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お義姉様の話

2022/12/19 誤字修正をいたしました。教えてくださった方本当にありがとうございます。


公爵令嬢。


これが私を表す言葉


爵位の中では王位に継いで次の位であり、我が国は公、侯、伯、男、1代騎士爵とある。


聞けば5代程前に女王殿下が降格し我が家に入り、公爵入りを果たした家で、そろそろ良いだろうと話合いが行われ同じ年齢の私が婚約者候補筆頭となったが


事実上、婚約者決定だった。


王妃様主催のお茶会に招待された爵位のある子供達は様々な年齢がおり、使用人達に性格やマナーなど細かくチェックが入れられ、側近候補と共に学園で同じ時間を過ごす適正を判断され、


その中から振り訳られ残ったのが側近候補と候補者の婚約者内定の淑女になる。


勿論、出来レースでもあり、親は皆その事を知っているが顔に出す事はない。


なので殿下の周りに集う子息と淑女達は、この方の役に立つ為にと目標ができこれから厳しい教育を課せられても耐えて行けるのだ。


1番上に立つという事の意味を彼は誰よりも理解していたようで、そう振る舞っていた。


子供ながらに冷めた考えを持っていたのは、両親の関係性を目の当たりにしているからだと分かってもいた。


外で必要な時だけお互い横に立つ。


家では顔を合わせる姿は見た事があるが、それは仕事の擦り合わせをしている時のみ。


後は、お互い好きにしている。


なので弟も両親からの愛情より乳母からの愛情と教育で育ち考え方も自分とよく似ていた。


「それで、次のお茶会で噂の妹君に会うのですよね?」


「ええ。なんでも家族となるのだからと仰ってくださったわ」


両親を見習い、お互い知る情報を共有する為のお茶会をしていれば、


「かなり溺愛し甘やかしていると聞いています」


弟の言葉に、


「会話の半分はソフィア様の話だから、その噂は本当よ」


紅茶を1口の飲みながら、家庭教師に教えられた微笑みと共に告げれば、


「そうですか」


彼の中の理想と違った様で落胆の色を見せら弟に、


「中々、思慮深いお方の様で手を焼く我儘ではなく、それくらいならと判断ができる我が儘よ」


通過で情報を与えると、


「我が儘に違いはありません」


キッパリ言い切ったはずの弟が次に会った時には


「ソフィアに婚約の申し込みをしましたが、殿下に揉み消されました」


開口1番に告げられた言葉に内心驚くも、


「あらあら」


なんでも無い様に微笑み話の続きを促せば、


「殿下と交流を深めるお茶会があり、そこでソフィア様が姿をお見せになったのです。殿下は我々に姿を隠す様に命を下しましたので指示に従い、眺めていると」


思い出しているのか頬を赤らめ、目尻を下げ聞いた事のない柔らかな声に弟に驚き、慌てカップを口につける事で誤魔化すも、


「走り殿下の元へ来たので、ご注意を受けたのですが頬を膨らました後、謝罪をしておりましたが、その後に、抱っこして欲しいと我が儘を告げられたのです」


一等大切な宝物の様に記憶を扱う弟に、今まで見てきた冷静で無表情の弟はまやかしだったのかと思う程に饒舌に話す姿に、後ろに控えているメイドや従者も驚きを隠せないでいる。


そんな事は弟には関係ない様で


「お姉様のおっしゃる通り、それぐらいならと言える可愛い我が儘でした」


いえ。あれは我が儘というよりお願いですね。


なぜ言い直したのか理解ができなかったが、


「そう」


一言でも返事が返せ、微笑んだまま表情を変えなかった自分を褒め称えても良いのではと思考の逃避を試みるも、


「殿下と秘事をお話ししていた様でしたが、そのお姿はとても愛らしく教会に描かれている天使の様でした」


ほぅと甘い息を落とす弟に慄きながらも、帰宅して直ぐにお父様の許可もとり婚約候補者と名乗り上げたが、


殿下がもみ消した。


そんなに溺愛している妹殿下と会うのかと思うと、気持ちが落ちし顔合わせに妹君の機嫌を損ねたらと思うと、恐怖でテーブルの下で力を入れ震えを隠すために手を握る。


弟の気持ちは冷めない様で妹君に気に入られる様に勉強に剣技や乗馬に最先端のファションなどありとあらゆる事を学び、身嗜みも誰よりも気を使う様になった。


恋は人をこうも変えるのね。


歴史を学ぶ中で様々な失敗と評される行動の1つでもある色恋にため息を落としつつ、メイドから仕入れた弟への両親の褒め言葉も聞き流す日々中


「お兄様を独り占めしないで」


自己紹介をし間も無く告げられた言葉に内心、これが。と頭痛を感じたものの表情出す事はせず、


「そのような事は断じていたしません」


言い切りで返事を返せば、


「だったら、どうしてわたくしと遊んでくれないの」


足を上げ何度も地面を踏み締めるはしたない姿に、目を背けたくなり殿下の様子を伺えば


「勉強で忙しいのは理解している。申し訳ないが少しでも良い、時間を作ってやって欲しい」


申し訳なさそうに告げてくる殿下に、心の中でため息を落としながらも


「私で良ければ是非」


心内を悟らせないように、柔らかく聞こえる声を作り伝えると


「嬉しいわ。ありがとう」


先程まで拗ねていた姿をコロリと変え、嬉しそうに微笑む姿とそれを微笑ましそうに見ているご兄妹に


この方々はご自身の立場を理解しているのかしら?


