう。
「とにかく、とにかく国府だけは守らねば…!!」
籠城しかない現状に、彼等の沽券は揺らいでいた。
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「ラッシュ達、なーんも変わらないで真っ直ぐすすむねぇ…」
ラクシャは空の上から見ていた。
話には聞いていたが、あの二人の丘巨人は、正に異質だった。
鎧を着た兵隊が、紙細工のように宙に舞い、薙ぎ倒される。
馬ごとねじ切られ、盾や剣ごと叩き割られる。
「ほーんと敵でなくてよかったよかった……?」
あっという間に前方に相手側の城が近付いていることに気付くが、
その前面に当然の如く防御陣営を整えた兵士の数を見て、絶句する。
「い、あれとやる気なの!?」
いくら何でも…無理過ぎる。
相手は完全装備の騎兵と歩兵が六百。
無謀、としか言えなかった。
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前方に見える軍勢、とてもたったの三人でどうにかなるような相手ではない。
「いるな。まぁあんなもんだろ。」
ラッシュはさも当然のように、視界に入った相手を確認した。
「ラッシュ、それじゃいってくる。」
「ラッシュ、いつもとおなじだな。」
「あぁ、出来るだけ派手にやってくれ。」
そういって、ラッシュは足を止めた。
双子の丘巨人は、今まで被っていなかった兜をかぶり、縦に並ぶように歩きはじめた。
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「……言葉もないな。蛮勇にも程がある。」
白狐の軍勢を率いる指揮官は、目前で二手に別れた相手、いや最早二人と一人を見て失笑していた。
「確かに丘巨人の強さは目を見張る物はある。だが、所詮は雑兵。」
騎馬で蹴散らせば瞬殺できるだろう。
一切の手抜きはしない。
「騎馬を進めよ。訓練通りに。」
合図と共に、騎馬百騎が前進していく。
「肉片が残るのかな?果たして。」
山猫族の騎馬が見当たらないことなぞ全く意に介していなかった。
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「きたな。」
「いくぞ。」
盾を持ったヨークが前。
鉾を持ったヨークが後。
騎馬の立てる地響きが届く直前、抜刀した先頭の騎馬は、信じられない光景を目にした。
ヨークの盾がクルリと後ろ向きになり、背中を相手に向け、
ヤークはその上に飛び乗った。
「ほっ。」
「はっ。」
軽い掛け声と共に、巨体が宙に浮き、先頭の騎馬を飛び越した。
「きばは、らんせんに、よわいぞ。」
着地したヤークは、自分を中心に鉾を振り回す。
足を切られ周囲の馬が倒れ伏す。
落馬した騎兵がヤークに踏み潰され、兜ごと頭を殴り潰される。
素手で殴るヤーク、その拳は最早真っ赤に染まる巨大な戦鎚。
鉾を片手で振るい、手近の騎兵を掴み叩き潰す。
僅かに振るわれる剣が兜を掠めても意に介さず、同じことを素手でやり返すが結果は比べるべくもない。
「ヤーク、おれのぶん、よこせよ。」
「ヨーク、おそいから、いけない。」
ヨークが盾で殴る度、騎兵は宙に浮き地に落ちる。
巨大な盾は不運な騎兵を馬ごと挟み撃ちにし、瞬時に肉片を撒き散らしていく。
「な、なんだこいつら!!」
「近付け、ない!!」
乱戦の極みの中、作業を黙々と続ける農夫よろしく、周辺の騎兵を藁束のように刈り取り続ける二人の周辺から、騎馬の姿が消えて行った。
「うぅ、先にいる奴から片付ける!」
不利を悟った残存の騎兵は、ラッシュに殺到してきた。
「そうそう、それでいい。」
ラッシュは腕組をしながら一群を眺めていた。
やや窪地になったその場に、それでも五十は下らない騎馬が走り寄る。
「そう、そのままそのまま…」
ラッシュが後に右足をさげ、左足を前に。
窪地を駆ける騎馬が正に目前まで近付いた瞬間「ここは俺の狩り場、」
「…………血を散らして肉塊になれ。」
窪地に張り巡らされた死の蜘蛛の巣。
下から沸き上がる土煙が立ち込め、視界が一瞬で見通せなくなる。
何が起こったのか判らない馬上の騎兵は、居たはずのラッシュが窪地に掘った浅い遮蔽壕に身を隠し、
釣られて殺到した僚兵が罠にかかって落馬していくのを目の当たりにしていた。
身動きが取れない落馬した兵士が後続に踏まれ、命を落とす。
半数が乗馬できない状態ながら、全部が巻き込まれた訳ではない。
「く、たかが一人に……!…あ?」
