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文化祭の出し物


ホームルーム、教壇に立つのは担任の山葉先生、20代前半か中盤の女性


フルネームは山葉芽衣斗やまはめいと


「10月の文化祭、皆にとっては初めてだと思う、それぞれのクラスで出し物をやるんだけど…例えば何かやりたい事とかって、ある?」


それまで騒がしかったクラス中が急に静まり返った


「急に聞かれても困っちゃうか…えーっと、じゃあ、宮下君、何やりたい?」


うわ、宮下の奴、無茶振りされてる、お気の毒に…


「僕はメイド喫茶がやりたいです!」


再びクラスが静まり返った


そりゃそうだよ、自分の私欲のために言ったんだろ…通らないって…皆ドン引きだよ


「あっ、ソレ良いね、えー、メイド喫茶…と」


先生!?

先生は黒板にメイド喫茶と記入する


「流石にここにいる全員がメイド…って訳にはいかないけど…まあ、何人かメイドさんを決めなきゃいけないね」


ふとメイド姿の宮下を想像してとても面白くなってしまった


「メイド喫茶だって〜…なんかやだね…」


藤坪が囁く


「じゃあ君が別の意見を出せば良いんじゃないの」


「うーん…そうだね、はい!先生!」


藤坪が手を挙げ席を立つ


こういう勇気ある人って凄いよな、尊敬しちゃう


「はい、藤坪さん、何でしょう」


なんだろう、藤坪は何を出してくるんだろう


「メイドには、柿本君にやってもらいたいです!」


「藤坪?」


「今の時代、多様性です、柿本君にやってもらうのが時代に合った行動だと思います」


「藤坪!!」


クラスから失笑が巻き起こる

テロじゃないか、そんなの

こういうのってイジメなんじゃないか?


「確かに…似合いそう…」


「見てみたいかも」


教室のあちらこちからそんな声が


誰だそんな酷い事言う奴は!


「めいちゃん先生!それは一方的だと思う!」


後方の五次元が抗議の声を上げる


五次元!ありがとう、助けてくれるのか…


「いや…先生が言った訳じゃないんだけど…」


確かに、先生凄い困ってる


「私もメイドやる、それで柿本君もやれば良いじゃん」


五次元?


クラス中から感嘆の声、拍手が巻き起こる


「はい!先生!私もメイドやります!」


藤坪、お前は少し黙ってろ


再びクラス中に拍手が巻き起こる


前から思ってたけど、コイツら全員バカなんじゃないの


先生の視線は俺の方に


「…って言ってるけど…柿本君は…?」


「僕はやりません…」


クラス中から大ブーイングが巻き起こる


「なんでよ!」


「メイドやれよ!」


「俺は柿本のメイド姿が見たいんだよ!」


あまりのバカさ加減に耳を塞ぐ


「ま…まあ、本人がやらないって言っているから、皆…ね?」


先生までおかしかったら退学してたよ…良かった…


「じゃあ五次元さんと藤坪さんはメイドをやってくれるって事で…それ以外の人は?」


隣(藤坪)から深いため息が聞こえてきたがそこはスルー


「あの2人がメイドやるなら無理だよ、出られないよ…」


「普通に後悔処刑だよ…」


「柿本君がやれば良いのに…」


様々な声が上がる


そもそも、メイド喫茶決定で良いの…?


「先生!ちょっと良いですか?」


宮下が声を上げる


「え…宮下君もメイドを…?」


クラス中が爆笑に包まれる


でもコレで笑うって、多様性ってなんだろうな…俺はさっき笑いそうになった事を反省する


「違いますよ〜メイド喫茶なんで、裏方も必要ですよ、飲み物とか、軽食とかを作る裏方が、ソレ僕やります、ついでに喫茶の企画、運営全てを統括します」


おー!勇ましい!


けどアイツが統括するって、メイド服の露出を増やすとかしそう


「えーっと…企画はこれから皆で考えるとして…確かに裏方さんは必要だよね、じゃあ他に裏方やりたいよって人?」


誰も手を挙げない


メイドが全部やれば良いのでは?でも客足もどう来るか分からないし…そもそもこんな田舎の高校に来客は期待出来ないか


「うーん、困ったなぁ、じゃあ手を上げなかった人、先生が今からメイドさんを決めちゃいます」


「「えー!!??」」


という悲鳴が上がる


「だって誰も手上げないんだもん…」


そりゃそうだよな…先生も困るよそれは


「じゃあまず、柿本君…」


俺は勢いよく挙手した


「先生、僕裏方やります」


先生はしばらくキョトンとしていたが


「……じゃあ柿本君…裏方って事で……じゃあ、他の人……?」


何でそんなにテンション下がってるんだ?この先生俺の事嫌いなのかな


「柿本君、メイドやろうよ…」


藤坪が何かを言っているがスルー


「めいちゃん先生がメイドやれば?」


五次元から声が上がる


今更ながら先生にあだ名、タメ口、そろそろ怒られるぞ…


「え、私が…メイド…?」


これから魔法少女になるみたいな口ぶりだな


「良いじゃん、先生メイドやってよ!」


「まだ年齢的にも行ける行ける!」


「柿本のメイド姿、まだ諦めてないぞ!」


確かに、この先生ならメイドでも違和感はない


すると突然先生の表情が明らかに怒りを纏っている


「……誰だ!?まだ年齢的にもって言った奴!まだってなんだ!年齢的にもってなんだ!!全然行けますけど!!メイドくらいやってやるわ!見とけよテメエら!!」


!!びっくりした…!


うわ…怖…

先生の地雷ワードを知った


このようにクラスの文化祭の出し物はメイド喫茶となった


あとは創作部の出し物か、部誌の締切も間近、俺は特にこだわりもなく提出が済んでいるが、五次元、藤坪両名はまだ済んでいない


五次元は兼部だから大目に見るとして、藤坪、コイツは全然だ

催促しても全然だ


というかコイツら、メイドどころじゃないだろ…


「藤坪、部誌に載せるもの完成しそうか?」


「もうちょっと…」



こんな具合だ


多少乱暴なやり方だが、こうするしかないか


「藤坪、完成するまで連絡先ブロックするからな」


「え…ひどい…ひどいよ…」


やべっ、地雷ワードだったみたいだ


「ちょっ…泣くな泣くな…」


クラス全員いる、先生もいる、そんな中で地雷ワードを踏んだ、これはまずい


ない頭をフル稼働させ、対処法を探す


「藤坪、髪、切った?」


「うぅ〜…」


ダメだ、目が完全にうるうるしている


それもそのはず、切ったかどうかなんて実際知らんし


もう時間がない


「あ、ちょっと待って、藤坪の似顔絵描くからちょっと待ってて!」


我ながら意味が分からない


「え…本当…?」


あ、収まった、良かった


で、藤坪は期待しているのか、目を輝かせている


やっぱ嘘、などと言ったらえらい事になりそうなのでしっかりと描かねば…


「…あとね、髪、少しだけ切ったんだ…ボリューム少し抑えたの…よく分かったね…」


「お…おお…」


本当に髪切ってたみたい


分かるか!ビフォーアフター見ても分からんわ!


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