表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/42

絵を描くぞ、そして豊田部長と


「柿本君も何か書いて欲しいな、紙とペン持ってくるし!」


藤坪よ、俺何も出来ないと思うぞ…


「俺も何かしなきゃいけないの…」


「当たり前じゃん、私達が審査してあげるから」


なんでこんな目に…審査て…


創作って色々あるだろ、なんでよりによって全員書く人なんだ…


というか…


「部員はこれだけ?他にいないの?」


「副部長が…いますね、彼女は生徒会の仕事で今は、居ないのですが…その方を含めて今は4人だけですね…」


女ばっかじゃないか、こんなの下心で入部する連中が後を絶たないだろ…なのになんで4人だけ?


藤坪が紙とボールペンを持ってきた


「はい、柿本研修生、しっかり書くんだよ?」


「うるせえ」


ツンッ


ボールペンで突かれた


コレは全く痛くない


「じゃあ私を描いてみて!」


五次元を…?嫌だなぁ…


絵なんて授業以外なら4コマ漫画(棒人間)しか描いた事ないぞ


しかも五次元か…下手に描いたら何させるか分からん、プレッシャーだよ、それに藤坪の絵を笑った手前もある、やだなぁ…


藤坪も五次元もこちらをガン見している


「見るなよ…描き終わるまで自分の作品作っとれ!」


言っても聞かないだろうけど…


つり目、長い髪、身長高い

身長は良いや、顔だけ描けば…


私を描けだなんて、どちらにもリスクがある頼み事ではないか…それを理解した上で言っているのかな


どうとでもなれ精神だな、コレは


「はい描けた」


挿絵(By みてみん)



「……」



黙るのだけはやめてくんない??

俺よりも感じ悪いぞ、ソレ


向かいに座っている豊田先輩も無言で身を乗り出して凝視している、声を大には出来ないが、やっぱこの人タイプだわ


「え、普通に上手くない?そう言えば4コマ漫画描いてたもんね…棒人間の時点で上手かった」


先に口を開いたのは今回の依頼主、五次元火鞠さん


「4コマ漫画意外の絵も上手いならそう言ってよ!」


棒人間はノーカウントだろ…


「…デフォルメをされていますが…五次元さんの特徴を捉えていますね…柿本さん、昔から絵とか、描いてましたか…?」


「いいえ、全然です」


昔から落書きくらいならしてたけど…それは誰でも通る道だろう


「素晴らしいですね…天性の才能をお持ちのようで…差し支えなければ、是非創作部に入部していただきたいのですが…」


豊田先輩がいるなら…ってこの人3年だからじきに卒業するじゃん…


「…考えてみます」


当たり障りない回答はこれしかないんだよな


「えー、入ってよ〜部誌に一緒に絵載せようよ〜学校終わっても一緒にいようよ」


最後はお前の願望か?


褒められたって事で良いよな?授業もろくに聞かずに落書きばかりしてて良かったと思う


五次元の似顔絵?を処分しようと思ったのだが、モノがない


「あれ?五次元は?」


「?ここにいるけど」


「本体じゃなくて、絵の方の!」


「持ってるよ」


スマホ片手に紙をひらひらとさせている


「処分する、返しなさい」


「捨てんの!?嘘でしょ?私が貰うんだから捨てないでよ!アイコンにするの!」


ふざけんなバカタレ!そんな愚行が通用するか!


「返せ、返せ」


奪い取ろうと手を伸ばすも完全に避けられる

上に、下に


めんどくせぇ、もう良いや


「…分かったよ、好きにしろよ…」


「なんでやめちゃうの!そっから胸にダイブするとか、ラッキースケベの可能性考えない訳!?」


漫画かアニメの観過ぎだ


「推しからの似顔絵ゲット!イエイイエイ!!」


まだそんな事言ってんのか


「良いなぁ…私も描いて欲しいなぁ」


「…金取るぞ?」


「良いよ、おいくら?」


財布を取り出す藤坪、コイツ冗談が通じてるのか通じてないのか分からないな


「冗談だよ、描かないから財布しまいなよ」


「描いてくれないならお金払うし!ねえー!」


「チッ…!」


わかったよ、描けば良いんだろ、描けば


藤坪がこんなに扱いづらい奴だとは思わなかった…


最初の頃の彼女は別の人間だったのか?


