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夏の日

暑い暑い夏、真夏

今日の体育は水泳です、と

俺は昔からカナヅチなので勿論水泳の授業はパスだ


藤坪はどうだろう


「え?私…?ちょっと、ダメかな」


「泳げないの?」


「泳げるけど…ちょっと…」


泳げるなら入ったら良いのに


体調不良以外で水泳をパスする場合は外をランニングしなければ許してもらえないらしい

クソ暑いのに


「柿本君は?プール入るの?」


「俺泳げないから…」


「そうかぁ…じゃあ今日は一緒に走ろうね」


暑いから走りたくないんだけど…


五次元はどうだ?と思ったらこっちに来た


「五次元は泳げるか?」


「うん、泳げるけど授業はパス!」


なんで揃いも揃ってパスするんだよ…泳げるなら泳げば良いじゃない…


「何?体調不良?」


五次元と藤坪は顔を見合わせる


「いや、体調不良の日じゃないんだけど…ねえ?」


体調不良の日?


藤坪が小声で


「ほら、周りの目線とか嫌だから…ちょっと…ね」


藤坪と五次元の全身を見渡す


ああ…なるほど…特に男性諸君の目線が気になるって事ね…


「あ、柿本君今私の胸いやらしい目で見てた!」


「私の太ももも見てた!きゃー」


なんだコイツら…


しばらく体育の授業は地獄だなぁ、暑いのに炎天下の中走らせる、どんなスパルタだ

単位の事を言うんだったら他の事やらせれば良いのに…


「じゃあ今度皆で水着の見せ合いっこしない?」


じゃあ?


泳がないくせに水着着るのは良いのか?


「良いね、明日着てくるから部活の時見せ合おう!」


部活しようぜ


「OK、明日ソフテニ休んでそっち行くよ」


ソフトテニスってそう略すんだ


「豊田先輩にも頼んでみる」


「あの人結構えげつない体してるからね、見てみたいね」


なんだか居てはいけない気がするのでその場を立つ


「ちょっと!」


五次元に腕を掴まれる


「柿本君も水着になるんだよ!」


「俺、水着、持ってないんだ…中学も水泳の授業やってないから…もってないんだ…」


「じゃあ審査員してよ」


なんだソレ、どんな部活だよ、美術部にでも行ってデッサンして貰えば良いのに…


「あ、そろそろジャージに着替えなきゃ…って言っても私下に着てるけどね」


そう言い藤坪はスカートを捲り上げた


思わず目を逸らす


「あははっ、そんなに顔背けないでよ〜短パン履いてるから大丈夫だよ〜」


そうは言ってもだな…


「私も下に装備してるんだ」


五次元はその場で制服のシャツのボタンを外し、脱ぎ始める


「だからってここで脱ぐなここで!」


「大丈夫だよ、下に着てるから…ってアレ?」


「うおっ!!」


速攻で目を逸らした


今思いっきり下着だったな


「上着てくるの忘れちゃった、あはは…そう言えばカバンの中だった」


五次元は慌てて自席の方へと走っていった


「…見たでしょ?」


藤坪がゴミを見るかのような目でこちらを睨んでいる


「火鞠ちゃんの胸、見たでしょ」


見たって言うか、見せられたって言うか…とにかく俺の意思で見たわけじゃない…そんな目で俺を見るな!


「エッチ!」


「はあ!?」


状況的に被害受けたのこっちなんだけど…なんでエッチ呼ばわりされなくちゃいけないんだよ…理不尽にもほどがある、そもそも五次元がバカだから…


豊田先輩可哀想、今日あたりアイツらに水着着てこいって詰められるのかしら


あの人も水泳とかやるタイプじゃないだろう、俺と同じで水着すら持ってなかったりして



暑いのも寒いのも嫌だなあ、人間は不思議と夏には冬を欲して冬には夏を欲する、どっちも嫌なのにな…


俺はどちらも同じくらい嫌だ




ほらやっぱり、半袖半ズボンでもクソ暑いじゃん、外は地獄、灼熱だ、熱中症になったらどうするんだ!


他にも何人か走らされる生徒はちらほらといる


「じゃあ男子10週、女子は6週ここの周りを走り切るまでダメだからね、サボってたら補習にするから」


とスパルタ教師の号令のもと、気の抜けたように走り出す

プールとかの敷地の周りを何週か走れって事らしい

野球グラウンドほどはないが、1周も結構な距離だぞ…


教師の目に見えるところだけ走ってあとはヘロヘロと歩いてよっと


「柿本君!待ってよ!一緒に走るって言ったじゃない!」


後方より藤坪がとてつもない速さで追いかけてくる


そう言えばコイツ足が速いんだった、足ってよりも持久力がバケモノなんだ


あくまでもへなちょこの俺と比べて、だが、相場は分からない


「あれ?五次元は?」


「ああ、もうすぐ来るよ」


コイツ息切れてない


周りは亀のように進む中、明らかにおかしな音が聞こえた

砂利を蹴る音、しかも、早い!!



