表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/35

再会は、刺さるような緑の閃光と共に

転生から数日が過ぎ、俺……いや、あおこは地元の学校に通い始めていた。

そんなある日、教室の扉が開くと同時に、教室内がピリリとした緊張感に包まれた。


「東京から転校してきた、わさこさんだ」


教師の紹介と共に現れた少女を見て、俺は息を呑んだ。

夜空のような紫の髪、知性を湛えた鋭い瞳。それは、前世で俺を支えてくれた有能な秘書、わさこそのものだった。


(わさこ……! お前も、この世界に来ていたのか!?)


放課後、俺は思わず彼女の後を追った。

辿り着いたのは、学校裏の演習場。そこで彼女は、奇妙な杖を取り出した。

それは、瑞々しい「生わさび」の形をした、見たこともない魔導杖。


「……顕現せよ、翠緑の刺撃」


挿絵(By みてみん)


彼女が杖を一閃させると、空間を切り裂くような緑の閃光が走り、巨大な訓練用ゴーレムを一撃で粉砕した。


「な……今の、魔法!?」


「……見ていたの? これは『わさび魔法』。私はこの世界でSランクの魔導師として、ギルドに登録しているわ」


わさこは静かに杖を収め、俺を振り返った。

その瞳には、前世にはなかった圧倒的な強者の光が宿っていた。


「わさこ……俺だ! わさらーだ! 分からないか!?」


俺の叫びに、わさこは一瞬だけ目を見開いた。だが、すぐにふっと口角を上げる。


「……あおこ様。いえ、わさらー様。まさかそんな姿になっているとは。ですが、今のあなたの秘書がわたしなんて相応しくありませんね。魔法も見習い、魔力も底辺。……いいでしょう。私が鍛えてあげます。私の弟子になりなさい」


かつての主従関係は、最強の師匠と、無力な見習い弟子という形で再構成された。


「よし……分かった。やってやるよ! その代わり、俺と一緒にまた最強の組織を作るぞ!」


あおこと、わさこ師匠。

二人の冒険がここから始まる――と思われた矢先、街の茶屋から聞き慣れた、元気いっぱいの声が響いてきた。


「はーい! お茶のおかわり入りますっ! ついでにワサラー団の布教もいかがですか〜!?」


「……あの声、まさか緑茶団長か!?」


異世界のトレンドが、いま激しく動き出そうとしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