深淵の入り口――初ダンジョン攻略開始!
あおこたちが次なる目標として掲げたのは、ギルドの最高峰「Sランク」への到達、そしてこの世界の理の最奥に潜む「何か」を打ち倒すことでした。そのためには、今の実力をさらに引き上げるための本格的な冒険が必要です。
「次はどのクエストにする? 前回のFランククエストではスライムを倒したけど、今の俺たちならもう少し上を狙えるはずだ」
あおこがギルド掲示板を模した魔法端末を操作すると、いくつかの候補が浮かび上がりました。その中から彼女が指を止めたのは、初心者卒業の登竜門と呼ばれる場所でした。
「よし、ここにしよう。Dランククエスト『彷徨う鎧の地下迷宮』だ」
「スライムよりはずっと手強そうね。あおこ、あのアマチュアな動きじゃ通用しないわよ」
わさこがニヤリと笑いながら釘を刺すと、あおこは「わかってるって!」と威勢よく返しました。
「あわわ、迷宮……暗いのかなぁ? でも、みんながいれば怖くないよねっ!」
みるきぃが少し不安そうにしながらも、杖を握りしめて気合を入れます。すると、隣にいた緑茶がふわふわとした足取りであおこの元へ歩み寄りました。
「あおこちゃん、大丈夫だよぉ。私がもっと強力な特製ポーションをいっぱい作っておいたからねっ。迷宮の中で怪我しちゃっても、えいっ!てすぐに治してあげるから安心していいんだよぉ」
緑茶はそう言って、腰のポーチにぎっしりと詰まった虹色に輝く小瓶を見せてくれました。最強ヒーラーの可愛らしい励ましに、あおこの緊張もすっと解けていきます。
「助かるよ、緑茶。緑茶はワサラー団一番のヒーラーだからな、本当に頼もしいし期待してるよ!」
あおこがそう言って親指を立てると、緑茶は少し顔を赤らめて、「えへへ……そんなに褒められると照れちゃうよぉ。でも、あおこちゃんのために精一杯がんばるねっ!」と、花が咲くような笑顔で応えました。
「よし、ワサラー団、出発だ! 目指すはSランク……そして、その先にある真実まで駆け抜けるぞ!」
あおこの力強い号令とともに、一行は学園の門をくぐり、深い霧に包まれた地下迷宮へと足を踏み出しました。冷たい空気が肌を刺す迷宮の入り口。その奥底からは、かつてのつぶやきアプリで感じた喧騒とは違う、重厚で不気味な鉄の音が響いてくるのでした。




