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藤坪と五次元3


制止されたので再び座る


藤坪はそんな事思っていたのか

どうも優しいとは思ったけど、アレは好意だったのか?なぜ?俺が言うのもなんだが、藤坪が好きになりそうな男なんてかなりの数いただろう、勿論好みは知らないのだが


「ちょっと待ってよ2人とも…俺だってさ、藤坪の気持ち…と言うか、そういうの聞いたらなんか分かんないけど普段みたいに気軽に声かけづらくなっちゃったぞ、本当に俺もこの場に必要なの?」


「聞く権利はあるでしょ?藤坪ちゃんだって柿本君の答え次第でカップル成立してたよね?結果的には気まずくさせちゃって申し訳ないんだけど…本当にそれはごめん」


うーん、昨日と今日でやっぱ色々頭追いつかないな


藤坪と五次元さんが向かい合って立ってるとリスと黒豹って感じだな

風で2人の良い香りが漂ってくるぜ


あー、コーン茶飲みてえ



「…火鞠ちゃんは応援してくれるの?それとも…」


「…どちらかと言えば今は後者の方かな、私も2人の関係が羨ましくなっちゃった」


五次元さんとは昨日急接近した感じだよな、捕食されたと言っても大袈裟ではないはずだ



「2人が仲良さそうに話してるのはクラスの人は全員知ってる、付き合っているんじゃないかと思っている人もいる…私もそうだったし」


そう思われてたんだ…迂闊だった

藤坪の厚意で関われていたのだと思っていたから…

確かに、小林も仲良い判定していたもんな


「昨日実際に話して分かったよ、柿本君はいい子だよ、でも卑屈過ぎるんだ、君は自分が思っているほど暗くもないし、本当、なんでそんなに塞ぎ込んでいるのかわからないくらい」


いい子ってなんだ?同い年だろ?

卑屈、塞ぎ込んでいる、完全にそれは認めよう


「私もそう思う、いい人だから好きになっちゃったんだ、正直今まで結構傷ついたりした事も何度かあったけど、私があげたキーホルダーも大事にしてくれて、本当に嬉しいんだ…」


何度か傷ついた!?

藤坪!傷ついたのならその場で言って欲しい!


藤坪!ニコちゃん顔でこっち見るな!なんだその曇りなき瞳は!


