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第2話

賀来→□

角尾→△

仲代→○

とします。キャラクターのイメージを図形に置き換えたらこうなりました。いい方法が思いついたらまた変えると思いますでは、第二話、お楽しみください。

○『長い!3行にまとめてください』


電話の向こうで叫ぶ、編集の仲代達夫なかだいたつおの返答はシンプルだった。


○『賀来さんの文はただでさえ冗長なのに、そんなにこまごまと説明したところで読者は5秒で読む気なくします!一コマで、1文で背景が3割わからないとマンガ読んでて疲れるんですよ』


△「だから言ったじゃねぇか、とっとと話を始めろって」


□「でも…きっちり掘り下げようと思ったらもっと」


△「でももへちまもあるかよ、2対1、諦めろ」


○『賀来さんは考えすぎなんですよ。分かってほしい主人公の情報はなんですか?シリアルキラーであること、その残虐性と異常性でしょ?小説原作と言ったって、角尾さんが描く中に書かれる文章はそのままなんですから、もっと漫画寄りに考えて作ってくださいよ』


□「うーん…犯した犯罪の数々は残したいし…人数もそう…隣の囚人も…」


○『そんなのいくつか列挙してetc...でいいんですよ。[無差別テロ 死者〇名][誘拐 被害者〇名][詐欺、放火、etcetc]みたいにまとめたら文章量に対して想像もできますし。もっと読者を信用したらどうです?』


編集さんの言葉に続けて、角尾は言う。


△「それに、一話で転生しない転生モノって、ぜってーウケねぇぞ。転生モノ見るやつらってシンプルに『俺TUEEEEE!!!』が見たいやつが多いんだからさ、掘り下げは考察ガチ勢になる読み手に任せて、シンプルな軸で書いたほうがいいって」


□「お前はたまーに鋭いな…うーん、もっとシンプルに…死刑台に登っていく描写の後に、『この男、稀代のシリアルキラーである。』『犯罪行為…テロ行為、誘拐殺人、強盗殺人…被害者、死者1013人、重症154人、軽傷36人、被害者のPTSD発症率98%、被害後の自殺者340人、自殺未遂80件(遺族、被害者家族含む)』みたいに数字だけ並べるコマを作れば見えるかな?」


△「お、乗ってきたじゃん。その調子で早くバトルシーンをだな」


○『バトルは3話からがいいと思いますよ。いきなり戦闘というのも、展開が速すぎて飽きがきやすくなりますし、転生先の説明会があって初めて戦闘の余裕が出てきますし』


△「えー!!!1話から書いちゃダメなの!?そりゃないぜー」


○『戦闘シーン狂は黙っててください。2回に1回戦闘がないと死んでしまう病にでもかかってるんですか?前作で一番危うかった時があの15週バトルシーンでの二けた順位のときなんですからね、自重してください!』

角尾は勢いに乗ってくると、原作の流れを無視してバトルシーンを描くきらいがある。…というか、ストーリーを膨らませて、バトルシーンを上手くつなげてしまうのだ。描きたいシーンに対してはとんでもなく頭が回り、引き延ばしをそう見せないテクニックを持っている。

だから、一度めちゃくちゃにバトルシーンを続け、読者も初め3週ほどはめちゃくちゃに興奮していたがそこから疲れてきたのか、一気に順位が下がった。2位→1位→3位と来て、14位、11位、13位…最下位争いの筆頭とも呼ばれ、ネットの掲示板ではやめろの嵐、それでも描き続けようとする角尾を説得するのに、仲代と賀来は5週間かけた。その後は、納得できないが仕方ないといった形で、角尾は筆を止め、しばらくは賀来の原作通りに描くようになっていた。

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