第59話:配信アーカイブ#475
「このメンバーで探索するのも久しぶりだねぇー……ようやく死ぬのから解放された……!!」
「随分とパート数が進んでるけど……えっ、そんな日数経ってない筈よね?」
「死ぬ度に配信終了するからねー。……疲れた」
「お疲れ」
:そんな日数経ってない筈なのになんか久しぶりって感じがするな
:こんな短期間でパート数がここまで増えるなんて早々無いからな
:普通の人は一度死んだら一週間は休むんよ
「いやあ、でも流石に僕も死に疲れたよ?」
「死に疲れたなんて普通言わないのよ……」
:流石にAもへばったか
:そりゃあんだけ死んだらそうよ
:マジでわんこそば感覚で死にまくってたから……
:地面に刺さって天井に叩きつけられて魔物と一体化して別の階層にワープして。。。。。。
:ワープで出てきたらバラバラ死体だったこともあったな
:あれにはマジで肝が冷えた。今度こそ生き返らないかと
:なんで生き返ってんだこの人????
:理不尽死はしばらくお腹いっぱいかな……
:Aを慰めるように頭撫でてるチチェロちゃんきゃわわ
「……で、ワープ魔法はどんな感じなの?」
「とりあえず一旦実用化できたかなって感じかなー? 階層をまたいだワープができるようになるのが到達点らしいけど、そこまではいってないらしい」
:マジかよそこまで行ったか
:階層移動もかなり時間かかるからね
:一層二層はともかくボスがとにかく強いんだよなあ
:ボス部屋までの移動時間短縮だけでもばか凄い技術革新なんだが、その核心に至るまでのプロセス見てたらね……
:1日3回は死んで完成させたワープ魔法……
:転移魔法はAの血で作られている
:マジでお疲れ様です
:ウルタールにもチチェロにも甘えていいよここまでされたら。
:ホントかー?ホントに血だけかー?
「んじゃとりあえずボス部屋までいこっか。この転移魔法.54完成テストで」
:ぎゃああああああ!!!!
:だからやめて本当やめてその名前!!
:やだやだやだやだやだやだやーだー!!!!!
:完成って銘打ってるのにその後に更新されたファイルあるのいいよねよくねえ
:完成54更新日21250314 53更新日21250325
:本当あの博士ふざけんなよ
:グロやめろ
:これで更新日が真ん中ら辺ので、参考にすべきなのがそのファイルだったってことあった。死ねって言ったけど俺悪くない
「A、コメント欄が凄い阿鼻叫喚なんだが……」
「SEやってると分かるよ」
「PC系を仕事で触ったことあると本当ふざけんなってなるのよね、このネーミング……」
:ウルタールさんだけかカタギのシノギやってた人は
:まあ実際苦しめられんとあの辛さは分からんよね
:……あの博士、一応カタギのシノギやってる人間の筈なんだが
:冒険者はカタギだよ!?
「あー……とりあえず、使ってみていい?」
:おっけー
:ウルタールさんもチチェロもすっごい不安そう
:まあ配信見てただろうしそりゃ不安なるわな
:あの死に方は人間の死に方じゃないもんな
:でもなんだかんだ最近のテストでは早々死ななくなってたし大丈夫でしょ
「ねえ大丈夫? 本当に大丈夫なの?」
「二回は生き残ったから安心して」
「それ以外は死んだって事だろ……!?」
:流石にチチェロちゃんも狼狽えてる
:一応バラバラになったバグと足が地面に埋まるバグは完全に削除することできたから……
:ウルタールさんはAみたいに死ぬことに慣れてないんだよA!!
:あとは複数人で運用したらどうなるかのテストだけじゃ
:あの、天空に投げ出されるバグは……?
「プロジェクト54参照、オブジェクト、ダンジョンにアクセス。ポイント指定、次元移送階段前。干渉オブジェクトチェック、空気圧チェック、オールグリーン……二人とも、何度も死んだ僕を信じて」
「何度も死んでるから信用ならないのよその魔法!!
「Aは信用しているがあの老人は信用していない……!!」
:あーあー逃がさないよう腕掴まれちゃってる
:一応理論上はこれで完璧な筈じゃし、魔物を使って何度かテストしたんじゃがなあ
:3回しか成功確認してないんだよなあ
:試行回数として数えるには少なすぎない?
