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第二王女の埋まらない欲望

当然のことながらなろう運営の方から利用規約14条6項に抵触する部分を確認されました。

そのため、内容が変更になっています。


性的描写があります。


第二王女は我儘です。

気に入っていただけるといいのですが・・・。

 キャリー王女は初めてベーゼ・ハイエンスに会ったその瞬間から彼の顔と体がとても好きになった。

 それはまだ肉欲が伴わない、眺めていれば満足できるものだった。



 隣国の王子と婚約が結ばれ、隣国の王子も綺麗な顔をしていたけれど体格は細く頼りなさを感じさせた。

 ベーゼのほうが顔も体も私の好みだったので隣国の王子には内心がっかりしていた。

 隣国に関する勉強が増えそれに嫌気が差していた頃、閨事に関することも教えられた。

 色んな男女の絵を見せられ、体は私の意思を無視して高揚した。


「これは・・・なんでしょうか?」

「愛する旦那様に愛していただいている場面です」

「私もこのようなことをするのですか?」

 家庭教師がふふっと笑った。

「そうですよ。愛されて、隣国の王子様に可愛がられて下さい」


 私はこの時、この絵のようなことをベーゼにしてほしいと思って、実行しようと心に決めた。




 服を脱いで鏡の前に立ち見せられた絵を思い出す。

 私のほうが綺麗よね。きっと誰もが私を喜んでくれるわ。

 自分で胸に触れても特に何も感じず、下腹部を自分で弄るのはちょっと怖かった。



 ベーゼが私の護衛任務につくことになったその日を私は心待ちにしていた。

 口づけをして、胸を触らせれば男性は大抵その気になると家庭教師が言っていた。


 ベーゼの(たくま)しい体に美しく整った顔。

 性格は凡庸だけれどベーゼは直ぐに私を好きになり、私の言うことには何でも聞いてくれる所が一番好きだった。



 私と愛し合ったのに、婚約者を大事にしようとする事が気にいらなくて、婚約者と接触できないように、泣いて甘えて「側にいて」と強請ってみた。

 困った顔をして私の言うことを聞いてくれるベーゼは私が愛おしくてしかたないのだと思った。


「王女と婚約者は違います。今は王女の側に居ますから、婚約者としての付き合いは許して下さい」

「私のベーゼを誰かと共有するなんて事、私は許さないわ!」

「貴族の義務なのです」


 手紙やプレゼントを贈っているのに気付く度に私はベーゼに甘え、我儘を言った。

 困った顔をして「しかたないなぁー」そう言って私を甘えさせてくれるベーゼを日に日に好きになっていった。



 私がベーゼと一緒にいると、側近や侍女が事ある毎に文句を言い始めた。

「もうこれ以上は見過ごせません!陛下にお伝えしますよ!!」

「これで黙ってくれる?勿論お父様にもよ」

 金貨をちらつかせたらこの子達もよく言うことを聞いてくれるようになって、事後(じご)の後始末を進んでしてくれるようになった。

 


 ベーゼに「キャリーは人よりかなり性欲が強い」と言われて「キャリーの望みに全て(こた)えられない」と言い出した。

 「私が他の人に愛されてもいいの?」と聞くと「私の目の前でなら」とベーゼが楽しそうに答えた。


 好きなら他の人に愛されるのは嫌じゃないのかな?私は誰にもベーゼを愛させたりしないのに。

 そんな考えが頭をかすめたけど、ベーゼが私の求めに応えられないなら仕方ない。私はもっと愛されたいし、ベーゼの楽しそうな顔に、私もそれはいい刺激になりそうだと最後には思ってしまった。

 二人で相談して、私の護衛騎士に順番に誘いをかけてみた。


 顔と体がいいカインとアベルの前で衣装を脱いで見せたら、ベーゼの顔を窺いながら二人は私を満足させてくれた。

 アベルは少し年上で遊び馴れていて私を楽しませるのが上手だった。


 ベーゼはただ見ているだけの時もあったし、一緒に愛してくれることもあった。


 一部の側近と、侍女が「父王に黙っていてほしかったらもっと金を出せ」と言うようになってしまって、腹が立った私はカインとアベルに相談した。

 カインとアベルも喜んで私のお願いを叶えてくれると言ってくれた。

 ベーゼには他の人に触れてほしくなかったので、内緒にした。


 一番口うるさい年増の侍女を部屋に呼び出し、カインとアベルに後を任せた。

 ベーゼが驚いて止めようとしたから慌てて事情を説明した。

 ベーゼは怒ったけれど、カインとアベルを止めなかった。


 観劇なんかを見るよりずっと素敵な見世物だった。

 カインとアベルがいなくなった後にベーゼにお願いする。

「お願い。愛して・・・」


 その日、ベーゼは愛してくれなかった。

 誰かに愛されるようになってから、誰にも愛されない日は初めてだった。



 侍女たちが時折不満そうな顔を見せるが、カインとアベルに相手をさせると皆喜んで、次の約束をする侍女もいた。

 


