表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

#002:明日、明後日、明々後日。

2015年11月23日午前4時。

空は未だに暗い。

そう言えば勇人はどうしてるのだろうか。

11月26日はバトルの日だったっけ。明々後日か。

ヤツは覚えているのか?


公道を走り始めてもうすぐ1年が経つ。俺は宣言通り青いシルビアを買った。

ヤツはFDに乗っているのだろうか。


さあ今日は帰るとするか。


毎日バイトをちゃっちゃと終わらせて、家に帰ってシルビアをイジる。夜になったら、公道を疾走する。最近はこんな事の繰り返しだ。

4年ぶりの再会を果たして、バトルするのだから正々堂々、失礼の無いようにレースをしなければならない。

「いまのSR20DETなら勝てる。」

俺はアクセルを踏み込みながらつぶやいた。


2015年11月24日

俺は思った。

(ヤツは本当に現れるのだろうか。)

現れないのでは話しにならない。今までのチューンナップも全くもって無駄になるのではないか。

そんな不安に駆られるも、俺は夜の公道を攻め込んでいる。

ゴォォォォォとエンジンがうなりをあげて加速する。

前にいたバンをスレスレでよける。クラクションを鳴らされたが気にしない。俺はただただアクセルを踏み続けた。

クラクション位で止まる走り屋がこの世にいるのだろうか。事故って無いのだからいちいち止まる必要はないだろう。

そんな事を考えているとフロントガラス越しに明らかにでしゃばって少し飛ばしているGT-Rが目に入って来た。

「隣に女でも乗せてるのか?おまえみてぇな形だけのRに乗ってるヤツが一番キライなんだよ。Rを舐めんじゃねぇ。」

今日の俺は何かおかしい。

しかしそんな事はどうでもいい。

俺はフロントライトを点滅させた。

そして一気にアクセルを開けると、バックミラー越しに徐々に小さくなってゆくRを見てとれた。中排気量車で大排気量車をかわしてゆく事。これだから俺はこいつを手放せない。

もうさっきのRは見えなくなっていた。


時間が経つのは早いもので、もう3時間ほど経っていた。GSに寄ってハイオク満タンを入れる。そして帰宅。エンジンを切る。

あたりはまるで誰もいないコンサート会場の様に静かになった。なんとなく憂鬱になる。

コオロギのなく声だけがただ永遠に続く。気がついたら俺は眠りについていた。


2015年11月25日

久しぶりの雨だった。

雨は俺のドラテクを抜き打ちでテストする。


だが今日はもともと走る予定は無い。マシンの最終チェックをするのだ。

タイヤを新しいものに変える。

車高も2ミリ下げる。

そんなこんなで自分の扱いやすいセッティングにしたところでエンジンをかける。

キュルキュキュブオンブォォォン

調子は悪くない。

「おまえのの心臓だけが頼りだ。頼むぞ。シルビア。」

俺はシルビアにそうつぶやいた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