第7話:配信アーカイブ#297
「いやあ大量大量」
:四時間くらいかかったね、死ぬまで
:動けなくなるくらいまでなら三時間でいけたんだが案外しぶとかったね
:いやなんで普通に倒してるのよ!?あれ2パーティー編成で倒すものよ普通!?
:Aだぞ
:頭おかしいからこいつは
「ソロだと総取りできるからありがたいよねー、僕みたいな低階層メインでも食べていけるもん」
:低階層って3層までのことを言うんすよ…
:まあ実際普段はそこで踏破地帯増やして地図作ってるからなAは
:マジで助かってます
:解体手慣れてるなあ…へー、足って筋肉で繋がってんだ
:前職マタギだった?
「いんや? ただダンジョン探索者になるにあたって覚えておいて損はないかなって……よし、納品納品」
:納品用アイテムポーチに全部丸々ぶち込むんじゃ駄目なの?
:ある程度バラした方が査定で良い値が付きやすいし、霊王の肝とか心臓は早めに解体して体から取り外さないと魔素が全身にいきわたってしまって価値が下がる
:肉も不味くなるしな
「魔素に染まった肉もあれはあれで好きなんだけどねえ」
:え……?
:お前味覚おかしいよ
:わかる。あの独特の臭みと肉の硬さ癖になるよな
:普段はともかく今は急ぎじゃ、、、?
「ナイフ片方壊れちゃったからねー。あと食料も節約したいし……」
:よくコメント読みながら解体なんてできるな
:ウチの専属解体師より手際良い…戦闘のはともかく解体のは余計な傷全く無いし
:結構ぐちゃぐちゃの状態で送ってきますからね……
「よし、量はこのくらいでいいかな」
:肉はわかるけど……鹿の足なんてどうすんだ
:だからトナカイ!
:ふっと♡でっか♡巨木かな♡その太さまさに益荒男
:ぶりんぶりんの取れたての肉だな…旨そう
:熟成させてないからそこまでだぞ。肉は数日置いておいた方がウメェの
「こん棒にはなるからねー。っと、とりあえず移動移動っと」
:毎度シュールだなあ、自然の中に不自然なくらい人工物の階段があるの
:あるもんは仕方ないし深く潜るにはこれしかないからね
「っと、ついたついた」
:ようやく五層目……いつみてもおかしいよなここ
:木の壁に木の床に木の天井…おまけに光源がろうそくと
:巨木の中切り抜いてそのまま通路にしましたーみたいなところだもんなここ
:なんで鬱蒼と生い茂った森の次が木の中なんだよ
:壁外マッピングキツかったなあ五層は……
:希少木材手に入れる為にマジで歩きまくったし木を掘りまくった…始めてデスルーラ使ったわここで
「残念ながら木外では出ないけどね今回は」
:まあ流石にね
;しかしまあものの見事に穴だらけ
:ダンジョンって傷付いても時間が経ったら自動的に修復されるもんなんじゃねえの?
:それぞれのネームプレートにそれぞれの素材の名前が記されてるのヌクモリティを感じる
:ダンジョンに永続的に傷を付けられる武器があるんだっけか?
:推定60階層から持ち帰ったあれね。偶然ワープホール踏んで転送されないと行けないからほぼ一点ものになってるあれね
「まあ、あの小さい穴を片道四日間くらい潜らなきゃいけないからねえ。現実的じゃないよね。あっ、どうも」
「うわっAだ……お疲れ様でーす」
「あっ霊王の肉っすかそれ。ちょっと行った先に俺らが野営してたとこあるんすけど、まだ火種くすぶってるんで簡単に焼けますよ」
「あっマジ? ありがとねー」
「いえいえ助け合いっすよ。んじゃお気をつけて」
:一般通過冒険者
:五層まで来れてるってことはかなり強いな
:8人パーティーかぁ、コミュ障の俺には無理だわあれ
:負傷者誰もいない辺りマジで強いか、死者はAみたいに鬼還の腕輪つけて送り届けたか……
:でもそこまで負傷している様子も無いからかなり強いよこの人ら
:デスルーラは気軽にやらせちゃ駄目なやつじゃない?
:あれのせいでA、パーティーから追い出されたからな…
:ゲーム内の効率重視のやり方を現実に持ってきちゃ駄目よね
:Aも同じ方法で帰還したから文句言わせられないってのがさあ、本当こいつさあ
「……みんな酷くない? ちゃんと損しないよう計算してやったんだよ?」
:俺達は機械じゃないんだ!!
:恐怖心母ちゃんのお腹の中に置いてきたんか?
:殺される恐怖知らないんか?
:恐怖を知らないんだよこいつは
「いや恐怖する感情もちゃんとあるからね? 全く……おっ、くらえっ」
:この人何の迷いもなく人型の魔物殴りつけたよ
:ウッドゴーレムかあ、こいつ強度そこそこだけど木の繊維で剣とか止めてくるんだよな
:そういや素材の旨味無いし鈍いからあんま戦わねぇなこいつ
:なるほどだから霊王の大腿骨を…合理的ではあるが狂気的だな武器のチョイス
:おおー倒れたところを容赦なく二発三発と…人間殴り殺してるみてぇでグロい
:つうか人間殴った時みたいに倒れるんだウッドゴーレムも
:人型の魔物は頭の部分にコアがあるからな、それを強くゆすられると脳震盪と似たのを引き起こすんだ
:…なんで人間殴った時みたいな例え出してくきたの?
「よし、後はこれを繊維状になるまで砕いて……チタタプチタタプ」
:一人チタタプ
:アイヌ語で「我々が叩いたもの」って意味の言葉を一人で呟くのには哀愁を感じますね
:今北産業
:叩いて繊維なるのか?
:トナカイ殺して肉を食うため人殺す
:人じゃねえよ!!
:これ繊維状にして火を付きやすくしてるんか…固形燃料ない時はこうすりゃいいのか
:マッチ一本と適当な壁か床剥がせば火起こせるからな
:あの…延焼とか大丈夫なんですか…?
「床掘ったら土出てくるんだよねここ」
:大腿骨ぶっ刺して掘ってる…
:脱獄もので見るやつだ。あれはスプーンでだけど
:ほんとだ木の下から黒い土出てきた
:この階層では焚火はこうやってしないとマジで燃え広がるから注意な(五敗)
:これなら延焼気にしなくていいか
:さあ焼き肉祭りだー!!
:五回も失敗するな
:霊王ってウメェの?
:鹿肉食いてぇなあ
:霊王の肉はエネルギー豊富で食べた瞬間魔力揚がるし最大魔力伸びる感覚するけど味は臭み強いよ
:北海道のジンギスカンみたいな感じ
:熟成させてないからなあ、現地調達して取れたての食べるよりギルドで食った方が美味いぞ