「えっと…藤坪、ちなみに、ちなみになんだけど好意に変化とかそういうのは…?」


「何で?藤坪の気持ちは変わらないよ」


あ、そうですか、ていうか今自分の事自分で藤坪って言ったな。


「あまりうかうかしていると私が柿本君貰っちゃうから、良い?」


貰うって…俺は物かい


「それはさせないよ、私は柿本君のこと諦めないから」


「あの…選ぶ権利は俺にあると思うんだけど…」


「じゃあ自信持ってよ、いつか誰かを好きになった時は堂々としてよ」


「そうだよ柿本君」


返す言葉もない本当に


ただ俺は他の人に比べて幾分か色々経験不足なんだと思う

自信がないと言いながら自己判断を信じすぎていた

自分が一番可愛かったかもしれない


「おいおいおい!!大丈夫か柿本ぉ!!」


後方からいきなり小林が走って現れた

息を切らしているようだ、また現れたか小林


「いちいち首突っ込んでこないでよ小林!」


「うるせえよ!俺が寝てる間におめえが柿本と藤坪連れ出してるから心配になって見にきたんだろーが!柿本いじめたらマジ許さねえかんな!」


「だからいじめてないって!アンタ私にどんなイメージ持ってんの!?」


五次元さんと小林って結構仲良いよね、多分


美男美女プラス俺、早く帰りたい


「うわっ!!」

小林が肩を組んできた

やっぱり香水臭い…あと力強い…


「柿本は俺のダチだからよ、困らしたりしたらマジ許さねえかんな!」


「いや、あの、小林君、俺達いつから友達になったっけ…」


「うるせえ!俺がダチっつったらダチなんだよ!分かったか!」


そっか…また不釣り合いな友達が出来たなぁ


「ねえ、もう次の授業始まるから戻ろうか」


藤坪の号令で皆教室に戻ったのであった


戻る道中藤坪に素朴な疑問を小声でぶつけてみた


「ねぇねえ、俺のこと好きっていうけど、なんで?」


藤坪はハァーっとデカいため息を吐いた


「あのさぁ…色々やりとりしてたら普通好きになっちゃうでしょ?そもそも私、柿本君以外の男の子とそんなに話さないし」


普通?なるほど、そういうものか…?


どうも本当に自分の身に起こったことなのかよくわからないままこの日は終わった


さて、今日も色々あったから自販機で休憩を楽しもうか

今週はコーン茶オンリーで良いや

ちょっと色々ごちゃごちゃだから一度整理しよう。


なんか五次元とも藤坪とも今は話をしたくないような気がする、ちょっと疲れたんだ


あ、でも藤坪は隣の席なので彼女からは逃れられない


実際に


「小林君ってあんな感じだけどテストの点は結構良いんだよ」


「火鞠ちゃんってモデルみたいだよね」


とか要らんネタを聞かされた


ていうか小林の事正直凄いバカだと思ってた、勉強出来るのかい!

一昔前のヤンキーみたいな感じなのに



そして現在


「柿本君、帰るよね?ちょっと良い?」


ほらぁ…


「なんでしょう」


「私のお母さんが柿本君に会いたいって言っているんだけど…今日私の家来てもらっても良いかな…?帰りは送ってくし」


「えー、お母さんと話すことなんてないよ…」


「レジンのキーホルダーを褒めてくれる男の子がいるって前々からお母さんに話してるんだよ、そしたら今日その子連れてきて欲しいって…」


えー、他人の家って落ち着かないから嫌だよ

しかも女子の家でしょ、キツイキツイ

勿論用事はないけど疲れたから何かしら理由つけて断ろっと


「…断るなら今日泣かせた事全部言うし、彼氏だって紹介しちゃうけど…良い?」


「どこへでも着いてまいります」


脅すのはもうやめて欲しいよ、怖いよ…

あれ?そう言えば…


「藤坪ってなんか部活入ってたじゃん、良いの?」


「藤坪だってバックレる事くらいあるよ」


そっか、バックレか、明日はちゃんと出ような


「そう言えば藤坪の家ってどこだっけ?」


「藤坪の家の場所言ってなかったっけ?近いよ、着いてくれば分かるよ」


「藤坪って兄弟いたっけ?」


「藤坪は一人っ子だよ」


「藤坪」


「はい藤坪です」


なんだろう、何か呼ぶたびに食い気味で藤坪は〜藤坪の〜って返されてるよな


「もしかして藤坪呼び嫌だ?無理?」


「藤坪は」

「それやめなさい!」


「私は、下の名前で呼ばれたい」


下の名前零華だっけ?いやぁ、生憎俺は人を下の名前で呼ぶ文化を持ち合わせていないんだよな…


「下の名前で呼ぶ文化がないのであれば早急に作って欲しいよ、なんかよそよそしくって嫌だもん」


「心読んだ!?」


「柿本君の考えてそうな事は大体分かるよ」


怖っ、あんまり余計なこと考えないようにしなきゃ…

ていうか…


「藤坪だって俺の苗字呼びじゃないか、それは良いのか?」


「零華って呼んでくれないと聞こえないよ」


うわ、めんどくせぇ…じゃあ藤坪の家に着くまで黙りきめとこうっと


「めんどくさいって思ったでしょ?良いよ、私が話かけるし、

戒司君に」


「家にお邪魔するわけだから何か手土産みたいなの買ってこうかな…」


「無視した!いや、大丈夫だよ、本人の体ひとつあれば良いって連絡来てたし」


嫌な言い方するお母さんだな…


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