一抹の不安を覚え過ごすし、帰りに見送りに来てくれた殿下に


「妹が大変申し訳なかった。よくよく言い聞かせるので今回は大目に見てやって欲しいんだ」


眉を下げ謝りを告げてくるので。


「お2人の仲は聞き及んでおりました。この目でお姿を拝見でき、お言葉をいただけとても嬉しかったです」


差し障りの無い返事を返すと、安堵の息をこぼした殿下から


「これから勉強も始まる。多忙になるがこうして会えるのを楽しみにしているよ」


一応、婚約者として扱ってくれるのだと思い、屋敷に帰れば待っていましたとばかりに弟の晩餐の誘いがは入り、ため息を落とし了承をした。


ドレスを脱ぎ、髪を解き、少しゆったりとしたディドレスに着替え招待された時間まで読書をし過ごしていると、


「手紙が届いております」


専属メイドが銀のトレイに乗せ持ってきた手紙と添えられた花は自分より上位を表し、何かあったのだろうかと思い受け取り封筒に書かれている名に目を通し、急ぎ手紙を読めば


親愛なるオリビア様へ


今日はお会いできて嬉しかったです。


お茶会での非礼を許してくださったとお兄様から伺いました。


ごめんなさい。


お兄様から沢山お話しをお聞きしオリビア様と会えるのを楽しみにしていたのだけど、

お会いしてお兄様とオリビア様が仲良く微笑み合っていた姿を見たら寂しなり、あんな酷い事を言ってしまいました。


本当はお友達になってくださいと言いたかったの。


本当にごめんなさい。


もっと勉強しオリビア様と並んでも恥ずかしくない淑女にれるように頑張るので、見守ってくれると嬉しいです。


また、お会いできる事を楽しみにしております。


ソフィア・トゥール・ルヴァニュー



直筆で書かれた手紙に、息を吐き、


謝罪文が送られてきた事への驚きと、自分より6歳も下だと言うことを思い出し、


年下だと考えればマナーはできている方かしら。


ごめんなさいの花言葉を持つカモミールを眺めなから、嬉しいと全面に表した笑みのソフィア様を思い出し、


折角ですし、押し花にしてみようかしら。


謝罪の意味を持つ花を飾る訳にはいかず、だからと言って捨ててしまうのは忍びなく、手元にある本に挿み混んだ。


いただいたお手紙の返事を書き、優しい心遣いの意味を持つ黄のラナンキュラスと共にソフィア様へと送り、


弟との晩餐へとゆけば、


「ご対面は如何でしたか?」


ある程度の食が進んだ頃に問われた言葉に、


「そうね。殿下を独り占めしないで言われた後、地団駄を踏みながら、どうして私と遊んでくれないの。と、言われたわ」


謝りの手紙を貰っているので自分の感情は言葉にせず、できる限り冷静に伝えると


「それは。なんとも可愛らしい事ですね」


想像をしているのか愛おしそうに目を細めながらの言葉に、


弟の貴族としての常識を疑いつつ、小さく呆れた息を落とすと


「嫌いならば、自分と遊んでと言いませんよ」


何を勘違いをしたのか、苦笑いしながら告げてきた弟に


考えを改め頷きと共に、


「確かにそうね」


返事を返せば、次から次へと弟の質問攻めの晩餐を過ごした。


屋敷での家庭教師の勉強加え、王宮にて政務と王妃の勉強を学び、合間に殿下と散歩をしたりソフィア様とお茶を楽しんだりと日々忙しく過ごしていると、


「オリビア。わたくし、貴方にお礼を言いたいの」


王妃様方直接ご指導をいただいている中の言葉に、微笑みと共に小さく首を傾げれば


「ソフィアがオリビアお義姉様のような淑女になりたいと、苦手だったマナーとダンスにやる気を見せてくれたわ」


嬉しそうに告げる王妃様の言葉に心当たりは無も、


「勿体無いお言葉。ソフィア様が熱心に取り組む様になり、ようございました」


当たり障りの無い返事を返すと、


「今まで、口を開けば兄であるあの子の話ばかりだったけど、最近はオリビアの話ばかりなのよ」


ころころと笑いながらの言葉に、


「光栄でございますが、どの様なお話をなさっているのか気になりますわ」


探りを入れると、紅茶を飲む動きが綺麗で憧れるや歩き方が綺麗、


「以前、ソフィアが貴方の家のティーフードを食べたいと我儘を言ったのを叶えてく嬉しかった。とも言っていたわね」


迷惑をかけてごめんなさいね。


母親の顔で告げる王妃様に、こんな表情もされるのだと驚きつつも


「いえ。我が家の味を気に入っていただけたようで、お父様もお母様も誇らしくしておりました」


