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藤坪の家へ再び



今日は藤坪の家へ行く日だ


10時に来いと言われたので9時に家を出発する

そう遠くない距離だがゆっくり行動したいのだ


季節は初夏、そこそこ暑い、正直こんな日は一歩も外へ出たくないのだが…


運動部の連中はよくやる、こんな暑い中体を動かすなんて…俺には到底真似できない

歩くだけでもボロボロになってしまうのだ


それにしても、10時て…早過ぎないか?


少し怖い思いをさせられた藤坪が相手だから嫌な緊張がある、そうだ、あの詩の事を直接聞いてみようか、いや、豊田先輩には本人にそのことについて言及しないように言われている、だからそれとなく聞こうと思う


何度も歩いた道だが休日に、しかも友達の家に行く為に歩くなんて、初めてなんじゃないか?帰りは帰りで面倒だな〜と思いつつ藤坪家への距離は着実に縮まっていた


少し時間もあるし、手ぶらもなんだかな、と思ったのでスーパーで適当に手土産でも買って行こうか

何が良いかな、ゼリーや、カステラなど…

手持ち足りるかな?1000円あればなんとかなるか






意外と食べ物も高えんだな…結構嫌な気持ちになった


購入したブツを脇に抱え、藤坪の家の前に到着した

現在10:03ちょうど良いだろう

あれ?この前停まってた車、今日はないな

藤坪母の車だ、前回それで送ってもらったっけな

そう言えばお父さんはどうしているんだろう?もしかして家にいるのかな?だとしたら凄い気まずい

だってそうだろう、娘が知らん奴を連れてくるんだぞ?ドラマ的な展開で言うと良い気持ちはしないだろう

「お前に娘はやらん!」的な展開も…


別に欲しがってねえけど


チャイム鳴らすの嫌だな、お父さん出たら嫌だもの


連絡しよ

「着いたよ」と…


すーぐ返信きた


「開いてるよ」


いやいや、開いてるよじゃねえべな、お出迎えとかそういったサービスは…


「ヌニャァアン…」


!!

シロ美ちゃんの声だ!

中からシロ美ちゃんの声が聞こえる!


あー、いっぱいもふもふしちゃるんじゃあ〜


「早く入ってきてぇ〜」


あ?藤坪の声が聞こえる

仕方ない、いっちょ気合い入れて玄関のドアをオープンした


うわぁ涼しい!


「ヌニャァアァアン!」


シロ美ちゃん!!

藤坪に抱き抱えられて足をジタバタさせている



「おいおい、何してんだよ、下ろしてやれよ」


「だってこの子、家猫だし、柿本君が玄関前にきた瞬間に物凄い速さで走って行ったんだよ?外に出ちゃう勢いだったもん…私が止めないと…」


下ろされたシロ美ちゃんは俺の足元に擦り寄って来た、何周も、何周も


「シロ美ちゃん!久しぶり!!」


たまらず俺はシロ美ちゃんの顔を撫でまくった


「シロ美は本当に柿本君が好きなんだねぇ、私も猫になりたかった…」


「無理に決まってるでしょ」


「わかってるし…!あ、今日は私の部屋に来てね、着いてきて」


シロ美ちゃんを抱き、階段を登る


前回はあまり覚えていないが、入ったのはリビングだけだったのかな

藤坪の部屋に突入するのは初めてである

ていうか…


「なんで制服なの?」


「いやっ…あの…」


「?」


登校でもしたのか?まさかな


「…とりあえずシロ美を下ろしてくれるかな、2階の部屋はシロ美禁だから…」


「なんで!」


「レジンとか色々危ないものがあるからだよ…」


あ、そっか

ゆっくりとシロ美ちゃんを下ろす


同時に階段を降りていった


「あ…行っちゃった…」


「猫は気まぐれだからね…ご飯でも食べるんでしょ」


マジか…


ていうか2階は何部屋あるんだ?

