表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

32/35

友情の調合――誕生、特製ワサビポーション!

お母さんからの応援をもらい、心が軽くなったあおこは、昨日のお礼を兼ねて緑茶の元を訪ねました。


「緑茶、これ昨日の手土産! 珍しい新鮮な『わさび』が手に入ったんだ。いつも助けてもらってるから、受け取ってくれよ」


「わぁ、あおこちゃんありがとうぉ! ツンとするけど、とってもいい香りだねっ」


緑茶は受け取ったわさびを大事そうに抱え、一度自分の家へ戻りました。キッチンに立った彼女は、瑞々いわさびを見つめながら、ある素敵なアイディアを思いつきます。


(このわさびを使って、あおこちゃんがもっとシャキッとするような、特別なポーションが作れないかなぁ……?)


一人では少し不安だった緑茶は、ワサラー団の頼れる仲間であり、ギルド最強のSランク魔法使いであるわさこを家に呼び出しました。


「わさこちゃん、相談があるんだよぉ。あおこちゃんに貰ったこのわさびで、新しいポーションを作りたいの!」


緑茶の提案に、わさこは不敵な笑みを浮かべて応えました。

「わさびでポーション? 面白いじゃない。私の魔法とあんたの癒やしを合わせれば、ただの回復薬以上のものができるわよ」


「うんっ! 疲れも眠気も吹き飛ぶような、応援ポーションにしたいの。わさこちゃんの最強の魔法、貸してほしいなっ」


緑茶の真っ直ぐで一生懸命な瞳に、わさこは静かに杖を構えました。

「……いいわ。Sランク魔法使いの真髄、この一瓶に込めてあげる」


二人の共同作業が始まりました。緑茶が大きな鍋でベースとなる癒やしの液体を丁寧に煮込み、そこに細かくすりおろしたわさびを投入します。


「今よ、わさこちゃん!」


挿絵(By みてみん)


「任せなさい。万物を刺激し、覚醒させる緑の劫火――『ワサビ・アルティメット・ノヴァ』!」


わさこが杖を振ると、部屋中に凄まじい魔力のプレッシャーが走り、純度の高いわさびエネルギーが鍋へと凝縮されました。Sランク魔法使いにしか制御できない高密度の魔力が、癒やしの液体と激しく混ざり合います。鍋の中はエメラルドグリーンに激しく輝き、鼻を突くような、それでいて清々しい香りが立ち込めました。


「ふぇぇ、魔力が強すぎて涙が出ちゃうよぉ……でも、すっごくいい感じ!」

緑茶は涙目で笑いながら、魔法のヘラでゆっくりと、愛情を込めてかき混ぜました。


数時間の格闘の末、瓶に詰められたのは、これまでの常識を覆す、鮮烈な光を放つグリーンの液体でした。


「できたぁ! 特製『ワサビ応援ポーション』だよぉ!」


「ふん、私の魔力に耐えきるとはね。これならあおこの眠った才能も一発で叩き起こせるわよ」


わさこも満足げに頷きました。緑茶の「最強の癒やし」と、わさこの「最強の魔力」が完璧に融合した、世界に一つだけのポーション。


緑茶は完成したばかりの小瓶を手に、早くあおこに届けたくて、トコトコと家を飛び出していきました。この小さな一瓶が、これからの過酷なSランクへの道のりで、大きな奇跡を起こすことになるとは、まだ誰も知りません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