高価な品や希少価値の高い品物を強請るのではなく、簡単に準備がで金額もかからない品を欲しいと告げるソフィア様の我儘は貴族令嬢には中々無い我儘であり


個人でしか叶えれられない我儘なのだ。


我が家のティーフードしかり、我が領の伝統なお菓子しかり。


絶妙な我儘とお願いを使い分けるソフィア様は兄である殿下より、上に立つ能力が高いのかもしれない。


初対面の印象から少しづつ変化が起こり良い印象を受けているが、王妃様の言葉には嬉しさが滲み出てしまった。


ソフィア様から語られる事で王家や城の使用人達の私への心象が良くなっている。


ありがたい事だと思い、


「わたくしもソフィア様の手本となるべく邁進してゆく所存でございます」


ご指導よろしくお願いいたします。


王妃であり未来の義母に頭を上げれば、


「こちらこそよろしくね」


親しみの篭った微笑みと共にいただけたお言葉にありがたく思い中がら、機密に近い為に書籍では無く口頭で伝えられ日々神経を尖らせつつも、休憩と称し殿下からお茶会へ招待を受ければ、


誰よりも先にソフィア様が席に着いており、


「お待たせし申し訳ありません」


足早にセッティングされている席に行くとソフィア様は椅子から立ち上がり、


「約束の時間前だもの気にしないで」


気さくに出迎えてくれる姿に、初対面から数ヶ月なのにこうも行動か変わるのかとまじまじと見つめていると


「きちんと勉強もマナーの講習も終えてから来たわ」


どこか不貞腐れながらの言葉に、勘違いをさせてしまったと思いつつも


「この短時間で全てをこなしてしまうとは流石ソフィア様でございますね」


そんな事は出さずに微笑みと共に告げれば、花が咲いたように無邪気に笑い


「褒めてもらっちゃった」


柔な頬を染め嬉しいと全面に出して表すソフィア様にまだまだ幼子でいらっしゃるわ。


微笑ましい気持ちと王族としては如何なものかとせめぎ合っていれば、椅子を進められたので座り、


「お兄様が遅いのがいけないわ。先に始めましょう」


幼子らしい言い訳に、


「そうように言われては殿下が可哀想ですわ」


殿下の反応を想像し告げた言葉に


「いいのよ。お兄様だもの」


無邪気に告げてくる言葉に心の中でため息を落としつつ、用意された紅茶にティーフードを楽しみソフィア様との会話を楽しんでいると、


「遅くなってしまい、すまない」


殿下の声と足音に、席を立ち上がりかけると


「構わない。身内だけの時間だ。楽にしてくれ」


有難いお言葉をいただき、頷きを返事に返すと


「お兄様、お義姉様との時間を邪魔しないでくださいませ」


邪魔者だと言わんばかりのソフィア様の言葉に殿下がショックを受けた様で顔色を悪くするも、ここが外で周りに使用人達の目がある事に気がついたらしく、苦笑いで誤魔化し


「寂しことを言わないでくれ。何よりリアは僕の婚約者だ」


必死になって紡いだ言葉には初めて愛称で呼ばれ、内心驚くものの、


「まぁ。愛称で呼べるからとオリビアお義姉様を独り占めして良いとは言いませんわ」


こちらも初めての呼び方に、驚き動揺するも隠す様に頬に力を入れご兄妹のやりとりを聞役に回るも、

自分を取り合うような会話が続き、恥ずかしくも、


また周りに控えているメイド達から暖かな視線に居た堪れない気持ちになり、顔が熱くなりつつご兄妹のやりとりを眺めてつつ乱れる感情を必死に押さえ込みお茶会を終え、


「ソフィア。ここからは僕とリアの時間だ」


その言葉にソフィア様は自室へと帰られ殿下と共に馬車へと向い別れの挨拶をと向き合った時に


「女性は成長が早いと聞く。寂しことだな」


心の内をお話下さった殿下に、微笑み


「まだまだ殿下に甘えたくも淑女として扱って欲しいのだと思いますわ」


自分なりに考えた慰めの言葉に殿下は微笑んでくれ


「リアにはいつも助けられてばかりですまない」


見た事が無い殿下の微笑みに心臓の音が大きく鳴り、心拍数が速くなる事に戸惑いながらも


「また、会える時を楽しみにしているよ」


穏やかな微笑みと柔らかい声に見送られ、火照る頬を両手で抑え、


「殿下はわたくしの事を好ましく思って下っている?」


今までソフィア様に向けられていた慈愛とは違う目を思い出すと心臓の動きが速くなり、考えが纏まらない内に屋敷へと到着し、恒例になつつ弟との方向を兼ねた晩餐を断り、早々にベットに入った。