:成功した時ガチで喜んでたよな集団ワープ成功した時のA
:集団ワープは失敗したら肉同士がくっつきあってしまうからな
:喜びすぎてその隙を魔物に狙われて殺されてたなあA
「ワープ!!」
:画面が一瞬で切り替わった!!
「っと」
:埋め込まれ対策のために地面からちょっと上辺りにワープするようにしたのね
:まあ地面にちゃんと着地するような座標指定するの面倒だしな
:ウルタールちゃんもチチェロちゃんも無事だ!!
:ってことは……成功した?
:人間多数は今回が初めてだったから成功してよかったよかった
:二人とも膝から崩れ落ちてる……
「……ねえ、コメント欄に人間多数は初めてって書いてるんだけど……ねえA!?」
「おおっ……成功した」
「今小声でなんて言った?」
:今さらっと小声でこいつ
:ぶっちゃけ成功するとは思ってなかった
:今まで大体初挑戦するとき滅茶苦茶になってたしなあ
:チチェロちゃんが珍しく怒ってる…まあ妥当な怒りだわこれ
「……はあ、まあいいわ。私達が魔法歴史の第一歩を歩んでいるってことだし……ここで二日も過ごさずにボス部屋まで来れる日が来るとは思わなかったわね」
「……確かに、潜ったばかりなのにゴブリンキングの姿が見えるのは変な気分」
「あっはは、凄いでしょ?」
:いやマジで凄いんだよ実際
:この階層だと命の危険に見合うかっていうと見合わないんだけど、下っていくにつれ死ぬ確率上がるからな…
:最前線攻略班ですら一層の道中で死ぬことがたまにあるからな。その可能性を0に出来たってのは本当凄い
:飯と水の消費を最小限にできるってのも嬉しいところ
「確かに凄いけど……この魔法って絶対安全なのよね?」
「九十パーセントくらいは上手く行くよ」
「死亡率十パーセントか」
「……実用化には程遠いけど、ってところかしら」
:いや十分欲し……いやうーん……
:即死するだけならその状態でも欲しいところだけど…
:高所から叩きつけられるだけなら使えるんだけどなあ
:足チョンパでなぶり殺しとか木と体が混ざり合ってとかで即死できない時が辛い
:拷問死する可能性考えたら割とマジで駄目な魔法ではあるんよなこれ
:10%の確率では使いたくねぇ!!
「これ、踏破したばかりの階層だと上手く動かないんだったか……A、はっきりと思い浮かべられる階層ってどこまでだ?」
「そうね。魔法は頭の中のイメージが大切だもの。……うろ覚えじゃ駄目よ。はっきりと思い出せるところだけ」
:そういやそうか
:詠唱もイメージの固定というか、サポートの為ってのもあるもんな
:いや詠唱はイメージ全然出来てなくても発動できるようにするためのパスだぞ
:試作魔法の方は安定して発動させるためにも詠唱とイメージ両方大事
:人工魔法って詠唱無しで発動できるもんなんじゃねえの!?
:人工魔法も普通の魔法とそう変わらないんだが、転移魔法の場合普通の魔法と一緒にするもんでもないから……
:そもそもが元々が罠用の魔法だからな解析の結果見た感じ。こんな運用するの想定されてない思う
「うーん……六階層、までかなー? 多分は九階層までで、それ以降はちょっとぼんやりかな」
「……ちなみにだけど、ぼんやりした状態だとどうなるのかしら」
「博士見てるだろうから答えろ」
:どうなの博士?
:いやあ、いるかどうかわかんないよぶっちゃけ
:あの人結構偉い立場で忙しい人だからなあ
:足チョンパなるか、三人の体がシャム双生児のようにくっ付いてしまう可能性がある。まあ言うて30%くらいじゃから気にせんでええわ
「……A、その転移魔法、六層目までにしておいてね使うの」
「ええー……良いけどさあ」
:なんで不満げなんだ30%って結構なものだぞ
:死ぬこと恐れないにしても痛覚はある筈なんだよなA…




