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ダンジョン配信に憑りつかれた男の娘~何万回死んでも潜り続ける、そこにダンジョンがあるから~  作者: プラン9


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第57話:配信アーカイブ【転移魔法テスト集】

:おっ配信開始した

:タイトルなにこれ、テスト?

:テスト配信とか今更必要ねぇだろオメー何回死んでんだ

:年数で言えば一桁位なのにもう脂肪回数ベテラン追い越してるからなこいつ

:というか今回はソロなのね


「まあねー、ちょっとお仕事頼まれちゃって……転移魔法のね」


:転移魔法って実用化にあと十年かそこらかかるって話じゃなかったっけ?

:Aの配信きっかけで色々と解析が進んだって話は聞いていたが

:数百年くらいかかるって目算が数十年にまで短縮されたからね

:あの後リビングアーマーの爆発あったじゃん?あれのお陰でまた10年くらい短縮されたって話あったんよ

:なんかAがリビングアーマーとエンカウントしてから凄い動き始めたね世界


「なんか、らしいねえ。……で、ワープ魔法の試作が出来たってんで試してほしいって頼まれたんだー。これの事故によっての死亡した際の蘇生費用は向こうさんが出してくれるって話だし……世界で一番早くにワープ魔法使えるって考えたら結構優越感というか、そういうのがあるし……お金もいっぱい貰えるしね」


:うぅん、俗物ぅ

:研究進むの早いねぇ

:まって死亡した際のって、死ぬ前提で頼んだんかあそこ!?

:そりゃワープとかいう全身に作用する人工魔法だから何が起きてもおかしくはないんだが

:そんなけ稼いでまだお金が欲しいんかこいつ


「ダンジョン探索って何かとお金がかかるからねぇ、いくらあってもあるに越したことは無いんだよね」


:ほとんどの冒険者が稼ぐためにダンジョン潜ってるのに、こいつだけダンジョン潜る為に稼いでるからな

:手段と目的が入れ替わっちまってる…

:でも実際に冒険者やってたら似たような思考になるのよね。お金稼ぐために始めた冒険者稼業が、いつの間にか仕事の為にお金をつぎ込むようになって……数代くらい余裕でFIREできる額溜まってもダンジョン探索の為の装備買うようになっちゃって…

:ダンジョン探索中毒とか配信中毒とかそういうのあるからな


「そうそう。やっぱ冒険してないと刺激が無いんだよね、刺激が。……と言う訳で、ちょっとやってみようか未知の冒険を──プロジェクト25参照、オブジェクトダンジョンにアクセス」


:おおっなんか輝きだしたぞ

:そうかこれもまた未知の冒険か

:詠唱がちょっとプログラミングっぽい雰囲気なのね

:というかこれカメラとかどうなるの?

:一応マウス実験では上手く動いてくれたんじゃが

:カメラは納品用アイテムポーチに憑いている幽霊が担当してくれているから、アイテムポーチが無事なら幽霊さんが自動で追尾して撮影してくれっべ


転移(ワープ)!!」


:うおおなんだこの

:ちょっと見てたら気持ち悪くなってきた

:ポリゴンショックだ!パカパカだこれ!!

:ワープって見たらこうなるのか

:幽霊さん手振れ酷くない?

:なんか「うぷっ」て音入ってたし幽霊さん吐きそうなってない?

:あっ元の景色に戻った

:ボス部屋前だな

:ゴブリンキングが見える…


「なるほど、ボス部屋前までひとっ飛びってワープ魔法なの……うぷっ」


:うぷっ?

:どうしたA

:顔色が悪い…こんなA見るの始めてたぞ


「ごべん……ちょっど気持ち悪、吐……ゴポッ」


:待て待て待て待て

:画面移ってるのに吐くなお前!!

:あーあーAの食べたもんが地面に

:転移酔いか…ふむ、改善点じゃなあここは

:あの馬鹿みたいな動きしても酔わなかったAがここまで酔うとかなんなんだこの魔法


「なんか……胃袋逆さにされたみたいいえぼっ」


:普段なら吐く時もちょっとは隠そうとするもんなのにそんな余裕もないんかこれ

:あっ、魔鹿が

:ちょっ、避けてA

:Aに向かってきてるけど気付いてない…

:魔鹿の角って結構鋭利になってて切れるから

:あっAの頭が

:飛んでった―

:なるほど酔いやすいのか、改善しておこう




「酷い目に遭った……死んだ方がマシだったよあれ」


:そんなに

:あんなに気持ち悪そうにしてるA始めて見たし

:欠陥も欠陥やったねあの魔法は

:鼠を使った動物実験ならいけたんじゃが……猿相手にテストしたところAと同じ症状が出ておったでな。今度のはきちんと修正しておいた

:最初から猿でも動物実験しろ

:このクソジジイ鼠からいきなり人間でテストしやがったんか


「という訳で転移魔法:試作.32テスト完成を試していこうと思うよー」


:クソネーミング!!

:テストなのか完成なのかはっきりしろ

:試作とテストで被ってんじゃねえか!!

:マジでこんなクソラベリングやめてくれ、マジでやめてくれ

:分かりやすいから良いじゃろ

:分かりにくいんだよボケッ!!

:これで中身見たら31とか30のが完成形だったりするんだよね

:おいやめろ

:後任のこと考えてくださらないー!?


「今回はどんな事故が起こるかな……っと。プロジェクト30参照、オブジェクト、ダンジョンにアクセス。……プロジェクト30にアクセス?」


:あっ更新するの忘れとった

:クソジジイ!!

:出ちゃってるじゃん!不具合出ちゃってるじゃん!!

:これどうなるのオブジェクト指定エラー起こすんじゃないの

:プログラムと違ってただの詠唱だから問題ないとは思うんだが……このタイプの詠唱の魔法とか使った事無いからわからんし


「まあいいや。なんとかなーれー!!」


:何の光!?

:今度は画面ぱっと入れ替わったな

:あの画面演出綺麗でよかったんじゃが、色々体調に悪影響を及ぼすらしいからのう

:なんか……Aの頭身下がってない?


「……あら、足埋まっちゃってるね」


:あー座標ズレ

:足の周りに土の盛り上がりとかない…土と入れ替わってる感じかこれ?


「とりあえずひきぬっ────があっ、ああいっ、ああ!!」


:うわっ

:ぼきって折れたぁ!?

:うわあ地面に刺さった足の断面やばぁ

:骨と肉の中に土が混ざり合ってる…

:完全に混ざりあっちゃったかこれ…えっぐぅ

:失敗したか

:流石にAも両足これは動けないか


「つ、爪、爪に……針ぶっ刺されたような……」


:ねぇーやめてよこっちにダメージ与えるのー!!

:痛い痛い痛い痛い

:想像するだけでダメージがががが

:これ動けないな

:あっまた魔鹿に


「げほっ、おげっ、ったあ……久しぶりだねぇ、鹿に、こんな」


:あーあー

:腹掻っ捌かれて内臓ぼろんしちゃってる

:冒険者からしたら動きとろい雑魚な筈なんだけどなあ

:Aがただの鹿相手にここまで苦戦するのってマジで最初も最初の時以来だな

:そりゃ両足チョンパされてたら子供相手でも殺されるわ

:こんなのに嬲り殺されるA見とうなかった


「ちょっと、これは……楽に死のうか、な」


:あっナイフ

:魔鹿に負けると基本的になぶり殺しにされるからな

:自分の首に刺した…

:自殺するのも慣れたもんだなA

:こんな階層で死ぬAとかレアものだぞ

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