が、寝れる訳は無く寝不足のままだったがそこは意地と自尊心で王妃教育を乗り切った。


殿下の気持ちに気づいてからは、殿下と2人で会う度に恋しさと愛おしさが募り、


とある日はソフィア様も含め3人でのお茶会にご兄妹からの揶揄いも、殿下に甘えるソフィア様と困りながらも愛おしそうに構う殿下の仲の良さに


「いつまでも仲の良いままでいてくださいね」


微笑まれ見守られるようになると、ソフィア様は嬉しそうに笑ってくれ、本当の姉のように接する様になった。


殿下とは互いに交流を深め、互いの苦手な所を助け合い、時にソフィア様との仲の良いやり取りを姉の様に叱咤激励をし側近候補達そのこの婚約者達と王立の学園に入学をした。


1年は互いに仲を深め、ご学友となった方々とも程よい距離感を保ち、時に同姓同士で交流と情報交換の場としてお茶会の主催をしたりし忙しく過ごす中でも、


殿下との2人きりのお茶会やソフィア様を交え好奇心いっぱいで質問攻めをしてくるソフィア様を微笑ましく思いながら殿下と見守り、


3年になったある日、突然、殿下の隣に男爵令嬢が立つ様になり、心が痛みショックを受けたが


判断するには早すぎると見守る体制をとったが、殿下の周りに侍る側近候補達との距離も急速に縮まり、


「オリビア様」


「ええ」


側近候補者の婚約者達と学園のサロンを貸切開いたお茶会に参加した貴族籍を持つ者は皆、同意の様で


言いたい事は分かっていると、意味を込め短な返事で返せば、


「どなたがを真似た行動は品性を疑いますわ」


様々な感情が見え隠れたし令嬢の言葉に苦笑で返すものの


ソフィア様の感情や動きを真似している動きに嫌悪感が一層膨らむが、紅茶を飲む事で感情も奥底に隠し

王族との婚約者である自分が、己の感情だけで動けば、その行動を認めたと取られ男爵令嬢の立場が危うくなる。


微笑んだ表情に力を入れ、心の中でため息を落とし、


「かのお方も気にされており、とても心配されておりましたわ」


王宮での恒例となった3人でのお茶会はこの数ヶ月、わたくしとソフィア様のみで行われており、眉を下げ

悲しみ、時に顔を赤くし眉を吊り上げ怒って姿に、痛み時に軋む恋心は癒されてきた。


何度、ご注意しても聞いていただけない。


男爵令嬢の言葉に惑わされ、考えも視野も狭まっている。


何より、触れらそうで触れない絶妙な距離が心を惑わせ虜にしているのだろう。


どうにかしてくれと視線で訴えてくる令嬢達に微笑み、


「今一度、殿下にはご注意をいたしますわ。皆様も行動にはくれぐれも気をつけてください」


男爵令嬢に手を出したり、家の力を使わないように言い含めお茶会を終了させ、屋敷に帰れば銀トレーに乗せられ手紙が届けられ、


細く震えている文字と時折滲んでいる箇所は感情をそのままに表しており、


お兄様に、男爵令嬢の事を注意したら、睨まれ怒鳴られたのだと綴られた手紙に怒りが生まれ、


溺愛していたソフィア様の声すら届かないのだと。


心の中で冷静な自分がこの恋は終わったのだと告げてくるが、


自分の感情は置いていソフィア様を慰めなければ。


涙で微塵だ手紙は悲しみを伝えており、明日の休憩時間に会いたい旨を書き急ぎ返事を出すと


忙しいな中、ありがとう。お会いできるのを楽しみしております。


と、メッセージカードが届き、メイドに明日のドレスとクックにソフィア様のお好きなお菓子を作るようにお願いをした。


今までに溺愛され、悪戯をしても叱る事はしても怒る事はしなかったソフィア様の心情を思うと心が痛み今直ぐにでもお会いして慰めたいがもう日も暮れ深夜と言える時間。


もどかしい気持ちを抱え、眠りにつき、翌日


「ご迷惑をおかけし申し訳ございません」


初めて見る無理に微笑むソフィア様の姿はこちらまで悲しくなり、早々に椅子に座って貰い、問われるままに自分の考え、学園内での殿下や側近候補者の反応を答えをてゆく


「お兄様がごめんなさい」


よほど殿下の事がショックだったのか顔色悪くなるソフィア様と震える声での謝罪の言葉に首を振れば、


「お兄様が浮気をするだなんて」


顔色をなくしながらの言葉に、失望の色がみえ


「私がお心を止めて置けないばかりに申し訳ございません」


頭を下げ再び謝れば、


「いいえ。お義姉様は悪くありませんわ」