それでも進もうとしたその騎兵は、戦場にそぐわない奇妙な物を見つけた。
それはラッシュの左右に六個の小箱。平たいそれは放射状に配置され、まるで自分達を囲むように……、
「それじゃ、仕上げだ。受け取れ。」
遮蔽壕から出たラッシュが、その箱の後に廻り、伸びた糸を持ったまま、
「……火と鉄の洗礼だ。」
爆発と共に破裂した箱から飛び出した、音速を超す幾千もの鉛と鉄の飛来を身に受けて、騎馬ごと吹き飛ばされた。
周辺を囲むように配置された罠は、中心に居た生き残りの騎兵に訣別の一撃を与えた。
「いいぃ、は、腹がぁ…!」
鉄の鎧の隙間から入り込んだ鉛弾は、到達した瞬間に変形し、内部で衝撃波を生み出す。
腹部に当たれば、貫通せずに内部を衝撃波で液状にまで破壊。
内臓と筋肉、骨まで破壊する非情の直撃で致命傷を受けた騎兵は、ずるずるとはらわたを出しながら横たわり絶命する。
頭を失い、同様に首から上を失った馬に跨がった騎兵が力無く落馬し、
その下に横たわる出来立ての死体の中に仲間入りする。
「が、ぐぅ…こんな、こんなこと…」
手や足だけを失った少数の幸運な兵士の一人は、窪地の縁に立つ一騎の兵を見た。
「ありゃまぁ、ラッシュ。相変わらず仕事が荒いねぇ!」
「でもちゃんと、お前の愉しみはとっておいたぞ?パルテナ。」
真っ赤な革鎧を身につけたパルテナは、長い剣、いやカタナを持つ。
その刀身は斑尾模様、油を流したような波紋が全面に流れた長いカタナ。
「さて、こっからは私の仕事だ。」
パルテナが後に並ぶ寮兵に振り向きながら、
「それじゃ、いっちょやるか。」
最高の笑顔、最低の悪女面で前を向き、
「いただきまーす!」
ラッシュの脇を風のように駆け抜け、長い長い刀、波紋流しの馬上刀で、
立ち尽くす騎兵の首を跳ね飛ばした。
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「そ、そ、総崩れだと!!」
城内の大部屋に集まった重臣の一人が城を守る兵士からの一報に怒鳴り声を上げた。
「そんな馬鹿な!!せいぜい五十程度の騎馬だ。力押しでも負けるはずなかろうが!」
外周に居た守備兵の大半が死亡し、残った兵も城内に逃げ込めたのは五十に満たない。
「あ、有り得ん…」
力無く呟く一人に、
「まだ負けた訳ではない!!援軍が来れば問題ない!」
貴族の中でも権力の強い白狐の一人が諦めずに叫ぶ。
「あと、あと二日は持てば、」
「持てばいいけどね。あんたらが。」
聞き覚えのない、甲高い声が響く。
「あ~あ~、みっともない。いいとししてみっともない。」
小馬鹿にしたような軽い口調で、甲高い耳障りな声が天井から。
すっ、と音もなく一団の真ん中に、真っ黒い塊が落ちて来る。
「みっともないっちゃ、ありゃしない。」
真っ黒い塊は、むずむずと広がるように伸び上がる。
それは、全身真っ黒の、鱗だらけの生き物。
「ラッシュに言われてきてみれば、やっぱり俺はこんな役。」
その人影は、周りの白狐達に手の平を上に上げ、おどけたポーズで語りかける。
「いつだってそうなんだよ?城に潜って馬鹿を狩れ、簡単気楽なお仕事だってさ。」
硬直が解け、衛兵を呼ぼうと扉に向かう一人の貴族は、扉に到達する前に頭に投げられた刃物が突き立ち、くずおれる。
倒れた貴族に右手を真っ直ぐ伸ばしたその侵入者は、よく見れば顔全体を覆う頭巾を被っていた。
「人の話を途中で聞かずに逃げるのは失礼だって、言われなかった?」
伸ばした手をゆっくりと背中に回し、極端に湾曲した二本の刀を両手に持つ。
「そんじゃ、仕上げに入りますよ。途中退場は、認めないからね。」
頭巾の口元から、長く細い舌をちろり、と出し、引っ込めた。
「屠殺場にようこそ。」
人影は舞うようにテーブルをくぐり抜け、不幸な犠牲者を手足から順番に切り落としていった。
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「お、はやかったね、パルテナ。」
「おたのしみかい…?パルテナ。」
ヤークとヨークは二人して城門の前で腰掛け、呑気に語りかける。
「いや~久々に斬った斬った~!途中から数えるの辞めたよ!キャハハハハ!!」
明るく楽しげに笑うパルテナは、抜き身の長刀を鞘に仕舞う。
「うちらの兵隊もいい訓練になったしな!欠落無し!」
無傷とはいかなかったが、手酷い被害もなかったようで、パルテナは上機嫌だった。
「さて、あとはこの城門が開くだけだな。」
ラッシュが歩み寄り、三人に並ぶ。
それを合図にしたかのように、裏側の機構が噛み合う音がして、重い扉が上に揚がり始める。