藤坪…よくあるふわっとした髪型…あとは絵に起こせる程の特徴ないな


はい描けた〜



挿絵(By みてみん)



「可愛いけど、なんでこんな悲しそうな表情してるの?」


「目に光がないよ…私そんな風に見えてるの…?」


そんな風に見えてるよ…だって君時々目から光消えるもん


「藤つぼって…私の苗字だけなんで平仮名なの…火鞠ちゃんの苗字は書けてたのに…」


うるさい娘だねえ…分からない漢字だってあるだろう…


「でも描いてくれたし一生大事にするね!」


「ん」



やっぱり俺が考えていた高校生活って甘かったな、別に今が悪いわけではない、でもごちゃついている、どうやったら整理整頓出来るのか…創作部に居たら収集つかなくなりそうな気が…

だって根本的な原因って五次元、藤坪の雷神風神コンビだもん


もう、誰かと付き合っちゃえばいいのに…

やっぱある程度モテると逆に興味なくなるモノなのかな…?


息苦しい気がしたので一旦トイレにでも行こうと、席を立つが藤坪に制服を引っ張られる


「え…もう帰っちゃうの…?」


「トイレだよ」



創作部の教室のほぼ目の前なんだよな、小汚…少し歴史のある校舎だからトイレも勿論それなりだ


教室を出るが中途半端な時間帯の為、周囲には誰も居ない


一度深呼吸


さっさと用を足して豊田先輩をチラ見しよっと




トイレの出入り口のノブって、出る時にたまに濡れてるから触りたくないんだよな、恐る恐るノブに触るが良かった、濡れていなかった…


安心してトイレから出ると創作部教室の入り口横になんと、豊田先輩が立っている


五次元ほどではないが、そこそこ身長ある人なんだな


「…どうしたんですか?」


豊田先輩は人差し指で黙れのジェスチャーをし、手招きをする


なんかドキドキしてきた…なんだろう、足取り軽く近づく


「…手短に小声でお話したいのですが…よろしいですか…?」


「はい…!」


「推されている事について…どう思いますか…?」


五次元、藤坪の茶番の事ね、そりゃあ…


「素直に喜べないです…俺には相応しくない扱いだと思います…」


「やはり、そうでしたか…実は私も同学年の数人から、推される対象になっていまして…」


ほーん、そうなんか

豊田先輩みたいにギャップの塊なある人はそりゃファンの1人や2人出来るやろ

俺もその1人だ



「…お願いします、柿本さん、私と推され被害者の会同盟を結んでくれませんか…?」


なんだかよく分からないが、豊田先輩と同盟が組めるなら勿論


「分かりました…組みましょう…」


「…ありがとうございます、これ、私の連絡先が書いてあります、登録お願い致します…」


豊田先輩はメモらしき物を手渡した



「…では、私は柿本さんの後から戻りますので…」


そうだな、同時に戻ったら怪しまれるもんな


「了解です」


メモを開くと連絡アプリのIDが書いてある

入力しながら創作部の扉を開ける


「おかえり、ちゃんと手洗った?」


五次元はもはやスマホをいじってる

俺もだが


豊田先輩のアイコンは…なんだこりゃ!?

キャラクターみたいな赤い玉に目と口がついているが目が散眼してヨダレを垂らしている…気持ち悪っ


豊田先輩の連絡先、ゲット!やったー!!という気持ちは顔に一切出さず、無表情で着席する


藤坪はまた何かを描いている


「藤坪はレジンの小物作らないの?」


「うん?最初は作ってたけど、今は絵の方にシフトチェンジしているんだよ、絵上手くなりたいし」


「美術部行けよ」


ハァーとため息をつく藤坪


「分かってないなぁ…美術部は絵を描くにしても内容が全然違うんだよ」


分からん、同じじゃないんだ?


「あ、そうだ、柿本君、絵描くの上手いからアドバイスちょうだい」


「美術部行って修行して来い」


「もうっ!意地悪!!」


例えばだ、例えば俺が入部するとして、創作部で何をしようか、文化祭で展示とかするんだろ?嫌だなぁ


ガララララ…


「あ、豊田先輩おかえりなさい!」


先輩が帰還した


「…只今戻りました…」


素朴な疑問だがなんで豊田先輩は後輩にも敬語なんだろうか?今度聞いてみよう


「歌詞って何回書いても難しいよね」


五次元はバンド部に行けよ、作詞担当で


「柿本君、ラブソング的な歌詞作りたいんだけど、なんかいい案ない?」


「恋愛した事ないやつに聞くな、藤坪にでも聞け」


あー、でも藤坪の恋愛って良いものじゃなかったか


「藤坪ちゃんとの共同制作の歌詞もあるよ、見る?」


見なくてもわかる、絶対重い歌詞だ

でも少しだけ見てみたい気もする

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