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メッセージを解読せよ

考えてみたって分からない

君の元にどうしたら辿り着くのか

もうとっくに気づいていたんだ

届かないあの空の雲ように、掴めないんだ

私は綿毛みたいにフワフワと宙に舞おう

乗り越えなきゃいけない事もたくさんある

物語を始めるのには書き出さなくちゃいけないんだ


会いたいって伝えるために、あなたの為に

詩に書いたようにまとまった気持ちじゃないけど信じ

ている、いつか君に届きますように


「え…どういう事ですか…?」


読んだぞ…?誤字脱字とか、そういう事?


「…えっと…ですね、もう一度読んでみてください…」


もう一度…?




考えてみたって分からない

君の元にどうしたら辿り着くのか

もうとっくに気づいていたんだ

届かないあの空の雲ように、掴めないんだ

私は綿毛みたいにフワフワと宙に舞おう

乗り越えなきゃいけない事もたくさんある

物語を始めるのには書き出さなくちゃいけないんだ


会いたいって伝えるために、あなたの為に

詩に書いたようにまとまった気持ちじゃないけど信じ

ている、いつか君に届きますように




いや、言葉の繋がりが変じゃないと言えば嘘になるけど…それ以外は特に…


「…わかりませんか…?」


「はい」


「それならそれで、良いような気は、しますが…」


何で?勿体ぶらないで教えてほしいぞ、モヤモヤするじゃないか!


「…で、何ですか?この詞に何かあるんですか…?」


「…まず一つ、藤坪さんの前でこの詞の話は、しないでください…危険です、それと、人によっては大した事では、ないのかもしれません、ですが柿本さんには…」


豊田先輩が話している最中にガラリと入口が空いた


「戻りました〜」


袋を片手に持った藤坪だ


「それは?何持ってるの?」


「これ?美術部で借りてきた色々な型だよ、レジンに使うんだ〜」


型を借りたのね


「でも家にもあるんじゃない?あるのじゃダメなのか?」


「ダメじゃないけど…色々試してみたくてね」


なるほどね、創意工夫ね、よく分からないけど


それより…藤坪が書いた詩の話が気になる、藤坪の前でしちゃダメってなんだ…?


念の為スマホを確認すると、来てた、目の前の先輩からのメッセージが


「私はあの詩の本質に気づいた時は全身に悪寒が走ったよ

気づいたのはたまたまなんだが…

すぐにでも伝える事が出来るが、柿本がどう思うか分からないから怖くて伝えられない…

藤坪への恐怖を増幅させる事になるかもしれないからな…どうする?好奇心だけでは満たされないぞ?それでも知りたいか?」


えっ…何?なんか分からないけど体がゾクゾクしてきたぞ…どうしよう、今だに意味は分からないが何だか怖くなってきたぞ…


「ちょっと保留で」


それだけ送った


モヤモヤはするけどな、せっかく入部したのだから俺も何か始めるとするか…

絵…か、なんかこういう場所で畏まると全然描けないな…なんかお題でもあれば何とかいける気がするんだが…


そうだ、隣には藤坪がいて、正面には豊田先輩がいる、練習も兼ねてこっそり似顔絵でも描いてみるか


どうせ黙ってればみんな各々の作業に集中していて誰も気づかないべ


まずは豊田先輩だな


正面だし、基本的に何か書いているからこちらとしても描きやすいかも…


あ、紙がない…、いいや、使っていないノートに描こう

豊田先輩、文章が荒ぶってなければ良い女なんだけどなぁ、そうだ、推されてる話はいつしてくれるんだ?やっぱりギャップで萌えてる人達が推しているのかな?


外面だけなら…モテるのは分かるかな


挿絵(By みてみん)


こんな感じかな

どうしても顔が大きめになって軽くデフォルメされてしまう

写実的な等身描くの難しいな


…ちょっとだけ、ちょっとだけスマホ休憩


あ、また豊田メッセージだ



「藤坪さんは普通に作業してるな…あ、そうだ柿本、さっきから私の方チラチラ見てただろ?」


…描いてたんだもん、見るだろ


「でも藤坪、睡眠不足でフラフラでしたよ

あと豊田先輩を描いてました、見ますか?」


「確かに今日の藤坪さんは髪の毛パサついてる気がするな、顔にも正気があまりないね


マジ?それとなく紙を私に渡してくれ!←うっかりダジャレw」


うわ、クソつまんねえ…


それとなく紙を渡す…なかなか難しい事を仰るのね


えーっと…


「よし!描けた!実は先輩を描いてました、見てもらえますか?」

我ながら白々しい


「…私をですか…?拝見しますね…」


先輩も大概白々しいが上手く絵が行き渡ったな


「次私にも見せて〜」


「手を止めるな藤坪、レジンが乾くぞ」


「乾きません!ボンドじゃないんだから…」


豊田先輩は破れそうなほど俺の絵を見つめている

どうだろう、気に入らないかな…?


