転校生?在校生?そんなことよりも・・・
片桐さんが転校・・ではなく学校に通うようになってから二週間。当初は片桐さんを一目見ようと他クラスはもちろん、他校の生徒までもがこの桜ヶ丘高校2年B組に訪れていたのだが、時間とともに一通りのフィーバーも収束を見せつつ、片桐さんの回りもこの2年B組の教室もおとなしくなった。まあもちろんおとなしくなったのには時間以外にも理由がある。それは片桐さんが誰に対しても興味を示すことなく拒否の姿勢を貫くからである。登校初日にもクラスの女子に話しかけられ
女)ねーねー片桐さんって海外のどこいたの?
美鈴)オーストリア。それ以上は答えない
女)えーなんで?オーストリアでのこともっと教えてよー
美鈴)やだ。もうどっかいって
と答えたり、ナルシストでめんど・・・イケメンで素敵なしゃべり方と有名な一之瀬先輩にさえ
男先輩)やあ、片桐嬢。ご機嫌いかがかな?
美鈴)しゃべり方気持ち悪いです
男先輩)まあそういうな。これも才色兼備な天才陸上部部長、市ノ瀬大にのみ許された
美鈴)キモいです先輩さようなら
という始末である。そのため片桐さんは今、クラスでも若干浮いてしまっている。
そんな状況を見かねてか、幸太郎が口を開いた
幸太郎)まあ、そろそろ・・美鈴ちゃんの歓迎会する?
言うと思った。ただいつもへらへらしてる幸太郎にしては遅い提案だな。歯切れも悪いし
陸)いいけど、片桐さんそういうの来るのか?
幸太郎)たぶんな。場所はお前の家でいいか?
陸)たぶん大丈夫だけど、俺ん家で大丈夫か?初めての人はいろいろと・・・
幸太郎)だーいじょうぶだって。じゃ今週末、院長にも許可もらっとけよ
陸)了解。失敗したらお前のせいね
幸太郎)ひどくね?まあ頑張るわ
こうして今週末、片桐さんの歓迎会を開くことになった。今さらってのは勘弁して