力無く微笑み首を振ってくれるソフィア様の優しさに心苦しさと、悲しみを与えている殿下に不快を感じ心の中で苛立ちを感じるも微笑みの奥に隠し、


どうにかソフィア様のお心が晴れないかとお茶会で話題の流行りのドレス形や街にできたカフェや香水の話をすれば、


嬉しそうに好奇心の色を出してくれ、安心しお茶会の時間が終了まじかに、


「お義姉様、決してお一人で行動されませんように気を付けてください」


真剣な表情と硬い声で告げられた言葉に、


「畏まりました。心に留め行動いたします」


何か意味があるのか、ソフィア様の言葉通り学園では友人達と一緒に行動し視界の端に殿下と男爵令嬢が微笑み見つめ合ってる姿を見ても、


痛む心を気付かないふりをし、過ごす中、突然の殿下付きの従者が屋敷に訪れ、


「ソフィア様と会う事を禁止を命ずる」


直筆で書かれた手紙を代理で読み上げられ、唖然とするも


「突然申されましてもお約束もございますし、王妃様からのソフィア様のマナーの確認もございます」


無理だとお断りをするも、


「殿下からの命でございます」


取り継ぎ暇もなく、返ってゆく従者に、主が主なら従者もああなるのね。


軽蔑しながらも、王宮に勉強の為に上げれば視界の端にソフィア様が遠くから心配そうに見つめてくる姿に、


殿下はそこまで拗らしているのね。


呆れと苛立ちの中、


この勉強も役に立つのかしらね。


頭の片隅に思いつつ、


そういえば、弟もしつこいぐらいソフィア様の事を聞きにきたのに最近は来ないわね。


フッと気付いた事に嫌な予感がし、学園での弟の行動を思い起こせば


側近候補として殿下の近くに侍ているので当然、男爵令嬢と一緒に居る事を思い出し、


呆れため息を落とした。


殿下とすれ違いが日に日に溝を深め、夜になると恋心が悲鳴を上げ涙が出てくる中、頻繁に届くソフィア様のからの手紙やお菓子に心を癒され、


年下のソフィア様の慰めていただくなんて情けない。


送られたボンボンを食べなからぽろぽろと涙を流すと、一緒に恋心も流れてゆく気がし、少しづつ心が晴れやかになる中、


親友達と庭園でお茶会を主催すれば、


和やかな雰囲気の中、1人の親友が


「ソフィア様よりお手紙と贈り物をいただきましたの」


穏やかな表情のままどこか声を顰め告げられた言葉に、


「わたくしもいただきましたわ。カモミールの花束までいただき、両親が驚いておりました」


国の武を纏め留めあげる友人の家は長女である彼女には厳しく指導をしていると聞く、今の状況は彼女の立場を危うくしていたであろう事は想像できたはずなのに、


手を回すことができなかった。


自分の不甲斐なさとソフィア様のお心使いに感銘を受けていると、


「わたくしの所にもお手紙をいただき、けして1人にならならぬ様にお言葉をいただきました」


わたくし達、公爵家の中で唯一の侯爵家で遠慮がちの親友にも手紙が届いたらしく、


ソフィア様の視野の広さとお心の優しさと気遣いに全員で感動をしている中、


「わたくし、覚悟を決めましたの」


尽くすのは王家であり民である。


その自分の一言に、同じテーブルにいた令嬢も聞き耳を立てていた周りにいた令嬢も頷き、


これから舞踏会や裏から屋敷から夫を支えるのではなく王家と領に住まう民の為に働くのだと確認しあい、覚悟を決めお茶会を終え、


日々、冷静に殿下と男爵令嬢の関係を確認しつつ、勉学に一層力を入れた。


こんなにもお心を砕いてくれるソフィア様のお力れなれれば。


そう思うとより厳しい勉強にも挑むことができ、卒業試験はトップで終え、


いざ、卒業パーティーに参加し親友達を雑談をしていれば、


「本日は国王の名代でソフィア様がお見えになる聞き読んでおりますわ」


「わたくし、年始のパーティー以来で楽しみにしておりましたの」


「どのようなドレスかしら?」


誰もかソフィア様とお会いできるのを楽しみに会話に花を咲かせていれば、


大きな声で名前を呼ばれ、顔を顰めそうになるものの王妃教育の賜物で表情を変える事はなく、声の主の元へ行けば、


「オリビア。マリイラにした非道な行動は王妃として認められない。よってここで婚約の破棄を宣言する」


身に覚えもなく明らかな冤罪に、内心呆れながら


「理由をお伺いしても?」


微笑み崩す事なく、扇で口物を隠し余裕ある態度を示せば対応をしめせば、


