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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

あの日を忘れない為に

作者: Hanna
掲載日:2026/03/12

 これは、2011年3月11日に起きた出来事を、関東地方にいる私の視点から語らせていただきます。

 2011年3月11日14時46分――平穏な日常は、変わってしまった。



 私は、関東地方のある小学校に通学していました。当時、終業式が行われていました。また、 個人的事情で転校前の最後の日でもありました。


 体育館で終業式が行われ、教室で成績表を受け取って荷物をまとめました。そして、日直をしていた女の子は教卓前で「さよなら」の挨拶をする直前、担任の様子がおかしかったのです。すると──


「机の下にもぐって!」


 と叫んだのです。

 日直の子は教卓へ、私を含めたクラスメイトは机の下へ潜りました。その最中に、揺れが襲い掛かり、潜った頃には激しい揺れが来たのです。


(……地震ッ!)


 私は、図鑑から地震について軽めの知識を持っていたので、近くで大きな揺れが起きたか、と思っていました。


 一度、揺れが収まったと思いきや、左右に激しく揺れました。

 数秒後には電気がパチンと消え、物音も激しくなっていきました。この当時、地震計は最大の揺れを観測していました。

 その揺れは、体が持っていかれる程でした。とてつもない揺れに、クラスメイトの中には悲鳴を上げる子もいました。


 私は「落ち着いて!」と何度も叫び、クラスメイトを少しでも恐怖から立ち直らせようとしました。「こんな時こそ落ち着かなければ、死んでしまう」と感じました。

 その時、防火扉の固定ロックが外れてバタンと閉じてしまう事態になり、それほどの揺れなのだと即座に感じました。


 揺れは左右から波打つような状態に変わり、机の脚の左右で違う動きをしていました。揺れの長さは異常に長く、図鑑に記録された地震波形や数値が頭に浮かび、これは信じられない規模だと確信していた。


(この揺れ、1分超えてるッ! こんな揺れ、図鑑の記録にない……どこが揺れてるんだ? ……ママ……お婆ちゃん……)


 と、頭の中で幾つかの疑問や思考がぐるぐる回っていた。


「……ッ、止まれぇ! 止まれぇぇぇぇぇぇッ!」


 波打つ揺れに耐えていた私ですが、あまりの長さに限界となって叫んでいました。これ以上はやめてくれ、そんな思いでした。



 揺れが収まった後、私は担任の指示の下、ランドセルと荷物を持って上履きのまま校庭へ避難しました。無事にクラスメイトが全員避難をして座っていると、また地震が襲い掛かったのです。


(余震ッ!)


 私は、両手を頭に回して辺りを確認しました。既に校庭に避難して安全な場所ですが、小学校境内の木々や遊具が大きく揺れていました。



 揺れが収まり、保護者への引き渡しが始まりました。しかし、私はこの上ない状況にパニックを起こしていたか、15時過ぎからの気温低下か、全身の震えが止まらなくなりました。

 また、日直の子も教卓の下で地震に耐えましたが、寒さからか震えが来ていたのです。


 その際、2人の男子クラスメイトが自分のコートを私たちへ貸してくれました。私は、その子と一緒に膝掛けをし、暖を取っていました。


 そして、祖母が迎えに来たので、私は「皆、無事でいてね」と伝えて祖母と共に自宅へ帰りました。

 地震発生当時、祖母は自宅におり、廊下を匍匐前進ほふくぜんしんして玄関へ向かっていたと明かしてくれました。


 帰宅して家の安全を確認。落下物は、仏壇にあげていた水入れの蓋だけでした。 祖母は、以前から地震対策をしていた為、それが功を成したのです。

 他の自宅では、高い所から落下して物が壊れたり、棚が倒れそうになったりと、様々な被害状況を聞きました。


 母も会社から帰宅し、寝床の整備、夕食の買い出し準備、ラジオの起動をやってくれました。当時、ラジオが一時的かつ唯一の情報源でした。


 家族総出で、日が沈む前に食べ物を買いに行きました。しかし、コンビニやスーパーでは人がごった返し、今にでも押し潰されそうになりながら、惣菜やパンに即席麺を手に取りました。


 私の住む地域は停電していました。幸い、ガスと水道は動いていましたが、安全の為に買ってきたものを食べて栄養を摂り、体を温めていました。

 しかし、容赦なくラジオの情報から衝撃の情報が私の耳へ届き続けました。音声だけでも、想像以上のことが日本で今、この瞬間に起きているのだと感じました。


 私は、母と祖母に促されて眠ることにしました。しかし、寝ている間にも緊急地震速報が携帯から鳴り響いて目を覚ましていました。それが睡眠妨害となり、恐怖と不安が常に過ぎって苦痛の日々でした。


