偽物のタイムライン? 銀鈴広場のオフ会騒動!
「――よし、メンバーも揃ったことだし、ここらで一発『リアル』でファンと交流しておくか!」
俺の提案に、ワサラー団の面々は賛成した。ギルドの注目度ランキングが急上昇した今、直接ファンと会って「拡散力」をより強固なものにする必要がある。
みるきぃがクリエイティブ魔法で街中に「光のチラシ」をバラ撒き、開催場所を告知した。
場所は、この街の交通の要所である中央広場。
そこには、前世の東京駅を彷彿とさせる、巨大な「銀の魔鈴」が吊るされていた。
「ここなら目立つし、オフ会の待ち合わせには最適だな!」
ポニーテールを揺らしながら、俺たちは意気揚々と広場へ乗り込んだ。……だが。
「おい、そこ! 参加費の15,000ワサが払えないなら、とっとと失せろ!」
広場の中央、銀の魔鈴の真下で、野太い声が響いた。
見ると、そこには派手なマントを羽織り、俺たちのギルド紋章を歪に模倣した旗を掲げる一団がいた。
「え……? 参加費……?」
そこには、ボロボロの服を着た一人の少年が、涙を浮かべて立ち尽くしていた。
「あ、あの……僕はワサラー団の皆さんに憧れて、遠くの村から歩いてきたんです。でも、参加費が必要なんて聞いてなくて……。今、手元にはこれ……32ワサしかないんです……」
少年が震える手で差し出したのは、小銭が数枚。
偽のワサラー団を名乗る男は、それを見るなり顔を真っ赤にして激怒した。
「ふざけるな! 32ワサだと!? そんな端金で我ら高貴な『ワサラー団』に会おうなんて、身の程を知れッ!」
ドゴォッ! と、男は少年を力任せに突き飛ばした。
「うわああああっ!」
「――そこまでだ、偽物野郎」
地面に叩きつけられる直前、少年の身体を柔らかな風が包み込んだ。
俺の拡散魔法を応用した衝撃緩和だ。
「な、なんだ貴様らは!」
「本物の前で、よくもまあそんな安っぽい売名ができるな」
俺は一歩前に出た。ポニーテールの先まで怒りが充満しているのが自分でもわかる。
「あおこ様、お下がりください。こんな不純物、俺の剣で塵にいたします」
VR地獄がパーカーのフードを跳ね除け、大剣の柄に手をかける。その殺気に、偽物たちは一瞬で青ざめた。
「参加費15,000ワサ? 俺たちのオフ会は、そんなセコい商売じゃない」
わさこ師匠が杖を突き出し、周囲にピリッとしたわさびの香りが立ち込める。
「私たちの活動は、志を共にする者全員に開かれているわ。……ね、団長?」
「はい! お金なんて関係ありません! 楽しむ心があれば、みんな団員です!」
緑茶団長が少年の手を取り、優しく微笑む。
「……あ、あおこ……わさこ……まさか、本物か!?」
偽物たちが後ずさりする。
「みるきぃ、こいつらの恥知らずな姿、街中に配信してやれ。二度と俺たちの名前を語れないようにな!」
「了解っ! 最高の『晒し』エフェクト、上乗せしちゃうから! ハイ、チーズ♪」
みるきぃが黄金のカメラ型魔法を発動させ、偽物たちの醜態を広場中に投影した。
「本物のわさらー様……あおこ様だ!」「かっこいい!」
広場に集まっていた人々から歓声が上がる。
俺は助けた少年の頭を撫で、ポニーテールを揺らしながら笑いかけた。
「ようこそワサラー団へ。32ワサの情熱、しっかり受け取ったぜ。――さあ、本当のオフ会を始めようか!」
偽物たちが這い蹲る横で、銀の魔鈴の下、真の伝説が動き出した。




