01
「よし行くか」
「おう!」
イザとクルミは魔獣アリュセールを倒す為、冒険に出た。
イザは爆炎の魔法が使え、クルミは僧侶として回復魔法が使える。
他の冒険者と違って武器を持たない中々レアな存在であるが、ちゃんと準備はしている。冒険を舐めたりなんかしてない。
防具はしっかりとつけ、アイテムを拾った時のストック用にアイテムBOXとして売られていたカバン2人は身につけている。
中々カバンや防具は高かったが、冒険者たるもの当然の出費だ。
イザ達のメインターゲット、アリュセールはシンドール渓谷という所を拠点としており、そこから半径5キロ以上は出ないとされている。
全長20メートルぐらいの竜であるため、運良く平原にいたら、遠くからでもすぐ分かる見た目をしている。
まぁ渓谷となるとどこの溝にいるか分からないし、巨大な渓谷に比べたら20メートルは蟻みたいなものなので、見つけるのは至難の業である。
イザ達が村のクエストから冒険に出て1日が経つ。
シンドール渓谷はまだまだ先である。
今日はあたりも暗いし、無理して平野にいると未知な魔物に襲われる可能性もあるので、山の麓にある川沿いにテントを張り、一夜を過ごそうと思う。
「炎鷹」
イザは集めた木の山に手を翳し、炎を出す。
ボワっと木の山の底から紅色のゆらゆらとした熱気が込み上げてくる。
炎は瞬く間に木の山を覆い、無事焚き火の完成だ。
「間違って爆発させるなよ?」
「当たり前だろ、そんなことしたらせっかく集めたのにもったいないじゃないか、
冗談でもそれはしない。」
「それを分かってて俺も言った。
こいつはノリでも爆発させないだろうなと思って。」
イザは重度の面倒臭がりである。
それを長年一緒にいるクルミは分かってて敢えて揶揄うように言った。
「もし爆発させて木が無くなっても、お前の回復でなんとかできるだろ?」
「馬鹿いえ、俺の回復魔法は生き物の肉体限定だ。木なんて回復できるわけないだろ。それはもう別の魔法だ。」
「かわいそうに、木さんだって、生き物だよ?」
「それを言われたら何とも言えないな。」
木が燃えゆく音が心地よい。
これは上質なASMRだ、気を抜けばすぐ寝れそうなくらいの。