 ネット情報では、関東地方は地震発生日から9日後に電力復旧したとなっております。そのため、正確な日数は分かりませんが、テレビが起動したので急いでニュース番組を開きました。しかし、その瞬間に映ったのは──


・濁流に押し流される家屋や自動車に船


・濁流に呑み込まれる町を見て泣き叫び、絶望する人々


・所によって火災が発生し、燃え上がる黒煙


・空から捉えた、幾つもの巨大な白波


・地震発生当時の映像の数々


 ──という、地獄の光景が画面で映りました。


(なに、これ?)


 これは現実なのか、その光景が頭から離れませんでした。また、アナウンサーの口からは、地震の正確な情報が私の耳に届きました。


・3月11日の午後2時46分に地震が発生


・震源は三陸沖、最大震度は7、推定されるマグニチュードは7.9


・白波を立てるのは津波。街や畑を……濁流となって全て呑み込む


・津波注意報は、日本海沿岸地域にも発令された


 言葉で表すと、「地獄」「この世の終わり」以外の何者でもありませんでした。日本が、不安と恐怖に包まれた日でした。

 私自身が経験した揺れ以上の揺れを感じ、目の前で町が流される光景を目にした東北の人々は、とても辛く痛ましい傷を負ったかと思うと、胸が痛みました。



 そして、数日に渡って、東北で起きた悲しい出来事の数々をテレビで知りました。


・幼稚園や小学校が津波に飲まれ、幼い命が犠牲になったこと


・防災対策庁舎から放送で呼びかけ続けていた女性が津波で犠牲となったこと


・足が悪く、逃げることができなかったお爺さんやお婆さんが人々の目の前で津波に呑まれたこと


 など、多くの人々の命が失われた痛ましい現実を叩きつけられました。


(なぜ、死ななくちゃいけなかったの?)


 私は、答えが出ない疑問が頭に出てきていました。

 また、一体何が起きたのか。改めて、地震に関する図鑑や本、新聞やネットの情報で知識を集めました。

 私は時間のある限り、新しい情報を探し、知識として頭に上書きしていきました。



 そして、数か月後。ニュース番組で、研究者による最新情報が届きました。


 2011年3月11日14時46分発生。震源は三陸沖、最大震度7、マグニチュード9.0


 1960年に発生した「チリ地震」(マグニチュード9.5)、2004年に発生した「スマトラ島沖地震」(マグニチュード9.3)、1964年に発生した「アラスカ地震」(マグニチュード9.2)に次ぐ災害規模でした。

 この地震で発生した津波は、アメリカ西海岸やチリの海岸まで届いた、と聞いて、その威力を感じました。


 ・災害関連死者数:約2万2000人


 ・行方不明者:約2,500人


 世界各国から支援が届き、被災地は大いに助かりましたが、心の傷は15年経った今も消えることはありません。

 さらに、親族や家族を亡くし、地元が壊滅的な被害を受けた著名人も多くいました。また、今現在も、行方不明となった家族や親族の帰りを待つ人もいます。


 これにより、日本政府は災害対策への見直しと強化を図ることとなりました。また、令和6年能登半島地震でも、様々な課題が浮き上がっている状況です。


 これから起こりうるとされる南海トラフ地震やその先の自然災害に対する防災対策を意識していくことが被害を少しでも減少させられると思っています。



 別の話になりますが、2004年に起きた新潟中越地震と、とある家族と一匹の犬の物語を基に創られた映画があります。

 平穏な日常から一転。地震による災害やそれに伴う痛ましい現実がリアルに描かれ、涙なしではみられない映画です。


 さらに、東日本大震災や令和6年能登半島地震を忘れない為に、YouTubeに掲載されている動画を見て、忘れないようにしています。どれも涙を流さずにはいられないものです。


 これらに関して、注意がございます。

 災害に関する動画は、強いストレスを感じることがあります。私は、それらを見ることを皆様に強制致しません。

 ただ、災害の記録や教訓は、いつ起きるか分からない自然災害に対する備えとして心にとめておくべきと感じております。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 今後起こりうる災害に対して、私たちには何ができるのか……それを、今一度、考えて欲しいと思っております。

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