「マリーに対し男爵という地位の低さで見下すだけでは無く、教科書を破り捨て、噴水に突き落とす」


次から次に低俗な行動ばかり告げる殿下に呆れていれば、


「それだけではありません。大階段から突き落とされました」


瞼に涙を溜め、恐怖を訴えるように声を振るわし庇護欲を抱かせる姿に、


なんてわざとらしい演技ですこと。


微笑んだまま軽蔑の視線を送りつつ


「わたくしがですが押したとでも?」


わざと悠然と微笑み一呼吸分の間を置いてから


「この1年、わたくしは1人で行動をしておりませんの。証人として人を呼びますわ」


あえてゆっくりと声に張りを持たせ告げると、男爵令嬢は、気丈に振る舞うように見せ


「証人居てもいくらでも嘘をつけます。大事にしたいのではありません。オリビアさんが謝ってくれれば私は許します」


なぜか上からの物言いに、微笑みを強くし口を開けかけるも


「あら。オリビア様の証人である、わたくしを信じられないと言う事かしら?」


突然のソフィア様の言葉とお姿に、嬉しくもあり、反撃の機会を失った事へ残念な気持ちになったものの、

半歩前で立ち止まったソフィア様のお気持ちとソフィア様の中での自分の立ち位置に感動してると


「オリビアを庇うつもりか?」


憎々しげにつぶやく殿下に、軽蔑の視線を送り見つめれば、


「わたくし、国王と王妃から名代とご指名をいただき、この場におりますの」


卒業生であり生徒ある殿下と、最上位である国王と王妃からの指名で公務としている自分とは立場が違う。


そう匂わせ告げたソフィア様に、


王族としての自覚を持ってくださっている嬉しさと、こんな裏のあるやり取りを知って欲しくなかった。という自分勝手な悲しみと複雑な気持ちになっていると、


どうやらソフィア様の言葉の裏の意味を理解したのか殿下と側近候補がたじろぎ戸惑いを見せる中、


「次期王妃であるオリビア様には、友人方が常にご一緒だったのは報告書で拝見しておりますわ」


ソフィア様の言葉は国王が目を通していると裏で告げるが男子令嬢は意味が理解できなかったようで


「でも、報告書なら嘘も書けますよ?」


馬鹿にし揶揄雰囲気の言葉に、会場にいる人物達が驚きと怒りを見せるのでそばにいるわたくしが動こうとするも、


「国王であるお父様に偽りの報告は大罪ですよ」


ソフィア様の痛烈なそんなことも知らないのかと意味の言葉に、苛立ったのか目を吊り上げ、


「子供は引っ込んでなさいよ!」


怒りに満ちた言葉と態度にソフィア様は微笑みと余裕ある対応も変えず、


「王と王妃の名代で来ておりますの」


告げた言葉に男爵令嬢はさらに怒りを全身に出し何か言わんとするが


「祝いの場に相応しくない人達が紛れ込んでいるわね」


これ以上は話し合いは不要と判断を下し王家の権限を使用し、壁に控えていた護衛騎士達に命を出せばあっという間に殿下達の腕を捉え


「各自、謹慎とします。その者達を連れて行きなさい」


強制退場させ、場の雰囲気は騒然とする中、振り向いたソフィア様とお互いに目を合うと


「お義姉様」


小さな声で自分を呼ぶ声は思いの外に響、会場は鎮まり返り好奇心の視線と今後の動向を見極める為の視線。様々な視線を受ける中、


ゆっくりと頭を下げの


「オリビア様。この度は兄が大変申し訳ございません。オリビア様のご希望に沿うように国王へ進言いたしますので、ご遠慮なく仰ってください」


告げられた謝罪の言葉に人々の騒めきが大きくなる。


王族が簡単に頭を下げてはいけません。


そう注意するべきだが、小さく頷き


「お顔をお上げください。今すぐとは難しく、お時間をいただければ幸いにございます」


自分に痘痕を残さない様にと考え動いてくれたソフィア様の優しさとお心使いにが嬉しく


「わたくしの事をいつもご心配していただき、励まし助言をいただけた事は大変嬉しく思っております」


ありがとうございます。


王妃殿下となるべく習ったカーテシーをし、礼と感謝を示すと


「顔を上げて。このままではいつまでたっても卒業パーティーが始められないわ」


お言葉に従い顔を上げれば、先程の出来事は無かった事にすると告げ、綺麗に微笑まれ、端にいた給仕に視線で呼びグラスを受け取る姿に、同じ給仕からグラスと受け取り、サッと周りに視線を走らせ、皆がソフィア様の行動に従った。