後ろを向くと長髪を靡かせたデカい女がえげつない速さで迫ってくる


「速ッ!?」


短距離走の速い人の速度だろコレは


「やーやー、お待たせ〜」


しかもコイツも息切れてない、しかもニコニコしてやがる


コイツらバケモノじゃん…素直にドン引き…


俺は暑さと疲れでボロボロなのに…


「ていうか君達、なんか顔テカテカしてない?汗?痛ッ!?」


ケツにローキックを喰らった

犯人は五次元


「失礼な!日焼け止めですー!」


正直痛さはどうって事ないけど何か攻撃されると体力が物凄く削られる…


俺は亀のような速度で歩いているだけだが…


コイツらは付いてきているだけだ、走ろうと思えばいつでも走れるのだろう


「6週だっけ、俺に構わず終わらせちゃったら?」


「えー嫌だ、なら10週付き合うし」


バカじゃねえの…マジでそのスタミナ分けてほしいよ…


「五次元は運動部だからまた分かるけど…藤坪は違うだろ?何で藤坪はそんなに体力あるの…」


ダメだ、喋るとしんどい


「うーん、何でだろう、別に運動得意なわけじゃないんだけどね〜」


なんだ、明確な答えはないのか、聞かなきゃ良かった!


「藤坪も、なんか運動部と兼部すれば良いのに」


「えー、嫌だ、創作部メインでやってるし」


じゃあ創作しろよ、全然サボり気味じゃねえかよ


「五次元、お前もだぞ兼部するのは良いけど、作るもん作らなきゃ」


「ちゃんと作ってるけどなぁ、柿本君の目に見えてないだけじゃない?」


そんなアホな事があるもんかい!!舐めてんじゃねえぞ!


ダメだ、余計疲れる気がする、1周が長く感じる


とにかく、暑いのが1番ダメだ


元々汗あまりかかないから余計に暑く感じる


「暑い…!」


「じゃあ私の制汗剤使う?」


なぬ?藤坪、今なんて??


「せ、性感剤??」


「うん、制汗剤、レモン系の匂いするけど、暑かったら使う?塗ってあげるし」


いやいやいや…コイツなんちゅうもんを塗ろうとしてるんだ…


「…?どうしたの?」


「お、お前、そんなモノ塗ってるの?」


「?そうだけど…」


…だからいつも少し様子が変なのか、その、薬品の作用と言うか、というかなんでそんなモノが存在しているんだ…?えーちょっと怖いんだけど…


「…藤坪ちゃん、柿本君、なんか勘違いをしてるみたいだよ」


「勘違い?」


五次元は藤坪に耳打ちをする


勘違い?勘違いって?


「わっ!…ちょっと…やだ!そうなの?柿本君!」


藤坪が怒り顔で俺の肩を叩く


こんな攻撃でも確実に体力が削られていく


「制汗剤って、汗を抑える液体だよっスースーするやつ!!柿本君が思ってるようないかがわしいものじゃありません!!」


藤坪は手に容器を持っている、ああ、夏の時期のCMで見たことある、コレか…制汗剤ね


なんか割と藤坪が怒ってる気がする


同音だから分からないって…


うわ、恥ずかしい!けどこの勘違いって別に俺悪くなくないか!?


「エッチ!スケベ!変態!!」


「し、仕方ないだろ!!なんの説明もないお前が悪いんじゃん!」


藤坪ってそういう系の話嫌なんだろうな…中学の時のそういう経験がそうさせているのか


けど…


「変態ってなんだこの野郎」


少しムカついたのでその辺の子砂利を藤坪の足に向かって投げる


「痛ッ!」


「言い過ぎなんだよお前は」


再び子砂利投球


「わ、分かったから、地味に痛いからやめて!」


降伏してきたのなら仕方ない、勘弁してやろう


「こら!ダメでしょ女の子に石投げちゃ!」


五次元が子供を叱りつけるような口調で言う


「だってコイツが…」


「普段からそういう事考えてるからいけないんでしょ」


気持ち大きめの砂利を五次元に向かって投げつける


「わっ!ちょっと!お尻に当たったんだけど!!」


それはゴメン

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