第13話-天具『モリビト』-
遅くなりすみません。
今回はほぼ説明回です。
ん…ここは…
「ああ、起きたのですね。カケル」
「…シーア?ここはどこだ?」
「自分の部屋の内装くらい覚えておいてくださいよ。」
そうか、俺の部屋か…確かニーナと練習してて…
「…なんで俺家にいるんだ?」
「私が治癒魔術師のフリをして連れて帰ってきたのですよ。変身魔法って結構魔力使うんですよ?ご褒美ください。ご褒美。」
「は?治癒魔術師?ちょっと待て。なんでそんなことになってんだ!?」
練習中に強烈な水球を喰らったのは覚えてるけど…でもそれだけのはずだ。あの部屋じゃ障壁魔法が働くはずで…
「すみません。まさかこんなに早く付与系統の魔法に遭遇するとは思ってなくて…実は『モリビト』の効果なのですが良い、悪いに関わらず全ての付与魔法を遮断するのです。」
『モリビト』…ああ、そういやそんなの付けてたな。忘れてたわ。なるほど。それで俺には障壁魔法の付与がされてなかった訳か…
「でもなんでそんなことを…?」
「実は『モリビト』は天具の中ではそれほど価値がある訳でもなく、きちんと書類さえ出せば私達天使でも借りることができるものなのです。」
…?話の繋がりが見えてこないな…?
「そのため、異世界からの来訪者には念のため貸出することを義務づけられています。」
「ちょっと待て。異世界から来てる奴って俺以外にもいるのか?」
「ええ、といってもウツタからは来ませんけどね。ユマと関わりがある次元もいくつかありましてね。ユマの天界を他の世界の天国として使っていたり、次元移動が活発な世界では旅行感覚で来ることもあるらしいですよ。」
ええ…もうよく分かんねぇ…。世界越えってそんな簡単に出来るもんなの?俺もっと難しいもんだと思ってたよ?そんなにゆるゆるなの?
「まあウツタは自分の世界の天界や冥界で完結させてしまう程に鎖国してますからね…あまり実感もわかないでしょう。」
そういうもんか。
「さて、話を戻しましょう。『モリビト』は他には絶対に装備者は死なない、無理に外そうとした者を必ず殺す、という能力も持っています。」
「あれ?じゃあ装備者自身が外そうとしたら矛盾するんじゃ…?」
「いえ、先程言った通り『モリビト』には全ての付与魔法を遮断する効果がついています。外そうとした者に対するものは一種の呪いですので無効化され、無いものになります。」
ああそうか。まあ結局安全ってことか。
「でも外した瞬間にその呪いが襲いかかって来るので、結果は変わらないのですが。」
駄目だった。全然安全じゃなかった。俺1回死にかけてた。
「え、じゃあなんであの時伝えなかったんだ?」
「カケルにはこっちの世界を少しでも楽しんで貰おうと思って…」
敢えて黙ってたって訳か…それでも死ぬ危険性があるなら早めに言っておいて欲しかったな…
「また話が脱線しましたね。まあそういうわけで、『モリビト』の装備者は絶対の安全を得ることが出来るのですよ。」
「絶対に死なないんなら付与魔法遮断って要らないんじゃないのか?」
「呪術魔法系統ですと死ぬより辛い思いをする場合もあるので、装備者が自殺する場合もあるのです。なので付与魔法系統そのものを遮断してしまおうということになりこうなったのです。」
「良い付与魔法と悪い付与魔法との区別を付けることは出来ないのか?」
「魔法の中には区別をするためのもありますが、魔法を使うのは一瞬なので使われてからならともかく使う前に区別をするのは…」
なるほどな…どうしてもこういう仕様にするしかなかったってことか…
「…あの威力の水球を喰らって死んでないのは『モリビト』の効果か?」
「ええ。でも『モリビト』があるからといって無茶はしないでくださいね。あくまで死なない、というだけですので。致命傷を喰らった時は死んだ方がマシなレベルの苦痛を伴いますし、本来ショック死をするような場合ですと、かなーり辛いです。」
怖っ。ホントに死なないってだけなんだな。
「それで俺は気絶してシーアに連れられて帰ってきた、と…」
「ええ、とりあえず治癒魔術もかけておいたので大丈夫のはずです。が、身体に不調があるようでしたら、明日の学校は休んだほうがよいかと。」
「うーん…とりあえず寝てから考えるよ。」
まあこっちでも引越ししてすぐってのは大変なもんだしな。もう少し疲れは溜まるだろうけど、へこたれる訳にゃいかねえよな。
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