新章:大陸制圧戦
ラッシュとライズとラクシャは仲間達としばし離れて別行動となる。共に行くはラッシュの元カノの山猫族の爆乳戦鬼パルテナさん、そして馬鹿双子のヤークさんヨークさん。三人の戦初めは隣国の歴史古き白狐族の国。
「ラッシュ。本気か?」
パルテナさんは、慎重な性格には思えない。どっちかって、いうと、イケイケ?見た目的にも。
でも、それは素直にはいそーですか、で戦争しちゃうってこととは、違うよねぇ…。
「いくらなんでも馬鹿の双子にこの国の兵士、それにあんたらだけで、何ていくらなんでも…」
ほーら、言わんこっちゃないや。
「兵站が切れない期間と距離、両方考えて二週間以内じゃないと無理だぞ?イヒヒ。」
……え?
ニヤッとしてるパルテナさん、スッゴく悪女っぽい笑い方してるよぅ…。
やっぱりこの人、ラッシュの元カノだぁ……。
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パルテナさんの屋敷に泊まった翌日、双子の丘巨人を引き連れてラッシュが戻ってきた。
ほんとに、傷だらけ…。全身、縫い跡かぎ裂きだらけ…。
でも、なんかそんなに怖くない。
なんでだろ?
「お、パルテナのあねごだ。ひさしぶり。」
「あ、パルテナのあねごだ。ひさしいね。」
二人が同じように似たようなことを言う。
「いや、この前そこの童貞師匠拾いに行ったろ?お前らと一緒に。」
パルテナさんが少し呆れたように師匠を指差すと、師匠の方が凄まじくビックリしてる!
「え!?いやいやマジで!?あのオーガそのまんまの鬼神サンがあんたらだったの!?」
どーやら師匠の見たときと印象全然違ったみたい。
「えー?だってあん時ダダァーッて来て、バキグシャドカンってアッー!ってなったら目の前の糞馬鹿ども吹っ飛んでニヤッていって消えちゃったからさ……。」
今は、農作業中にお茶飲みに来た近所のおじさんみたい。
うしゃうしゃ笑いながらパルテナさんとラッシュと話す双子さんは、どー見ても戦争屋さんには見えないんだよねぇ………。
でも、師匠、二人の手をチラッと見て、
「なぁ、ラクシャ。あのゲンコツ、何すりゃああなるんだ?」
言われて見たら、子供の頭位は有りそうな瘤で覆われた、黒光りする物凄い拳タコだった。
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「さて、これから軽く遊びに行く。パルテナの家臣だから何も言わなくて判ってるだろうな。」
パルテナさんの部下の跳竜騎兵隊を前にして、サラっと言いのけるラッシュ。
「相手はあの白狐族だ。まぁ、知らぬ仲じゃないだろうから遠慮はするな。」
あぁ、この人は、こうやって戦争してきたんだ。
「俺が行く場は全て、俺の狩り場にしてやる。入って出るのは味方と、処理された肉塊だけの簡単な仕事だ。ワクワクして来るだろ?」
情け無用、自分を餌に敵を釣る。
「最初のいけにえにしては、少々物足りないかな?」
「いけにえ、というか、びゃっこ、ってあのしらびょうしか。」
「いけにえ、というか、よわすぎて、ものたりないラッシュ。」
見たことのない槍を持ったヤークさん。
見たことのない盾を持ったヨークさん。
身の丈はありそうな長い曲がり気味の剣?を背負いラッシュと違う真っ赤な革鎧を着たパルテナさん。もちろんボリュームも破壊力もありすぎな胸回りだけど!なんかくやしい…。()
「お。まだそれ使ってたのかそれ?金属鎧着た相手じゃ疲れるだろうに。」
ラッシュさんはパルテナさんの長い剣をみて懐かしそうにいうと、
「ばーか。お前みたいに素手よりもこっちの方が楽だ。」
まるで重さがないみたいに軽々と剣を抜く…え?何あれ鞘が割れて中身が出るの?
変わってる…でも、あぁじゃないと抜けないのか。
「コイツなら甲冑の表面も滑るからな。首狩りにゃもってこいさ…。」
楽しげに笑うパルテナさん。うわぁ、やっと、あだ名の意味、判ったよぅ……。
日が影って、雲に光が遮られた瞬間、パルテナさんの眼が光り、何時も以上にニマァ…♪と笑った顔、まさに、…………大口のパルテナ、って感じ。
次回からはザックザクいきまっせ?旦那様。