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第1話 ガーディアンズッ!

初めて一人称で書いてみよう! ってことで、他作品では味付けにしかなっていないMMO中心のお話を書いてみます。 よろしくお願いします。

 まぶたを閉じたその瞬間、世界が揺れました。


 ふーむ、これがバーチャル酔いって奴ですかね?

 

 ゆっくりと何かが見えてきたような気もしますが……うーん……。


 おそらく1分ほどそうしていたでしょうか?


 ふと気がつくと、僕は一辺が3mほどの正方形の部屋に立っていました。


 多少の不快感が残っているものの、それよりも目の前の光景に僕は意識を奪われます。


 扉が一つあるだけの部屋の一角、僕の真正面に細工の美しい額に入った大きな姿見が掛っており、そこにこの世界での僕の体が映し出されていました。


 癖の強い男としては長めの髪、驚きに開かれた一重の目、タイトな青いシャツと白いズボンを身につけ柔らかな革靴を履いた少年です。


 設定した身長は現実の僕と同じ169cm。


 顔もデフォルトである現実の顔とほとんど同じですが、目の色や髪の色を変え個人情報対策の自動補正で若干痩せ形にしただけです。


 銀髪に青目にしたんですが、色の違和感が半端ありませんが……まあ、その内慣れるでしょう。


 というか我ながらこの顔は中々良いですね……ふう、現実の僕はもうちょっと痩せたほうが良いみたいです……ちょっとへこみました。


 体型は自動補正が掛らないのですが顔に合わせて現実より痩せ形に修正しました。


 うんまあなんと言うか、やっぱり現実の僕はもうちょっと痩せたほうが良いみたいです。


 ……いやホントへこみますね……。


 あー、気を取り直し服装を確認ですが、デフォルトの初期装備『ボディスーツ』でカラーリングのみ好みの配色にしてあります。


 クルリと回りながら一通り自分の姿を確認しましたが、思った以上に凄いです。


 現実と遜色ないレベルだとは聞いていましたが、本当だったんですねぇ。


 アウトドア派だったしVR(バーチャルリアリティ)ゲーム機は高価なので今までほとんどやったことがなかったんですけど、これは確かに勧められただけのことはあるのかもしれません。


 小学生の時に初期のスポーツゲームを何回か友達の家で遊んだんですが、その時とは段違いです。


 期待感にワクワクとしながらストレッチをして体の動きを確認すると、これが自分の体なんだという実感がしてきます。


 続いて軽くジャンプをし、ステップを踏み、腕立てや逆立ちも試します。


 うん、どうやら身体能力は現実の僕と同等程度、バランスなどの取り方も現実と同じ様に重心を考えればいけそうです。


 なんというか、ホントに凄い!

 

 姿見の中の僕がニンマリと笑っており、頭の上の三角耳がピクピクと、腰の後ろの尻尾がパタパタと振られているのが見えました。


 そう、なんとこの世界の僕には獣の耳と尻尾がついています、ちなみに狼なんですが犬との差異が良く分からないような?


 試しに耳を動かそうとしてみましたが残念ながらうまく動きません随意筋じゃないのでしょうか?


 しかし尻尾は意識すれば自分で動かせるようです……楽しくなってブンブン振っていたら尻尾の付け根が痛くなってきました……ほどほどにしたほうがよさそうですねぇ。


 そうそう、色は耳が銀色に青の縞模様、尻尾は基本銀色で先っぽのみが青色になっています。


 それに合わせてなのか髪も一筋だけ青くなっているんですが、カッコいいような恥ずかしいような……。


 さて、いつまでもここにいても仕方ありませんね、体もほぐれてきたところで景気づけといきますか!。


 そう決めた僕はなにもない壁に向かってダッシュ、手前で踏み切り跳び上がると壁の中ほどを蹴り宙返りを決めました、いわゆるサマーソルトって奴です。


 よしっ、距離感や力加減なども問題なし!


 そうとなれば、こんな狭い部屋で過ごす必要はありません、僕は扉に触れ覚えておいたアクションワードを唱えます。


「ゲートオープン、ユグドラシル」


 ワードを唱え終わると同時に僕の体が光に包まれ、一瞬で白い世界に取り込まれます。


 そして……光が消えると僕は石畳の広大な広場に居ました。


 多くの人々が行き交うその場所は惑星ユグドラシル唯一の大陸に存在するとある帝国。


 新作VR-MMO-RPG『Guardⅰans~星を守る者~』の舞台です。



 『Guardⅰans~星を守る者~』は手っ取り早く言えば、惑星ユグドラシル唯一の大陸で、異界からやってきてこの星の人たちに危害を加える妖魔などを倒す『守り手』となり覇権を競う様々な国を旅するMMO-RPGです。


 通称はガーディアンズ、あるいはβテスト中の仮称「Guardⅰans-Online」から取ってGO(ジオ)と言うようです。


 人の意識を仮想世界へと移し、もう1つの現実を作り上げるVRヴァーチャルリアリティシステムが医療やゲームへと利用され始めてすでに10年、VRゲーム機第3世代「トリアングルム」の登場に合わせて発売されたゲームの一つになります。


 あんでも古いゲームのリメイク作で、開発が決まった時には旧世代のパソコンで遊ばれていたゲームが二十年ぶりに復活と、僕の両親の世代で話題になったそうです。


 というか僕に買うついでにとか言って他に二つ買っていたんですが……まさか両親もコレやってるんじゃないでしょうね?


 と、話が逸れましたね、話題を戻しましょう。


 ガーディアンズはスタンダードな剣と魔法のファンタジー世界です。


 基本的に中世ヨーロッパ風の世界ですが、国により様々な特色があり中には極東風、つまり過去の日本などをテーマにした国もあって日本のアニメなどが人気の国では、そこに注目が集まったりもしたようです。


 そう、このゲームって実は全世界で発売されているんです。


 もっとも国ごとにサーバーが違うようですが、それでも日本から他の国のサーバーへ、あるいは他の国から日本のサーバーへわざわざ遠征する人もいるようで、もしかしたら外国の方と一緒に遊ぶことになるのかもしれません……と友人に言ったら一昔前のオンラインゲームから当たり前のことだと言われてしまいました。


えーと、そういうものなんですか?


……まあ、なにわともあれそんな訳で、僕は剣と魔法の世界へとやってきたのです。


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