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学校の自販機にて、


「あと、部活ってよくわからないけど…何時までやるもんなの?」


「ん?6時までだよ」


意外と長いんだ…

今がまだ5時前、あと1時間か…


ん?待てよ…

待てよ…!!


俺がいつも下校する時間は校内の自販機もガヤガヤしてとても近寄りにくいが…この時間帯、もしくは部活が終わる時間帯なんかガラガラじゃないのか??


いや、他の部活終わりの連中が買ったりするから終わりの時間帯はベストではない、という事は…


今か!?


「ちょっと行ってくる!!また戻る!!」


速攻で教室を飛び出し、自販機へ向かう


校内と言っても屋外に設置してあるのだが、3台置いてあるし、少し値段が安いので結構嬉しい

景色は別に良くはないが


見つけた!第二のオアシス、思った通り誰も居ない

隅々までラインナップを見る


まあ、どこもあまり変わらないな、コーン茶はないな、良いか、ここは一つ妥協策として黒豆茶を…


「…こんにちは…」


「うわっ!!」


自販機の隅に誰かが座っている、気づかなかった…


「…豊田先輩…」


先輩がエナジードリンクを片手に座っている

エナドリとか飲むんだ


立ち上がった先輩は

「…少し、息抜きをしていました、色々やらなければいけないことがあるので…無事入部が受理されました、おめでとうございます…」


と少しだけにこやかに言った、というか囁いた


「はあ、どうも…」


「この自販機ですか…?どうぞ、入部祝いということで…お好きなものを…」


「いやいや、そんな、大丈夫ですから!自分で買いますから…!」


いきなり奢ってもらうなんて恐れ多いよ、流石に!


「…お金入れてしまいました、早くしないと、お金が出てきてしまいます…早く…」


分かった、分かりました!


「ご馳走様です!」

豊田先輩に深々とお辞儀をし、黒豆茶のボタンを押す


やっぱボタン押すの楽しい…!


豊田先輩は再び座っていたであろう場所へ


って、ゴミ箱の隣じゃないか!


「…よろしければ、こちらに…」


先輩は真隣をポンポンとする、ここに座れと?

近過ぎない?


「いえいえ、僕は立ったままで結構ですのでお構いなく!」


スマホを取り出した先輩は無表情で何かを高速で打っているようだ、まさか…


俺はスマホを取り出す


やっぱりメッセージだ

えー、このやりとり続けないとダメか?