 ベーゼだけではなくカインとアベルを知った私は、同じように愛されていても一人一人愛し方が違うと知って、色んな人と試したいとベーゼにせがんだ。

 ベーゼは快く受け入れてくれ、学園の同級生のベリアルを遊びに誘ってくれた。


 ベリアルは、はっきり言って愛し方は下手だったけど、とても元気だった。

 ベーゼが言うには「まだ若いから」だった。

 ベリアルだけでは毎日の遊びに付き合ってもらえなくて、ベーゼがマスティマとアザゼルにも声を掛けると、半信半疑だったけれど、私の遊びに付き合ってくれるようになった。


「第二王女とこんな風に遊べる日が来るとは思っていませんでした」

「満足させてやってくれ」

 アザゼルと楽しんでいる間に、ベーゼとマスティマの会話が耳に届いてちょっとイラッとした。

 こんな風に遊べるってどういうことかしら?!


 私は一人だけに愛されるより二〜三人に一緒に愛されるのが好きだった。


 少し、気になるのは私を見るベーゼの目が冷めている気がしたこと。

 そんな目をしたベーゼを繋ぎ止めたくて私はベーゼの望みを叶えることを覚えた。


 ただ愛されるより愛してあげる方が気分が高揚することを知った。私が愛してあげるのはベーゼだけと決めている。

 私に愛させようとカインとアベルが股間に私の顔をもっていかせるけれど、噛み付いてやったら次からは私に愛させようとはしなかった。

 噛み付いた後は暫く愛してくれなくなったので、噛みつくのは止めようと反省した。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ベーゼの婚約者の父親だという男がベーゼに会いに来て「明日結婚式なのにどうするつもりだ?!」と怒っている。

 私が近くにいるのに無礼な男だと憤ったけれどいい情報をくれたので目をつむることにした。


 ベーゼは私の顔色を窺いながら、短い手紙を婚約者の父親に渡していたけれど、明日はなんとしても私の側にベーゼを繋ぎ止めなければならない!!



 結婚式の日、ベーゼから「一通だけ手紙を書かせてくれ」と頼まれ「手紙を書く間も愛してくれるなら書いてもいいわよ」と許可を出してあげた。


 手紙の最後に『愛している』と書かれていて私はベーゼを(なじ)った。

 ベーゼは「物事を簡単に進めるためには必要な嘘もある」と言って私の機嫌をとってくれた。

 

