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僕の人生最後の戦線にて  作者: クラムボン美少女化概念
2/3

episode2

目の前で喧嘩なんていう生ぬるい言葉では表せれない殺し合いが始まってしまった


「おい、どっちが勝つと思う?10リラからだ」


「……止めたらどうです?」


リーダーがこれだからこいつらが増長する、全く嫌なものだ

隊員同士の殺し合いを見て止めようとするんじゃなくて真っ先に賭けをしようとなるのは流石に頭獣人だ


なら僕が止めるべきだろうか?どっちかを押さえ込めるのならそれも良いだろう

けどあいにくシンプルな力比べで獣人を止めるのは不可能だ、腕で振り払われて終わりだ


力の弱い獣人でもニンゲンの三倍の膂力、それなのに虎と狼、果たして一桁倍で済むかどうか


けどこの人が言えば少なくともシロの方は止まりそうだ



「私がか?そうだな、止めるべきか」


「えぇ」


重い腰を持ち上げるのか、足を組み直す大尉

しかし立ち上がるのではなく、不穏な質問を投げかけられた


「そうだな、……お前としてはどちらの方がお気に入りだ?」


「……なぜ?」


本当になぜ?だ

なぜ今そんな質問を投げかけるのか、まるで片方を殺して喧嘩を止めるみたいな意図を感じる


「そりゃ……獣人同士の喧嘩をか弱い私が止めるのは、これ(拳銃)が一番手っ取り早いからだろ」


何を言っているのだこの女は、まるでそれが一番被害が少なくて一番簡単みたいな言い方をして

絶対最善は今すぐテーザー銃を持ってきて感電に耐性のないシロを撃つことだ、これだけは絶対に譲れない

それにだ


「平等性に欠ける、喧嘩両成敗が一番丸く収まると思いますよ」


「……それもそうか、なら両方に撃つか、運がよかったら生き残れるな」


「はぁ…、もう良いですよ」


やると言ったら本当にやってしまう彼女にこのまま任していたら本当に二人の名前の上に斜線が引かれることになるため僕がやるしかない


(トラちゃんは……四、シロは三でいいかな?)


時間帯も相まって野次馬がいないのは不幸中の幸いだ

二人を無傷で制圧するために割くリソースの割合をだいたい考えてから水の注がれたグラスに触れた


グラスの中の水が震える


震えた水面から不可視の水の光線が七つ、勢いよく射出された


「––あぁ゛!?」


「––痛ッ!?」


一つがシロの作り出した狼の頭を、二つがシロの両方を、残りの四つがトラちゃんの足を貫通し、そのまま地面に穴を開けた


「うん、…まぁ大体無傷だ、二人とも喧嘩は終わりだ、長期の任務が控えてるのにこんなところで消耗したくはないし」


狼は殺したらどうやら消えるらしい、煙のように消えてくれたため死体の処理には困らなくて助かる

そしてだいたい二人とも無傷だ、体に空いた穴は大体誤差みたいなものだ


ひとまずこれで熱は引きそうだ


「耳長ッ!!邪魔をするな!!」


「先輩…、止めないでくださいっす」


しかしこれだけやっても獣人の興奮は引かないらしく二人とも僕が一瞬でも目を離せばすぐにでも飛びかかりそうだ

しかもヘイトが若干僕にも向いている


「あぁ〜…、邪魔をするな、ねぇ」


この状況を変えるチャンスをわざわざ作ってあげた先輩に

邪魔するな、止めないでくださいらしい


(どうしたものかな、一度痛い目見るまでヤらすか…?任務が控えてるのにか?)