「私の隣に座るんだ、早く!怒

立ってるならそれでも良いけど、それならこの自販機の全種類目の前で買ってもらうからな!」


「こら!」


俺は言葉にした


「俺は直接喋りますからね…」


抵抗を押し殺して先輩の隣に座る、あー、なんかむず痒い


「まさかこの距離でもメッセージ送ってこないですよね…」


「…分かりました、善処します…」


良かった、俺文字打つの苦手なんだよな


「すみません、私昔からコミュ障なので…」


あなたはある意味コミュ障じゃないよ、別の何かだよ…


「…えっと、どっちが本当の先輩なんでしょうか…極端すぎて…」


「どちらも、私です…メッセージだと、遠慮せず、失礼な事ばかり入力してしまって…すみません…」


文字なら気をつけられるだろ

逆なら分かるけど


「…こんな感じなので、上手く他人と、意思疎通が出来なくて…創作部の部長なのに、部員の方々と上手く連携が…」


藤坪、五次元とあともう1人だっけか?あの2人だったら何とかなりそうなもんだけど…


「…本当にごめんなさい、文章には、気をつけますので、メッセージで入力しても、よろしいですか…?話せば長く、なります…」


「まあ…」


部長の言う事は聞いておこうか、確かに文章には棘があるけど、別に悪口とかじゃないから許容範囲って言えば許容範囲なんだよな〜…


見た目はクールなんだけど、お淑やかな口調、穏やかな声、蚊の鳴くような声量、お笑いネタを作る、メッセージだとかなり饒舌、どんだけのギャップだよ



「創作部は部員が少なくて、3年生が卒業した時点で1年生の時に私が部長になってしまった

しばらくもう1人の部員の森脇と2人だけで活動していた

2年生になり、1年生は誰も入って来なかった、やがて森脇は生徒会に入り、あまり部活に来なくなった

1人での活動が多くなった、文化祭の準備は熾烈を極めた

私はお笑いのネタを1人で何個も作成し、森脇は生徒会の仕事の合間を縫ってイラストを仕上げた

その年は廃部か、部の合併かの話も出た、でも森脇の働きかけでなんとか持ち堪えられた

そして今年、3年生になった私と森脇、新入部員は藤坪さんのみ

一時的に持ち堪えられたけど、このままだと今年は本当に廃部か合併かのピンチだった

文化祭の展示、部誌の作成、3人だけじゃ人手が全然足りない、私が2年生の時の地獄は後輩に経験して欲しくないと思った

ある日藤坪さんは五次元さんを見学として連れてきた、そして2週間前に五次元さんは正式に入部した

五次元さんは兼部だけど、頑張って歌詞を書いてくれた

藤坪、五次元の両名は私とは済む世界が違う超絶の勝ち組、何か話そうにも私には話しかける勇気がない、何かお願いするにも勇気が…

森脇が通訳してくれたりして少しは伝わってくれた


彼女達はいつも柿本君柿本君と、柿本さんの話をしていた

最初は漫画やアニメ、もしくは俳優、アイドルなのかと思って気にも止めなかったけど

まさか、校内で藤坪さんとよく一緒にいるちっこいのが柿本さん本人だとは…」


誰がちっこいのだ!!


「そこに五次元さんも加わってまさにハーレムだと思った

この柿本って男、相当なやり手なんだろうな、と思った

だってあの2人は私のクラスでも有名なくらいの美人さん達、皆お近づきになりたいのにこの柿本って人に対してはむしろ2人が近づいて行っている

恐ろしかった

知っていると思うけど、あの2人はかなりガードが硬いらしい

その巨城を落とす柿本は一体どんな人物なのか、私は気になった

だけどこの前藤坪さんが柿本が」


呼び捨てになっちゃった


「描いたという4コマ漫画を私に見せてきた

別にそんなに面白くない棒人間の手抜き漫画であったが」


おい!辛辣なコメントするな!ていうか藤坪もやたらと人に見せるなよ…


「素人の域はとっくに超えているほどの画力だった、だから何の気もなしに

誘ってみたらどうですか?と言ってみたんだ

藤坪さんは柿本君、気難しいからどう言うかな…

と言ったが正直私も怖かった

私は男に免疫がマジでないし、変な奴入ってきて部活がメチャクチャになったら嫌だ!と思った


そして今日、柿本と対面した

初手の挨拶の時点で私と同じく陰の者だなって思った


藤坪、五次元両名の熱烈な声にもほとんど反応しない、女慣れしているのか?いや、真逆だ

慣れてなさすぎて萎縮していたんだ、座り方もぎこちない

コイツは私と同じだ!そう思った」


なんかひどい言われようだな…


「大体合っているんじゃないかな?

あの2人の激しいボディタッチは見てられなかったけど、柿本は明らかにキョドってたし、あんな態度だし」


まあ、まあ、確かに…


そう言えば…


「豊田先輩も推されているんでしたよね?」


「…その話は…また今度で…まだ、続きがあります…」


うわ、本体が喋った!





「2人の扱いはやはり上手いと思った

この先部長になるのは藤坪、五次元のどっちか、それとも廃部か…なんて考えてた

あの子達、いい人だけど…ほっといたら部が潰れそうだから…誰かが手綱を握らないといけないんだ


そこで私は柿本を推薦したんだ、言っとくけど本気だからね?


私も3年生だし、そんなに部活には来れなくなるだろう、私がやれる事は今年中にやり切るつもり

だから君らが卒業するまででもいい、創作部を頼む


君はちゃんと描けばきっと素晴らしいイラストを描いてくれると思う、いや、イラストに拘らなくても良いんだ、好きな事をしてくれたら良い

入部早々で申し訳ないが、頼む!


んで私の推され話はまた後で送る笑」



それにしてもこの短時間でよくこんな長い文章を…


またすごい展開になったな


「一旦分かりました、とだけ言っておきます…色々不安しかないですが」


「私も…最初は、そうでした…」


……

豊田先輩はその後上を見上げている


なんかやりきったみたいな顔してるけどまだやることあるからな


ほぼ初対面の人間によくもこんなに語れる&至近距離に座らせられるよな…


あ、こういう現場を他の人、1番は五次元、藤坪になんか見られようもんなら…


「あっ!こんなところにいた!いたよ藤坪ちゃん!…豊田先輩と…2人で…くっついて…」


「ふーん、そういう事するんだ…こっそり何をしていたのかな…?」



うわ、めんどくせえ

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