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藤坪に聞いてみた


藤坪がニヤニヤしながら顔を近づけてくる

「あー、もしかしてちょっとエッチな事想像してた?」


してた


っていうかそれは藤坪が悪いよ


「…だって藤坪に対してその辺の信頼全くないもん」


「それ酷くない!?」


酷くないだろ、自分のしてきた事思い返してみてほしい、こっちの方が被害者なんだけど…


「それよりお昼何食べたい?」


「メニューを貰おうか」


「ないよそんなの…」


「別に腹減らないから作んなくて良いけど…」


不摂生この上ない事だが、休日は朝、昼食べない事などザラにある

前日に夜更かしをしてかなりの時間まで寝てしまうからだ


「ダメだよちゃんと食べなきゃ!」


お母さんみたいな事言うなよ


「じゃあいいや、私が勝手に作っちゃうから」


えー、友達の家でご飯食べるなんて経験ないからなんかすごい抵抗があるんだけど…


抵抗で思い出したけど例の詩の件をそれとなく聞いてみなければ

ちょっと怖いけど


「あのさぁ藤坪、縦読みの文章とかって誰かに打ったことある?」


あ、コレは露骨すぎたかも


「縦読み?たまに新聞の番組欄とかにもあるみたいだね、隠しメッセージみたいなやつだよね?私は打ったことないけど…」


嘘つけ、絶対打ってたやろ


「打ったことない?一度も?」


「ないよ…そんなに頭使いながら文章打てないよ…」


ほーん?あくまでもシラを切り通すつもりなんやな?

それならこっちも真実を暴かせてもらうで


俺は藤坪が俺に送ってきた詩をスマホに表示させ、さながら時代劇のように藤坪の目の前に突き出す


「じゃあコレはなんだ?縦読みだろ?」


「あ…コレ私が書いた詩…」


「縦読みで恐ろしい事書いてあるな??そうやな?」


あの時はマジで怖かったんだぞ、っていつの間にかガッツリ詰問しちゃってる気がするが、もういいや


「え、知らないんだけど…あと縦に読めなくない?」


「読めるだろう

会い

ている

ってな、お前なんでこんな恐ろしい事したんや?」


藤坪はしばらく画面を見つめている、見つめなくても分かるだろう、自分で作った文章なんだから


「えっ…怖い…いや、確かにこの文章打ったのは私だけど…ごめん、本当に縦読みなんて考えてない…」


「いやいやいや、無理だろその言い訳は、じゃあ偶然そうなったとでも?」


って、藤坪が泣きそうなモーションに入ってる、でも泣かれたとしてもダメじゃないか?


「…だって私、そんな事出来るほど器用じゃないもん…頑張って考えただけだし…」


あー、ちょっと涙目になってる


一瞬俺の中の悪魔が

「泣いてシラを切るならコイツは楽な人生だな」

と考えたような気がする


実際問い詰めたのは悪魔でもなく、自分自身なのだが…


「…こんなの送られてきたら私だって、怖いもん…本当にそんなつもりじゃないから…怖がらせてごめんなさい…」


うわぁ藤坪涙腺ダムが決壊した

ボロボロ涙を流してる…


高校に入学してから2回ほど見ているが…なんというか、罪悪感が…実際こっちが悪かったりもするのだが


あれ?もっと前にも一度そんなようなことがあったか…?中学の時…


「あー!!」


泣き出していた藤坪が俺の声にビクッとする


「あ、ごめん…

藤坪って中学の時も俺の前で泣いてなかった?」


「えっ…何…?」


「覚えてないか、中2の時、藤坪が…」


「覚えてるよ…忘れるわけないし…」


あっ、遮られた


「あの時柿本君が励ましてくれたから今の私がいる、これ大袈裟じゃなくて本気だよ…柿本君が周りに流されずに居てくれたから本当に救われたんだ…」


あの時は俺も必死だったんだ

唯一とも言える話せる相手が俺の一言で居なくなる可能性があった


で、噂流している奴らの人間性的に絶対嘘だろって確信もあったしな


今思えば酷え話だと思った


当時は上手く言えなかったが、必死に関係を繋ぎ止めたつもりだ


「あれからクラスも変わってあまり関わることもなくなっちゃったけど、こうして同じ高校に通えて、本当に嬉しい」


藤坪って勉強できる方だったのに、なんでこの高校にいるんだ?とは思ってる


まあ、最寄りの高校だからかな?


「…付き合うとかは柿本君は嫌がるだろうし、そんな贅沢は言いたくない、でも好き、今の友達のままでも柿本君の側にいれるならそれでも良いかなって思ってるよ」


「…じゃあさ、そんな事ないと思うよ?思うけど、もし俺に好きな人が出来たとしたら…?その時はどうなる?」


「考えたくないかな…でも、それでも友達のままで居てほしいな…私は私で柿本君に選ばれるように頑張るけどね…って言うか、もしかして柿本君、気になる人でも出来た!?」


え?ちょっと藤坪、目がキマってるんだけど、怖い怖いよ


「誰?火鞠ちゃん?豊田先輩?やっぱり背の高い方が好きなの?クール系の顔がタイプなの?髪が長い方が好きなの?」


なんで創作部の連中ばっかりなんだよ…いや、異性の関わりはそこでしかないからそう思うのは当然と言えば当然か

悪かったな!


「正直五次元は高嶺の花感が半端ないぞ、今だに話すの緊張するし、豊田先輩は正直見た目はタイプだ」


「あー!あー!嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬!!」


突如髪をグシャグシャにし、耳を塞ぐ藤坪


「ちょっと待て藤坪、ちゃんと聞けよ…!…病院、行くか?」


「いや、大丈夫、続けて…」


ボサボサの髪の毛、数本口に入ってるし、コイツ本当に大丈夫か?


「続けるぞ、豊田先輩は中身が特殊だな、ネット臭が強いと言うか、猫の被り方がヤバいよな、メッセージと普段の落ち着いた口調のギャップがヤバい」


「え?柿本君は私の知らない豊田先輩の一面を知ってるって事…?」


あれ?これミスった?


「…もしかして藤坪の前だとずっとあんな落ち着いた感じ…?メッセージとかは?」


「変わらないよ…?ネット臭ってどういう事?ギャップって…?」


乱れ髪の藤坪がじりじりと近づいてくる


俺そのうち刺されるんじゃないか?


「豊田先輩は柿本君のことそういう目で見てるから態度変えるんだ…そうなんだ…」


そういう目ってなんだ!

ていうかあの先輩藤坪たちの前じゃ猫被りのままだったんか、それならそうって事前に言ってくれよ!


「藤坪、違う!別にあの人の事はなんとも思ってない!ただ俺は部長になってくれと頼まれただけなんだ」


藤坪の動きがピタッと止まる

食われるかと思った


「柿本君、部長になるの?」


「うん…一応そういう話にはなってるけど…」


「やったー!私もっと頑張るね!」


自分の家だからか結構な回数を飛び跳ねて喜びを表す


小さい子供じゃないんだから、ていうかスカート履いてんだろ?やめなさいよ


言わずもがな、俺は目線を外す


コイツには

後から入ったくせに私を出し抜いて部長だと?ふざけんな!とかそう言った心境はないのか

プライドはないのかお前は!

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