日付が変わる頃には国境、つまり夕方あたりにはすでに輸送ヘリか何かに乗ってる頃だ、人材の補充は明らか間に合わない


いや、そもそも何で僕がこんな苦労をしないといけないのだろうか

シロは多少痛みを伴わせれば命令を聞くと思ってたしトラちゃんももう少し賢いものだと思っていた


しかしそう思って優しく接してた結果がこれだ

明らかに僕の失態だ


「下がっててください先輩、非戦闘員である先輩が巻き込まれたら大怪我じゃ済まないっす」


「そうだ耳長、メディックは黙ってろ」


僕…シャルルは基本的に穏やかな性格をしていると思う、スイッチが入らない限り戦う気にもなれない

そして多少生意気な言われようが気にしない性格だ


だからこれは僕がムカついての結果じゃない

このまま放置しておくと二人ともすぐ死ぬ未来が見えるから先輩として教育をするだけだ、特に救護班などの医療関係の人間とは仲良くしたほうが良いこともだ



親指の腹を噛んで血を垂らす


「反抗の意思を確認、両名命令違反だ

上官の命令を無視する奴が軍にいない理由を教えてやる、血涙長柄“桜花弁型薙刀”」


「––ッ!?“孤高の––ゥグッ!?」


僕のスイッチが入ったのに一瞬早く気づいたシロが天秤を使おうとするのを魔力で運動能力を底上げした状態で鳩尾に僕の血液を使って作った薙刀の石突部分で突いて肺にダメージを負わして黙らせる


「ウガァ!!」

「––一歩半遠い」


さすがは獣人、正確に突いたはずなのに一瞬硬直しただけですぐに攻撃に転じてきた

しかも蹲ったふりをして相手を油断させてからのノールックでの裏拳、センスを感じる戦い方だ

けどそこには僕はいない、長柄武器の強みを一方的に押し付けさせてもらう


「腕一本でいいよ、綺麗に落とせば繋がるから」


空ぶってガラ空きになった懐に右腕を切り落とそうと一気に踏み込む

しかしそれが叶うことはなかった


「––ッ!?」


真後ろから響く発砲音

咄嗟に薙刀の血を解いて真後ろに広く展開して固める

しかし案の定というか強度が足りずに一瞬で貫通し、眼前に迫る


(もとより血壁(これ)で止めるつもりは毛頭ないよ、減速させるだけだ)


血壁のおかげで勢いの衰えた弾丸

そのおかげで回避が間に合った、いや頬を肩を掠めたけど実質無傷だ


僕はかすった肩を摩りながら僕の胸目掛けて発砲した大尉に非難の視線を向ける


「私闘は禁止だぞ、シャルル」


タバコをふかしながら足を組み替える大尉

今更でしかない注意だ


「ほら、シロトもラトリアも落ち着け、食堂で死人が出たら私は上にどう報告したら良いんだ、減給確実だろ」


「す、すみません」

「……ごめんなさい」


素直に謝るシロとトラちゃん、まさに鶴の一声だ

最初からこの人が一言やめろと言ったらよかっただけなのに巫山戯るからこんな大ごとになるんだ


「シャルル、ステゴロに武器を出すのは反則だ、お手つきは一回休みだぞ」


「……アンジェリカ、素手で獣人の本気の殺し合いに首を突っ込めと?」


「何をぬけぬけと、首を突っ込んだ後に武器出してたろ」


後に出そうが先に出そうが大体一緒だ

いくら魔力で運動能力を底上げしようが徒手格闘で獣人相手はやりたくない


「私たちは一蓮托生なんだ、仲良くしようじゃないか

なぁ?三人とも、私たちはプロだ、仕事に私情は…挟んじゃいけない

あれがいや、これも嫌が通用するのは使えない犬と酒の飲めないガキだけで十分だ」


そう言いながら笑顔でシロとトラちゃんと肩を組む大尉

けどその目は全く笑っていない


「う、うっす」

「……はい」


二人とも蛇に睨まれたカエルのように縮こまってしまっている

最初からこれをすればよかったのに


心のうちで大尉に文句を言っていたら大尉が次は僕に笑いかける


「チョーカー、気にいってもらっていて何よりだ、けど気をつけてくれよ

そんなものを送っておいてなんだがあんまり暴れすぎると首が閉まるかもしれない

そんな間抜けな死に方をしてほしくはないからな」


「……おしゃれで気にってるよ」



ーーウィングについて

ウィングは現在4名で構成されている特殊部隊、その役割構成もかなり特殊で兼任も多い

チームリーダー兼スナイパー アンジェリカ(大尉)   (大尉)

アサルター         ラトリア(トラちゃん)  (一等兵)

ポイントマン        シロト(シロ)      (二等兵)

メディック兼色々      シャルル(主人公)    (曹長)


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