「…とても、上手ですが、私、こんなに無愛想だったのですね…気をつけます…」


無愛想っていうか、あまり表情が変わらないんだよ…


「あ、でも結構ソックリだね、やっぱり絵上手いね」


あ、藤坪が覗いてきやがった


「早く作業しないとレジンが泣くぞ!」


「レジンは泣かないよ…」



さてさて、次は…藤坪か


…なんかやっぱコイツに関しては別に描かなくても良いような気がする…昨日描いたし、調子に乗りそうだし


でも俺は奴の伝書鳩、なんだかよく分からないぞ…伝書鳩って言っても一方通行なのだが…


藤坪へ紙を渡すように頼んできた中分けの生徒は誰だろう

んでアレって何が書いてあるんだろう、やっぱ恋文?


「藤坪、今日届けたあの手紙みたいなやつって何が書いてあるんだ?」


「手紙…中分けの男子生徒から柿本君が受け取ったやつだよね…あれは、相手の名前と連絡先が書いてあったよ」


なんだ、愛の言葉が綴ってあるんじゃないのか


「その人知らないし、登録してって事なんだろうけど単純に怪しいし、そういうのは無視だね、直接じゃなくて柿本君を使うっていうのが1番嫌だし…」


「確かに…でも俺は全然良いんだけどさ」


「全ッ然良くないしっ!私は柿本君からの物だったら喜んで受け取るけど、関係ない人が介入している物は受け取れません!次同じ事あったら捨てて良いからっ!」


そんな殺生な…可哀想じゃないか中分けが


「…ちょっとだけ仮眠しようかな、20分経ったら起こしてもらえる…?」


「あ…ああ…」


さっきまでご機嫌斜めで熱弁してたのに急に電池が切れたかのように机に突っ伏す藤坪

帰れよ



そうだ、この間に藤坪が送ってきた疑惑の詩の解明をしよう、俺よほど頭が回らないのか、今だに分からんぞ


豊田先輩にヒントだけもらおうとメッセージを送る


ネタ書いているのにごめんな先輩



すーぐ返信が来た、この人書いてるフリしてスマホばっかいじってるんじゃないか?


「ヒントって言うか、もう覚悟決めて答えに近い事を伝えよう


最初の文を縦読みしてみてくれ」


うわ、気持ち悪ッ縦読みだと?そうかそうか、そういう仕組みか…


えーっと


考、君、も、届、私、乗、物、愛、詩、て…?


かん、きみ、も、とど、わたし、のり、もの、あい、し、て


何コレ?


私乗り物愛して…?電車とか愛してるのか?

その前に、かんきみもとどって何?


いや、わからんじゃん!!!前半日本語じゃないし


メッセージだメッセージ!


「かんきみもとど私乗り物愛して

ってなんですか!!」


「馬鹿乙w


もうちょい工夫して読んでみてやw」


馬鹿乙ってなんだ!!!!俺は先輩を睨みつける


先輩、ちょっとだけ笑ってるような気がする


「縦読みだけど、最後の文は全部読めると思う、L字読みだな


考えても、の部分から届かないの部分は最初1文字だけ読むんだ

私は、と物語、と会いたいの部分は2文字読んでくれ


ビビるなよ…?私は今でも寒気がする」


…よし、真相にたどり着いたんだな…最後の文は読むんだったな…?


か、き、も、と、わたし、の、もの、あい、し、ているいつか君に届きますように…


柿本?




柿本私のもの、愛しているいつか君に届きますように





俺はハッキリと全身の血が冷えていく感覚に襲われた


冷たく、冷たくなっていくのが分かった


その原因の人物は俺の隣の席で寝息を立てている


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