修行開始編・結――なのの封印解除とモノクロの終焉
四天王が集結し、戦場はワサラー団の独壇場となっていた。しかし、刺客の親玉である巨漢の魔導士が、禁忌の魔道具を起動させる。
「くはは! 貴様らまとめて、この重力場に押し潰してやる!」
周囲の地面がひび割れ、強烈な圧力が一行を襲う。あおこたちの動きが止まり、ヒストリムのピンクのロングヘアも重力に引かれて沈み込んだ。
その時、なのが静かに前へ出た。
「……これ以上は、世界が壊れる。仕方ない、少しだけ戻すね」
なのが自身の胸元に手を当て、目に見えない鎖を解くような仕草をした。これが、彼女の「封印解除」だった。
鏡面世界の浸食
なのを中心に、白と黒の波動が爆発的に広がった。
色が消えるだけではない。音、熱、そして重力までもが「なの色」に染まり、無効化されていく。
「な、なんだ!? 俺の魔法が……消えていく……!?」
「わたしの世界には、あなたの『意志』なんて必要ない」
なのが瞳を見開くと、彼女の背後に巨大な鏡の輪郭が浮かび上がった。刺客たちが放つ攻撃、叫び、そして存在そのものが、その鏡の中に吸い込まれ、モノクロの静止画へと書き換えられていく。
四天王の追撃
「今だよ、あおこ! なのが道を作ってくれた!」
ヒストリムがピンクのツインテールを翻し、重力から解放された体で空高く舞う。
「ちっ、なのが本気出すと俺の出番がなくなるじゃねえか」
少年の華麗うどんは、青いフードを直しつつも、手にした魔力包丁を鋭く振るった。
「……じぇのさいあ、やるわよ」
「ええ、この静寂の中に、私の熱を刻み込んであげる」
なのが作り出した無音の世界で、あおこの放つ「濃縮バースト」が、五色の光となって突き抜けた。
「――終わりだ!」
あおこの一撃が鏡を砕くように響き、刺客の親玉はモノクロの破片となって夜の闇に消えた。
戦いが終わり、なのは深く息を吐いて封印を再び施した。世界にゆっくりと色彩が戻ってくる。
「……疲れた。お腹、空いた」
「ははっ、なら俺の出番だな」
華麗うどんが、待ってましたと言わんばかりに鍋を火にかけた。