「皆、卒業おめでとう。3年間苦楽があった事かと思いますが、良い経験ができたと思いこれからの人生に役立てて欲しいわ」


言葉止め、グラスを上げるので皆より半呼吸分早くグラスを掲げれば全員が同じ動きをし、


「皆が進む道に幸あらん事を」


本来、最高位の祝賀の席でしか行わない乾杯を名代として始まりの挨拶と同時に音楽が奏でられ、瞬間に華やかな雰囲気に変わった。


あっという間に皆の心を捉え、従えたソフィア様を誇らしく思い眺めていれば友人達が心配そうに駆けつけてくれた事に微笑み合っていると、


「オリビア様。ご卒業おめでとうございます」


祝いの言葉と共に差し出された薔薇を微笑み受け取ると、親友達にも同様名前を呼ばれ祝いの言葉を薔薇が手渡され、


「この薔薇は、王妃様自ら育てている薔薇なのですよ」


少し大きな声は周りで自分達の対応を見ていた者達にも届いた様で、ソフィア様が他の方々へ挨拶に向かわれた後、親友をはしめお茶会であっていた令嬢達に囲まれてしまい、


挨拶を受けているソフィア様の姿を眺めるのに終わってしまった。


帰宅後は、卒業パーティ会場にいた両親を交え今後の話し合いを軽くし、数日後王宮に来る様にと言葉に従い父と向かえば、


国王様と王妃様にソフィア様と揃って出迎えられ、


「先日は申し訳なかった」


国王の言葉に、父と共に頭を下げると


「頭を上げて。呼び出してごめんなさいね。さ、座ってちょうだい」


王妃様のお言葉に従いソファに腰掛ければ、間をおかず殿下と弟を含む側近候補に男爵令嬢が騎士に連れられ姿を表し、


国王の指示で執務応答が開始されるも、


やはり恋は悪害が多いわ。


そう感想を持ってしまう程、自分勝手な理由にため息をつきたくなるも


「真実の愛なのです」


殿下の言葉に、


なるほど。わたくしとの関係は知己もしくは親友ということかしら?


声無き声で心の中で告げれば、


「ならば、地位が邪魔になるな」


国王の言葉に、殿下をはじめ側近候補者が驚いており


ご自分の地位が無くなると言う事に気づかなかったのかしら?


そう思うものの、


ああ。男爵令嬢の言葉に惑わされたのね。


先程から上手く言葉を作り声を高さを変え、国王の質問に答えているものの冷静に見聞きすれば、


ご自身の魅せ方をよく存じ上げている方だわ。


さぞ間諜向きね。すごく欲しいわ。


これからの自分の地位と動きを考えるととても適材な人物で、


後から手を回して契約をさせれば良いわ。


妙案に頷いていれば、話し合いは進んでいたらしく、男爵令嬢は我慢ができなくなったようで、


「贅沢ができると思って媚を売っていたのに価値のない男はいらないわ」


本心とも言える言葉に殿下や弟達は顔色を無くし、驚愕している姿に呆れて見ていれば、


「申し訳ございませんが我が家の家訓は、然るべき時にお金を惜しまず出す為に、倹約しろ。ですのよ」


兄である殿下を侮辱した事へ怒ったソフィア様の怒りが混じった言葉に、男爵令嬢は醜く睨み返すものの、してやったりと微笑むソフィア様に、皆が困ったように息を落とした後、