 拗ね続けた次の日、ベーゼはアベルに私を任せて部屋から出ていってしまって、慌てて追いかけて謝った。

 長いため息と諦めたような顔をしてベーゼを愛することを許してくれた。

 でも私を愛してはくれなかった。


 父王が「ベーゼが結婚式を欠席したとはどういうことだ」と言ってきていたが、ベーゼは「陛下のお望みのままに」と伝えた。

 「それはどういう意味なの?」とベーゼを揺さぶると「言葉のままの意味ですよ」と私の頬に口づけた。


 私も父王に「ベーゼは私の護衛騎士よ。私以外の誰も好きにはできないわ」と伝えて、父王から逃げ回った。

 今の私を見られたら、全てバレてしまうと思ったから。


 それからも父王からの呼び出しはしつこくある。

 うんざりしていると、一枚の書類がベーゼの元に届いた。

 いつもならベーゼに手紙や伝言を届かないようにしているのに、持ってきた伝令を睨みつけた。

「陛下から直接渡して、返事を持って帰ってくるように言われていますので・・・」


 ベーゼがサインしているのを見て私は怒り狂った。

 婚約者との婚姻届だったからだった。

「どういうつもりなの?!」

「キャリーとは結婚できないだろう?」

 鼻で笑われた気がする。

「それでも私以外の人と結婚するなんて許さないわ!!」


 ベーゼが大きなため息とともに言葉を発する。

「私はここにいるのにそんなに怒らなくてもいいだろう?」

「最近、ベーゼの愛が感じられないわ!!」

「気のせいだよ」

「嫌よ!!絶対ベーゼは誰にも渡さないっ!!」


 ベッドの上で私で愛されて思考を手放させ、ベーゼは簡単に私の機嫌を取った。

 私が気を失うまで愛してくれて、目が覚めたらカインとアベルに愛される私を見て「綺麗だよ」と言った。


 私はずっとベーゼを目で追っていたけれど、ベーゼは私を目では追っていなかった。

「ベーゼ!!」

「なんだい?」

「ちゃんと私を見ていて!!」


「ごめんごめん」

 謝りながらあくびを噛み殺すのが見える。

「私を愛している?」

「ああ。愛しているよ」



 父王からベーゼに伝言が来た。

「ペンス家が、婚姻届を出したので、仕事帰りにミランダ嬢を迎えに行くように」と。

「ベーゼ!どういう事?」

「ペンス家が婚姻届を出したんだろう?」

「どうしてそんなことになるの?」


「婚姻届にサインしたし、結婚式も済んだからね」

「許さないわ!!」

「だが、届け出たものは如何しようも無いだろ」

「ベーゼは私を愛していないのね・・・」

「そんな事ないさ」

 その日はベーゼは愛してくれず、カインに私を任せた。




 カインに愛されていると、その日は珍しくベーゼも参加してくれた。

 ベーゼは動かずじっとしていて私はじれったくてベーゼを叩いた。


 それに最近はカインとアベルからも熱を感じなくなってきていた。



 いきなり扉が開いて、父王と王妃と母が入ってきた。

 母が悲鳴を上げ、呆然とするカインを王妃がベッドから落とし、私とベーゼを受け入れて愛されている所を沢山の人に見られた。

 ベーゼは私のものだと見せられて満足した。

 もっと早くこうすればよかったのね。


 たくさんの目が集まる中、私はまだベーゼの上で動いていたけれど、王妃に引き離されてしまった。

 不満が爆発して王妃に文句を言ったけれど相手にされず、父王の侍女に服を着せられた。

 父王が「別室に閉じ込めておけ」と言い、父王の控えの間に連れて行かれた。


 その日から私の楽しかった毎日が辛くてつまらない毎日へと変わってしまった。

 私の側にベーゼが居ない!

 私を愛してくれる人が居ない!!

 ベーゼを知ってから一人で寝たのはお仕置きのときだけだった!!


 毎日しかめっ面の侍女と、体だけはいいけど好みではない年寄りに囲まれて息つく場所がなかった。

「ベーゼを連れてきて!!」


 いい加減一人寝を我慢できなくなって、年寄りの護衛に素肌を晒して迫ってみたけど、侍女が黙って私をベッドに押し込んでしまった。

「何するのよっ!」



 学園の中でも年寄りの護衛が付きっきりで、私には自由がなかった。

「まるで牢獄にいるみたい!!私を自由にして!!ベーゼに会わせて!!」

 散々文句を言ったが、誰も私の言うことを聞かない。私は王女なのに!!



 護衛に二の腕を掴まれて、父王の前に膝を突かされた。

 父王は「お前の婚約は撤回された」と聞かされ、私は驚いた。

「有り得ないわ!!」

「本当だ」

 それ以外は何も言わず父は私の目の前からいなくなった。


「婚約が撤回されるなんて・・・!そんな事あるはずがない!!」

 父王の侍女にクスクス笑われた。

 私の婚約が撤回されたことが学園で噂になり、指さされ皆にクスクス笑われヒソヒソ噂される。

 腹が立って近くにいる生徒に当たり散らすと、年寄の護衛に簡単に止められてしまった。



 屈辱の学園生活を送っていると、マスティマ、アザゼル、ベリアルが学園からいなくなった。

 護衛達に「三人はどこに行ったの?!」と何度聞いても誰も答えなかった。


 私は三人がいなくなったことで恐ろしくなってきた。いつまで待ってもベーゼが私の側に来ないことも相俟(あいま)って、私の知らない何かが起きているような気がした。

「ベーゼ・・・会いに来て・・・私、怖いわ・・・」

 