手洗い場もあったけど、まさか


「藤坪ん家って2階にもトイレあるの??」


「あるよ?柿本君の家にはないの?」


「ないよ、ていうか二階建てじゃねえし…」


「そっかぁ、じゃあ新鮮だね、どうぞ、入って」


案内された先にあったのは


「おお…」



「涼しいでしょ?冷房入れてあるし」


キンキンだ、なんて心地がいいのだろう

しかし部屋にエアコンがあるとは…何で便利なんだ


それに

「藤坪ってベッドじゃないんだね」


「だね、昔から敷布団派だよ〜」


あと意外とぬいぐるみとかないんだね、女子の部屋ってなんとなくファンシーなイメージあったけど、藤坪の部屋はなんと言うか、大人っぽい

家具の店の見本みたいな感じ


「テレビあるんだ…あと勉強机みたいなのないんだね」


「そうだね、テーブルがあるから机は要らないかな〜…座布団なくて悪いんだけど、座って座って」


指定された場所に腰掛ける、コレは涼しい、冷感マットだろうか


周りを見渡す、コレは…大きな鏡がある、右手にはクローゼットらしい埋め込み式の収納が確認出来る、タンスの上には写真が何個か…この写真のジャージって中学の…?中学の時の写真だったか

この部屋は収納いっぱいで良いね

もちろんエアコンもある、窓もしっかり2つあって明るいね

良いなぁ、俺の粗末な部屋とは大違いだ


だって家自体良い家だもん、羨ましさでいっぱいだ


「コーン茶だよ、パックで売ってたから買ってみた、どうかな?」


藤坪はコーン茶が入ったグラスを机の上に置く


「こりゃどうも…ていうかソレどっから出したの?」


「へ?冷蔵庫だけど」


冷蔵庫!オイオイこの部屋冷蔵庫まであるのか、あ、本当だ、かなり小さいけどコレ冷蔵庫じゃん!


正直かなり喉が渇いていたので助かる


手に取ったグラスはとてつもなく冷たかった

あらかじめ冷蔵庫で冷やしていたのか


渇いた喉を潤すために流し込んだので正直味は全く分からなかった

ただし生き返った


「すごーい、一気に飲んだね〜もっと飲む?」


「あ…今は大丈夫かな」


一杯でもかなり潤った…


それにしても


「で、藤坪はなんで制服なの?」


藤坪は自分の部屋なのに明らかに畏まって座っている


「その、色々着る服に迷ってて…それで何周か回って制服に…」


怒られて反省しているかのように俯いている

別に悪いことしてないじゃん


「…私だって一応…緊張してるし…制服なら当たり障りないと思って…」


「あら、そう」


本人が良いならそれで良いんじゃない?


「柿本君は、女の子の服、どんな服が好き…?」


「好みはないな」


というか考えた事もない、誰が何着てても関係ないし


あ、そういえば…


「つまらない物だけど…さっきそこのスーパーで買ってきたんだ、良かったら家族皆で食べて」


ビニール袋に入ったどら焼きを差し出す



「わぁ…律儀だねぇ…そんなの良いのに…ありがとう」


「今日はお母さん居ないの?お父さんとかは?」


「お母さんは夜まで仕事だよ〜、お父さんは…」


無表情、というか暗い表情だ、間違えた、聞くんじゃなかった


「ごめん、聞いちゃまずかったか…」


でも本人から言われない限りあまりそういうの分からない、しかし反省すべし俺


「お父さんは先月から北海道に出張だよ」


なんだよ、気まずい気持ち返せよ…



…藤坪がチラチラこっちを見ている、あからさまに、何度も何度も…

ワザとやってるのか?


「さっきから、何!?」


軽くイライラしたのでついつい声を荒げてしまった、そいつの家なのに


「えっと…だから今日は…家に誰も居ないからその…」


髪をメチャクチャいじりながらモゾモゾしてやがる、その内髪の毛グシャグシャになるぞ


分かったぞ、今日は家に誰も居ないからってちょっとすけべな展開をあーだこーだ考えてるんだろ?

俺はそんなに安い男と違うぞ!それに


「俺らは友達だからな、一定の距離は保とうぜ」



「へっ…?」



オイオイ、鳩が豆鉄砲を食ったような面して、しらばっくれてるのか??


「あっ…いや、家に誰も居ないから時間になったらお昼ご飯でも作ろうかな…って…」


あっ…

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