「なかなか言うこと聞かないから、一人以外、皆殺しに、しちゃったよ?」
扉が揚がり切る前に、隙間から黒い人影がぬるりと滑り出す。
「なんだ、ラッシュに、パルテナ、あとヤークにヨーク、お揃いなんだね。おひさしぶり。」
頭巾を脱ぎながら、四人に挨拶するその人物は、
「城落としの、ベリオル、久々のお仕事、いかがでしたか?」
しゅう…と息を吐き、その異形を現にする。
細かい鱗に覆われた全身、顔は爬虫類を彷彿とさせるが、髪の毛の代わりに棘が頭を覆い、
大きな目は肌と同じ皮革に包まれ、中心だけ光を反射しながらくるくると動く。
その異形を際立たせているのは、体の模様が時折さっ、と変わるのだ。
今は土の色のような茶色だが。
「ベリオル、急な話で済まなかったな。」
ラッシュが言うと、
「仕事はありがたいが、話が急なのは、勘弁だね。」
少しだけ、機嫌悪げにベリオル。
「せっかく、里の長として、腰を据えたばかりだったのに。」
「悪かったよ。気に障ったなら許してくれ。」
ラッシュの詫びに、
「ま、あんたの楽しみに、一つ噛むのは、悪くないさ。」
笑うように目玉をくるくると廻して答えた。
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「いやぁ、正に亜人兵団、異種格闘技団体だなぁ。」
ラクシャと共に馬車で遅れてやって来たライルに、ヤークとヨークが近付く。
「あんた、めし、もってきてるな。」
「あんた、めし、もってるよな?」
「はいはい判ってます判ってますだから俺を掴まないでって!!」
鷲づかみにされて叫ぶライルの姿に笑うラッシュ。
「早く食わせてやれよ?でないと引きちぎられるぜ?」
わーわー言いながら二人に袋を叩き付けるライル。
「ねぇ、この国どうするの?」
ラクシャがラッシュに聞く。
「あぁ、ここか?売る。」
答えに思わず身を引くラクシャ。
「うぇ?う、売るぅ~!?」
「そうだ。もう買い手はついてる。」
簡単に言いのけるラッシュ。
「うちには大金持ちがいるだろ?いい手土産になるさ。」
ふ、と言いながら、懐からタバコを取り出して、先端の塊を叩いて火を付ける。
「あの引退貴族に、無理矢理にでも売り付けるさ。」
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離れた中央都市で、ラージャと風呂に浸かっていたゼルダがくちゅん、とくしゃみをした。
「どうしました?まさか、風邪ですか?」
ラージャが語りかけるが、
「妾は風邪なぞひかんわ。まったくどこの誰が妾のことを………。」
「それよりも龍の娘、なぜそんな成りで浮世を遊び歩いておる?」
「さて?なんのことか全く判りませんが……」
ラージャはとぼけたように湯を眺めるが、
「妾の目はごまかせんぞ。その傷から魔力が溢れ出しておるわ。」
ゼルダは湯の中で指を絡めながら手を伸ばした。
「妾が何もせずに、この世界でただ日々を怠惰に過ごしてきたと思うたか?」
静かに湯に身を委ねながら、浮き上がるままに身を漂わせる。
「水没した古き都市に、それは古い古い伝承の石版が転がっておったわ。」
ゼルダの一言に、ラージャは目尻を上げる。
「……こな大陸でも一番古い記録を残す場所に赴き、そこに記された更に古い、古き都市。そこには大陸に落ちてきた舟の船乗りが、姿形を変えて元の住人に溶け込んだ話が載っておったな。」
「そんな昔の人なら、私はすごいおばあちゃんですよ?ゼルダさん。」
「ふん、妾とて既に八百年をこの身のまま過ごしてきたのじゃ、不思議はなかろうて。」
漂うまま、ラージャに語るゼルダ。
「でも!今は私は……、」
一瞬立ち上がり、胸元をあらわにするが、思い直したように戻るラージャ。
その豊かな圧迫力で派手に湯が波打ち、浮いていたゼルダがたぷたぷ、と浴槽の端まで流される。
「……まったく、派手に揺らすな。波打ってたまらぬわ。」
くふ、と笑うゼルダの様子にラージャは首を傾げる。
「よいのじゃよいのじゃ。世界はこうして波打ってこそ、面白いわ。」
不敵に笑いながら天井を見つめるゼルダ。ぺったんこの前越しにラージャを見ながら、
「お前と言い、あの血みどろの連れといい、この世界は……」
そういうと、浴槽から身を引き上げ、端に両手をかけ伸ばし寛ぎながら、
「まっこと、妾の、お気に入りばかり……血の匂いに満ち充ちておる!」
そう言いながら、ふふふ、と愉しそうに微笑んだ。
昼間からお風呂です。そして新キャラ登場でした。