 怯えに震えていた時、部屋に私の知らない男がノックもなく堂々と入ってきた。

 護衛も侍女も誰も私を庇わない。

 私は恐ろしくてただ悲鳴を上げた。




 気が付いたら東の棟の最上階に閉じ込められていた。

 窓は身長の二倍くらいある高い場所に一つあるだけで、叫ぼうが暴れようが誰にも聞こえないと子供の頃から教えられていた。


 それでも私は声の限り叫んだし、暴れてみせた。

 疲れ果てた頃に入り口の横にある小さなフラップドアから、パンが二個とスープが差し込まれた。

 カトラリーは付いていない。


「食べ終わったら押し戻せ。食器が戻っていないと次の食事は与えられない」

「ちょっと待ちなさい!!王女である私にこんな食事を食べさせる気なの?スプーンもなくどうやってスープを飲むのよっ!!」

 ドアの向こうに誰かいるはずなのに何の反応も示さない。


 フラップドアを押しあげ、そこから覗き込んで向こう側を覗くが、見えるのはこの部屋と同じ壁だけだった。


「私が何をしたっていうのよ!!私は王女なのよ!こんなところに閉じ込めていいと思っているの?!何だって言うのよ!!」



 出された貧しい食事を食べずに我慢することもできず、私はパンとスープを食べ、盆と木製のスープ皿を押し戻した。



 何度かの朝を迎えた日、フラップドアが押し上げられ、そこから両手を出せと言われ、文句を言いつつ手を差し出した。

 手はロープで縛られ、向こう側に引っ張られる。手を引き戻そうとしても動かなかった。


「腕を縛るなんて!!私を誰だと思っているの!!お父様が許さないわよ!!ほどきなさい!!」


 私がここに入ってから初めてドアが開いた。

 入ってきたのは父王だった。

「お父様!私をこんなところに閉じ込めてどういうつもりなのですか!!ここから出して下さい!!」

「閉じ込められた理由が分からないのか?」

「私が何をしたっていうんです?ここ最近はお父様の護衛がついていて何もしていませんでした!!」


「王女という立場を何だと思っているんだ?」

「どうせ嫁に出された後は知らん顔するんでしょう?今の間に好きなことしなくちゃ損じゃない!!」

「嫁に出す価値が無くなったではないか?」

「価値がないってどういうことですか?!」

「処女でなくなった王女に何の価値がある!」


「私は美しいもの。処女じゃなくたって誰だって欲しがるわ」

「隣国の王子は要らないといってきたぞ。誰もお前を欲しがりはせんよ」

「ベーゼは誰よりも私を選ぶわ!!」

「たかが騎士とは・・・。自分を安くしたもんだな。処女であれば、十九歳で王妃になれたのに」


「処女でなければならないなんて誰も教えてくれなかったわ!」

「閨ごとを教える家庭教師が言っただろう!身を任せるのは結婚した後、夫となった相手だけだと!!」

「そんなこと聞いてないわ!可愛がられなさいとしか聞いていないわ」

「何だと?!」


「それに処女じゃなくたって私は愛されるわ!」

「そう思っているのはおまえだけだよ。王家の信用を失墜させ、自分で自分の価値を下げて満足か?」

「私は私の価値を下げたりなんかしていないわ」

「・・・何を話しても無駄か」


 父がベーゼと同じような長いため息をつく。

「ベーゼを呼んでちょうだい!!」

「ベーゼもカインもアベルもお前を選ばなかったよ」

「嘘よ!!そんな筈ないわ!!」

「本当だよ。キャリー。ベーゼ達はここに入るのは嫌だと言った。キャリーもちゃんと考えて反省しなさい」


 父王はそう言って出ていってしまった。

「お父様!待って!!私はいつ出られるのですか?!!」

 侍女が二人入ってきて私の着ている服を切って脱がせ、冷たい布で体を拭き、縛られたままでも着せられる肩口と脇の下で紐を結ぶ粗末な服に着せ替えられた。


 侍女たちが出ていき、ドアが施錠される音が響くと、縛られていた手が自由になった。


 フラップドアを押し上げ、私は喚き立てる。

「私をこんなとこに閉じ込めて!こんな粗末な服を着させていいと思っているの?!!ここから出しなさい!!お父様!!お父様ーー!!」




 また何回か朝を迎えて父王が来たときと同じように手を出せと言われたが、今度は手を出さなかった。

 それっきり食事以外届かなくなった。


 また何日か経った時、私の我慢がつきた。

「大人しく手を出すから!!誰か来てっ!!」

 何の返答もなくその日も次の日も、そのまた次の日も手を出せとは言われなかった。


 私はベッドの上で膝を抱えてただ一日が終わるのを待つしかなかった。

 一日がこんなに長いなんて!!

