幼児期 第1話
遅くなって申し訳ございませんでした。続きです
クレスタ暦1472年 6月9日 ラーマ帝国マスクア子爵領マスクア 宮廷 ウルナ・スコーピオン
「おぎゃあ?」
あぁ、我が子が遂に産まれました。可愛い可愛い赤子です。この子は何れあの人が治める此のマスクア子爵領を継ぐ事に成るでしょう、願わくばこの子が健やかに成長出来ますように…。
同刻 同場所 ???
…………うっ……眩しい…ここはどこだ?
僕が重たい瞼を開けて辺りを見回してみると赤ちゃんが眠る揺り籠の中で僕は寝ていた。
そう僕は赤ちゃんの姿に成っていたのだ!俗に言う異世界転生とやらだろうか…。だがどうして僕は転生したんだ?前世の記憶はこの通り持ってはいるのだがどうして転生したのかは覚えていない。覚醒直後で頭が混乱して居るのかも知れない。取り敢えずは先人(?)に習って状況整理をしようかな。
先ず揺り籠の外へ目を向けると豪華な作りの宮殿の様な部屋に成っていて上にはシャンデリアがぶら下がっていた。其処から分かるのは少なくとも日本では無く、突然戦国時代に投げ出された様では無さそうだ。
次にとても寒い…!赤ちゃんの身体が敏感なせいなのかはわからないがそれを差し引いたとしても寒過ぎるので、此処は寒い地域だと思われる。魔法は有るのだろうか?
ふと自分がこの状況にそんなに焦って居ない事に今更ながら気付く。人とは慣れる生き物だとは聞いたことは有るけど流石に適応が早過ぎる。何か効果が働いてるのかな?
其処まで頭の中で考えていると僕の近くに誰かが来て、話し声が聞こえて来た。
「ウーリー様、この子がお産まれになった男の子で御座いますよ」
侍女らしき服装の女性がそう言うともう一人の銀髪の30代くらいの男性が口を開いた。
「この子が私の息子なのか?何と可愛らしいのだ。自分の子というのは別格に愛でたくなるな!」
…僕の父上らしい。今生の父は顔の渋さとは反比例するかのような浮かれた声を出して居てなんだか少し頼り無く感じてしまう。
そんな風に考えてると急に眠気が襲ってきて僕は意識を手放した
呑気にまた不定期で書いて行きます