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黒を白に会

作者: 雲桜マル

この小説は思いつきで書きました。今どきプライバシーの観点からいっても有り得ない話(発言)ですが、そこらへんはどうかお緩めに。



では、東京本部前から中継でお伝えします。


はい。本部前です。

黒を白に会は全日本国民(国籍を取得している外国人も含む)の中から抽選で選んだ顔写真を明日の0時ちょうどに公表すると発表しました。人数は1000人程度だということです。


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「僕も当たらないかなぁー」

 テレビを見ながら独りつぶやく勇夢。


 1000人に選ばれて申告すれば、死ぬまで生活が保障される、という嘘のような話であるが、日本中がみな信じている。それは、黒を白に会が言うことだから。


 ネットの掲示板では

「選ばれて申告しに行かない奴いるのか?」

「もし選ばれたら一生、働かずにすむ。何も望みさえしなければ」

「衣食住あればいいです」

「確認作業が大変そうだけど、そんなの苦にならない」

 と騒がれている。

 テレビでも「もし、選ばれたら退職します」と宣言するアナウンサーやお天気キャスターが数人いるほどだ。


 こうして『ワイドショー時間記録更新』とでもいえそうな一日はあっという間に終わった。


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 こんばんは。0時になりました。ここからは黒を白に会の記者会見をお伝えします。


 1メートルぐらい離れて見ないと目がチカチカするほどのフラッシュ。そんな画面を僕は必死で目を凝らして見る。全部いっぺんには映らないので少しずつ公表される。気長な作業だ。

 徹夜してまで見るのには理由わけが2つある。1つは早く知りたい。もう1つは新聞を見てからでは遅いのである。申告期限は0時から深夜3時半でそれ以降はいっさい受け付けないとのこと。従って3時までには発表し終わる予定になっている。


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 念のために服を着ていた僕だが残念ながらハズレ。しかし、同僚の一希がいてたような……。すぐさま携帯に電話をする。


「あ、一希。あれ一希だよなぁ」

「うん。間違いなく俺だ」

「もう向かってるのか?」

「いや、まだ。まさか選ばれると思ってなかったから」

「そんなのん気なこと言ってる場合か。30分しかないんだぜ。近い場所はもう調べてあるのか?」

「一応」

「だったら早く行けよ」

「交番か署どっちがいい?」

「そりゃー署の方がいいだろ。おまえ、家から署までは車で10分ぐらいだったよなあ」

「おお、そうだ」

「じゃー署に行け!」


 そして、一希は署に行った。


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 次の日、一希は会社に来なかった。

 知り合いに聞いたところ1000人の判定は一発だったそうだ。因みに、申告に行ったのは目標の300人を大きく上回る903人とのこと。目標人数を発表したのは公表が終わってからだった。


最後まで読んで頂きましてありがとうございます。

とても短い話でしたが何か感想などあれば宜しくお願いします。

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