 ベーゼ!私はここよ。助けに来て!!


「手を出せ」

 フラップドアの前に飛んで行って手を差し出す。

 縛られ、強く引っ張られる。


 ドアが開いて入ってきたのは母だった。

 母は入ってくるなり私を何度も叩いた。

「お前はなんてことをしたの!!」

「痛い!お母様!!叩かないでっ!!痛いっ!!!何が悪いっていうのよ!!私は何もしていないわ!」


「ふん!!王女である以上処女を失う。それだけでも悪いのですよ。それなのに騎士に侍女を襲わせたり、口止めにお金を支払ったことは大問題ですよ!!」

「それは・・・」

「たかだか侍女、何をしてもいいと思ったのですか?」


「邪魔だったから・・・」

「そう。邪魔になったら何をしてもいいのね?」

「そうは言わないけど、最後には気持ちよくなるんだからいいじゃない。嫌がっていた侍女達だって最後には喜んでいたわ」

「そうなの?」

「そうよ」


「キャリーは反省していないのね?」

「お父様が怒っているし、公費を使ったことはまずかったと思うけど・・・」

「そう」

「こんな所に閉じ込められるようなことはしていないでしょう?」

「本当に馬鹿な子」

 母は悲しげにため息をついて私を置いて出ていってしまった。

「お母様、ここはもう嫌!お願い出して!!」



 母が来てからは誰も来なくなり、私は日に日に痩せていった。

 みずみずしくて滑らかな肌はしわしわになり、骨が浮かび上がる。

 張りがあり豊満だった胸が萎んで垂れ下がってしまっている。

 体中が臭くて痒くてたまらなかった。


「ベーゼ・・・お母様・・・お父様・・・」

 

 私のことなど忘れ去られたのだと思った頃、父王が来てくれた。

「お父様!!」

「痩せてしまったね。もう少しいいものを出すように言っておくよ」

「それよりここから出して!」

「それは出来ないよ」

「どうして・・・」


「キャリーのしたことで何人が死んだと思う?」

「えっ?」

「王女に手を出して、その王女に命を捧げられなかったベーゼ、カイン、アベル。それに口を噤んで欲しかったら金を出せと言った侍女と側近の五人が殺され、エガテリーテも毒杯を煽ったよ」

「ベーゼが死んでしまったというの?お母様まで?」


「そうだよ」

「どうして・・・」

「エガテリーテはお前のしたことの責任を取った。ベーゼ達は護衛騎士として責任を取らねばならない」

「そんな・・・」

「王女としての矜持があるならこれを飲みなさい」


 蓋のない小瓶を手渡される。

 これは見たことがある。

 毒だ!!


「嫌よ!!私は王女よ!!こんな所で死ぬ様なこと有り得ないわ!!」

「飲みなさい」

 私は父の手を振り払い瓶の中身が床に落ちた。

「残念だよ」


 父は出ていってしまった。


 食事が出され、その横には父が差し出した物と同じ小瓶も置かれている。

 絶対に毒なんて飲んだりしない!!

 私はパンだけを食べて何時もより具が多いスープには手を付けなかった。


 食器と小瓶を押し戻し「毒なんて飲んだりしないわ!!」と叫んでやった。



 胃が焼けるような感じがして、口から血が零れた。

「どうして・・・」

 苦しくて喉を掻きむしる。

 胃が痛くてたまらない。

 口から血の泡が溢れ出す。

 私は床に転がりのたうった。

 長い長い時間苦しんで、スープは飲まなかったのにと最期に思った。

閨教育のところで「この時、閨事は隣国の王子以外としてはいけないと第二王女に伝え忘れた」

という一文があったのですが、視点が違うと言われたので、元々悩んでいたのもあって削除しました。

上手く書けなくて申し訳ありません。


少し手を入れました。


次話、ベーゼ・ハイエンスの失敗です。

後日UP予定です。


いつも誤字報告をありがとうございます。

心からの感謝を皆様に。

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> 「王女に手を出して、その王女に命を捧げられなかったベーゼ、カイン、アベル。それに口を噤んで欲しかったら金を出せと言った侍女と側近の五人が殺され、エガテリーテも毒杯を煽ったよ」 国の威信賭けた死罪、…
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