「王位継承権を剥奪し離宮へと幽閉する」


国王の言葉に殿下も弟も首を下げ従った。


早々に王宮から帰り、信頼のおけるメイドに男爵令嬢の行方を探らせ、離宮に連れていかれる時に隙をつき攫ってもらった。


「お会いできて嬉しいわ」


元男爵令嬢に挨拶をすれば、嫌悪感を隠す事なく


「高貴な方が何の用よ」


嫌味の様にねっとりと告げてくるのに、優雅に微笑み


「わたくしの手となり働いていただこうかと思いまして」


質問の答えを与えれば


「何をさせるつもりよ」


「わたくし、あなたの自分を魅せる能力にいたく感動いたしましたわ」


再び質問に答えを与えてやれば


「それはどうも」


適当な返事に、


「わたくしの、手となり足となり仕えなさい」


反論を許さないと圧をかけて告げれば、生意気に睨んでくるので


「贅沢がしたいのでしょう?給金をさしあげますわ」


間を開け


「ああ。男性に甘やかされ貢がせ、心の中で見下したいのでしたわね」


男爵令嬢の性格と心情を告げれば、驚いた表情に内心笑みを深め、


「わたくしの元でしたら思う存分、させて上げますわ」


ドレスを着て、体を磨き上げ、髪を整え、時に一級の宝石を身に纏い働くのです。


「終える人生、と、生きる人生」


この為に引いた真紅の紅を強調させる笑みを作り


「どちらをお望みかしら?」


首を傾げれば、旨味があると判断した様で頷いた姿に、控えていた人物に引き渡し地下から自室へと戻った。


後継者を失った今、親戚から養子をもらい後を継がせなければならない。


何より、自分にはやりたい事がある。


詫びとして国王様から許可もおりた。


その後、殿下からソフィア様へと王位継承が移った為のお披露目パーティーに参加したものの挨拶のみに止め、後日


晴れやかな気持ちで、ソフィア様からのお茶会の誘いに出かけ、


「お久しぶりでございます。この度はご招待いただき、ありがとうございます」


久しぶりにお会いしたソフィア様は疲れの色が濃く出ているも、笑いながら出迎えてくれ、


「こちらこそ、来ていただけて嬉しいわ」


初めて入る部屋にソフィア様のご配慮を感じつつ、準備された紅茶とティーフードをいただく中、


「メイドとして殿下のお側に居たいとお父様と話している所なのです」


率先して話を振れば、驚きの表情と信じられない様でまじまじと見つめられるので


「わたくし、王妃教育を受けておりました。お役に立てると思うのです」


以前の様に親みを込め姉の様に微笑むと


「それは嬉しい事だけれども」


様々な事を思う浮かべ、わたくしの心配をしてくれるソフィア様に


「ここにいる皆、殿下の助言と励ましに支えられました。お仕えするのはこのお方だと思っております」


自分の言葉をきっかけに皆が自分の気持ちを言葉にし、ソフィア様にその身を捧げ仕えたいと希望することを伝えた。


それぞれが己を磨き、研磨し、ソフィア様のお役に立てるように婚約破棄の負を利に変えた。


外交官の子息と婚約する予定だった令嬢は、その家に養子に入り養父と共に外交の為国外へついて行き培った能力を活かし国のために働きたいと生き生きと話、


騎士団長の長女であった令嬢は婿養子に来るはずの婚約者に捨てられ、家族がら見切られる寸前まで行ったが、


ソフィア様直筆の手紙と贈り物でなんとか貴族籍から抜けずに済み、幼き頃から得た武力でソフィア様の護衛騎士になりたいと国王に直訴し受け入れられ、家から出ることを許された。


彼女曰く、後継者ですか?知りません。わたくしは放棄いたしましたのでお好きにすれば良いと思います。


清々しい笑顔で王妃様の質問に返しで家族と見切りをつけた事を告げた。


見捨てようとした騎士団長が逆に縁を切られた事に顔色を変え焦る姿に留飲が下がった。


そして、泣いていた侯爵令嬢も高齢の後妻として結婚申し込みが数人届き両親と困っていたと言う。


爵位の関係で断りずらかった様だが、こちらが手を回し王女となるソフィア様のメイドとして仕える旨を話し引き下がって貰った。


「王女様へ忠義と服従を誓います」


皆の思いを代表で言葉にし、皆でカテーシーで気持ちを表した。


数日後町外れに殿下達の着衣のみが発見されたと、噂で囁かれる。


噂は大きくなり、1人で歩きする頃には言葉には言えない程に無惨な最後だったと平民に広がった。


お茶会でも夜会でも囁かれる話に、少し眉を下げただけで皆違う話をしだす。


貴族は無駄な詮索は身を滅ぼすことを知っているので、誰も深入りしてこない。


勿論、ソフィア様の耳にも届かないようにしている。


「と、言っても殿下も弟も影として働いてるのだけど」


夜、自室で本を読むふりをし噂に1人で笑っていると、怪訝そうな視線と態度する女性をあえて無視する。


その後、ソフィア様の


「学園卒業までは婚約者を作らない」


この宣言に貴族社会は悲鳴を上げかけるも、先の経験があるため反論することはできず、


学友からのハニートラップに引っかかる事なくご卒業をされた。


勿論、ソフィア様のお気持ちもあるが、こちらも様々な手を回し、時に弟によく似た人物の影も見え、さらに殿下に大変良く似た人物の影もチラついた。


見てみぬふりをし、自分の手足に命じて逆に誘惑させ3年間のり切った。


その後、ソフィア様の婿探しも難航を極めたが、


「この方以外に結婚しません!」


国王様と王妃様の前で宣言をし、必死になり時に不安に顔を曇らせ、時に泣き、一途に思いを伝える姿に感動し、


お相手様を皆様で囲みちょっとチクチクと言ったのは勿論内緒で、最後は殿下に良く似た影が頭を下げている姿を目撃し、


どこまでも、甘い。


ため息を付き、手足と一緒に見ていると


「あんたも同じ事してるじゃ無い」


無駄な言葉が聞こえたが、聞こえないフリをしその場を離れ、数日後


「お義姉様。プロポーズを受けて貰えました」


昔の呼び名と嬉し泣きしながら抱きついてくれたソフィア様の背中を撫ぜ、


「よろしゅうございましたね」


懐かしさと嬉しさで抱き返すと、少し落ち着いたのか


「お父様とお母様にご報告してきます」


ドレスの裾を持ち上げ走る姿に、止める為に手を伸ばすが間に合わず、護衛としてついていった彼女に注意をするように視線を送った。


「これから忙しくなりますわね」


残ったメイド達に溢せば、皆、嬉しそうに微笑み


「ウエディングドレスの手配をしなければなりませんわね」


「招待状の手配と名簿も作らねば」


各が自分の仕事を口々に出せば、ようやくソフィア様が憂なく笑ってくれる日がやってるのだと安堵の息を心の中で落とした。



冷静かと思いきやすっかり絆されたました。

上に立つ者腹芸の1つもできないとと思い書いたのですが最後は2人共気が合う様で良かったです。


次は夫編です。


書き上げましたら掲載致しますのでお待ちいただければ幸いです。


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