始まりのストーリー
我が母校、桜ヶ丘高校には3つの不思議がある。
10年間の間に1度必ず現れる成績優秀、スポーツ万能、容姿端麗な生徒会長
5月いっぱいまで満開の不思議な桜の木
そしてうちの学校に一度もこず、空き机のまま俺たちと進級したという謎の生徒
まぁそれがどうしたのかといわれれば返す言葉はございませんが、とにかくうちの自慢の桜が散りかけた5月下旬、主人公近藤陸が通う桜ヶ丘高校2年B組に1つの事件が起きた。
??)よう陸、聞いたぞ~お前昨日美香ちゃんと墓参りデートしてたんだってな
陸)うっ、それどこで聞いたんだよ
朝っぱらから話しかけてきたこいつは砂原幸太郎。一年からクラスはいっしょだが2年になり席が隣になってから約1ヵ月、毎日俺に声かけてくるうるさいやつだ
幸太郎)いやカマかけただけだけど。いいなー陸は。あんなかわいい幼馴染がいて
陸)うっせーよ
幸太郎)ああー俺も美香ちゃんとお近ずきになりたいなぁ
陸)安心しろお前じゃ無理だ
幸太郎)無理じゃないもん。みてろーいまに(以下略
このようにとてもうるさいのである。
そんなうるさい幸太郎の話を適当に以下略で聞き流すと、幼馴染の美香が登校してきた。
美香)おっはよーりっくん・・となんとか君
陸)おはよう美香
幸太郎)ちょ、おま・・幸太郎だよこ・う・た・ろ・うっ。もう一年以上同じクラスだろっ
美香)あ、ごめんねなんとか君
幸太郎)だから(以下略
いやー以下略って便利だな。ノーベル近藤賞があれば近藤大賞あげたいぜ。
そんなふうに改めて以下略の万能性に感心していると、我らが担任の志保ちゃんが教室に入ってきた。
志保)今日は転校生的な転校生でない生徒を紹介します
やたらハイテンションな志保ちゃんの一言によりクラス中が騒がしくなる
男)その子は女子ですか?男子ですか?
女)はいはーい、その人はイケメンですかー
男)てか転校生的てなんすか
志保)うるせーてめーらぁ、イケメンならお前らなんかに紹介しねぇよー
幸)先生、キャラ壊れてる
志)あ、あらぁーごめんなさいね
幸太郎)でも美少女フラグ来たーーー!!
と、みんなそれぞれの疑問や一部怒号を投げかけてると、教室のドアがガラッと開いて、一人の少女が教室に入ってきた。
??)よろしく
教室に入って一言、少女は自己紹介もせずにあいてる席に座った。それも伝説の空き机に
クラス中が困惑の雰囲気に飲み込まれている中、志保ちゃんは口を開いた。
志保)えーと・・・この子は・・
幸太郎)美少女きーたー。黒髪ツインテに低身長ロリボイスきーたー。それでいてツンツンしてるのがまた
志保)砂原うるさい
幸太郎)でも先生、純正黒髪ロリツインテ美少女ですよ。こんな子が三次元にいるなんてってー先生、そのグーで握り締めている拳ってまさかっ
志保)問答無用ねっ(ハート)
その後、志保ちゃんから少女の名前が片桐美鈴であること。訳あって海外にいながらも、本人の意向により机は置いてあったことが告げられた。ついでに幸太郎は放課後まで保健室で寝込んだ。
そしてよくわからないまま、今日も一日が始まるのだった。