表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョン配信に憑りつかれた男の娘~何万回死んでも潜り続ける、そこにダンジョンがあるから~  作者: プラン9


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/20

第4話:配信アーカイブ#294

:そういや四層のダンジョンボスってどんな奴だっけ

:上位冒険者は態々配信でピックしたりせず、普通の冒険者は四層に降りずだからな基本

:知名度が低い…

:中間層は地味になりがち

:一層がゴブリンキング、二層がエンシャントボウ、三層が複腕のウィードゴーレムで……四層なんだっけ

:前の配信でやってた熊は? あれ層ボスじゃないの?

:あれ五層の雑魚だよ


「一応ボス部屋まで行かなくてもこの四層にも出てきたりはするんだけどねー。レアエネミーだけど」


:とか話しているうちに草むらを出た訳だが……

:ミステリーサークルみてぇな広場の奥にこれまた不自然な人工物丸出し階段……いつみてもここの光景は慣れねぇな

:そんなん言ったらダンジョンそのものが不自然の塊すぎるだろ

:空を泳ぎ海を見上げる船を乗り継ぐ階層とかあるしな


「さて、答え合わせといこうかみんな」


:楽しそうだなA

:やっぱ慣性でダンジョン潜るより目標合った方がやる気出るんか

:Aにも人の心残ってたか……

:なんかふわふわしたのが下りてきた

:茶色いなんだこれ、クラゲ?

:なんで森の階層に海の魔物が


「キクラゲだよ」


:キクラゲってそういう意味じゃねえから!!

:確かにあれクラゲに似てるけども!似てるけども!!

:う、浮いてる……

:あれは××《バツバツ》キクラゲですね。常に空中を漂い、薄茶色の触手で切断系統の攻撃をします。その切れ味たるやガラスの粉を練り込んだタコ糸の如し  \10,000魔獣素材研究所

:あの高さは攻撃届かせるの難しいな、本体は地上から三メートルくらいか

:近距離殺しじゃねえか!Aの武器じゃ相性不利すぎない!?

:ガラス練り込んだタコ糸の切れ味がどんくらいかあんまわからねぇな


「まあまあ、これを参考にみんなも倒そう。よっと」


:完全視覚外からの触手攻撃避けてる…

:うわあ、斬撃の雨って感じに振り回しまくってるよ触手

:あれ振るわれるたびにソニックブーム出てません? 音速越えてません?

:なんで普通に避けてんだAは

:スキル【鷹の目】持ちだからなAは!!

:視界が俯瞰視点なるんだっけか

;持ってるからってあんな芸当できてたまるか

:動体視力は据え置きだからな!!


「これ僕を見ているのは誰なんだろうね」


:怖いこと怖いタイミングで言わないで

:ねえー私もこのスキル持ってるんだけどー!? 気になって使えなくなるじゃん!!

:つうか戦闘中にコメント読むんじゃねえよなんだその余裕

:音速越えてる触手躱しながらコメント返信するな

:なんでできてんだよ


「というか何回も戦ってるのに結構初見な人いるんだね」


;アーカイブの長さ的に配信内容全部把握してる人いるかっていうと、その…

:ぶっちゃけラジオ感覚で横に置いてみてるから結構ね、記憶から飛んでるのよね

:いつみても驚くしいつみても変態さにどん引く

:触手と触手の隙間に着地すんじゃねえ! おかしいだろほらキクラゲさんも動き止まってるよ!!


「……んじゃこの隙に」


:投げたナイフになんか繋がってる?

:ワイヤーだね。

:三層で首括って殺してた深緑の獣王の毛で編み込んだ 我が魔獣素材研究所特性の糸、そう簡単には切れませんよ

:おおグサッと刺さった

:そんで手繰り寄せて飛んだ!?

:迎撃しようとする触手を足場にしてやがる…

:つうか抜けないもんなんだな

:Aの持ってるナイフは先端が返しになってるからな。だからぱぱっと殺したい時は解体用ナイフで殺す普通のナイフ買えや

:海月の部分に乗りおった


「ここまで来たら後は簡単だよ」


:確かに××クラゲの笠の上に乗ったら一方的にぶっ刺して殺せるがよぉ、殺せるがよぉ……!!

:簡単に言ってくれるなあ

:参考になりません

:触手を足場にするので無理っす!!

:ねぇーその誰でも簡単にできますって風に言うのやめよー!? それできないあたしら雑魚みたいじゃん!!

:実際のところは鎧やアーマー魔法で防御固めたタンクと遠距離持ちの魔法使いやら弓やら持ち込んだパーティーでチクチクやるのが普通のやり方だからな

:こんなワンサイドにぐっさぐっさ刺せる相手じゃねえのよ


「触手の動きをよく見ればなんとかなるって」


:ナイフ振り下ろしながら天使のような笑顔を向けないで惚れちゃう

:Aのこと落とそうとして自分の笠傷つけてるの笑う

;ならねぇよ

:やだ、変な扉開きそう

:いいよね女の子顔に責められて殺されるの

:弓使え

:魔法使え


「弓は矢が消費するのがねぇ」


:××クラゲの色が赤く変色しはじめましたね。もう少しです

:赤っつっても茶色から濃い赤になるから分かりにくいんだよなあ

:ぶっちゃけ体力の量をこれで判断する人っているの?

:いねぇよなあ!!

:流石にそれは常識っす

:冒険者低く見積もりすぎ


「へー、赤くなったら体力少なくなった合図だったんだ」


:えー……

:ウッソだろお前

:なんで常識知らないんすかこの人

:もうやだ!あたしもうやだ!!常識が壊されちゃう!!

:赤くなったら行動パターン激化して攻撃の速度早くなる合図だぞ

:……それってつまり倍の速さで自分を傷つけるのでは?


「えっ強化だったのこれ!? こうなったら後は何もしなくても死ぬから自殺してんかと思った」


:まともに戦ってみろ、ネギトロだ

:ダメージコントロール失敗してネギトロなるんだよなこの状態だと

:とか言ってる間に自分に対する攻撃弱まってきた

:自分に対する攻撃とかいう自殺ワード


「もうそろそろだねえ……っと、××キクラゲの弱点ってここだからみんな覚えといてね」


:クラゲの笠の中心部分……

:確かに魔物解説書で弱点と表記されてはいるがそこ狙える人間どれくらいいるんよ

:テレポートスキル持ちならワンチャン


「ここにこの刃渡りのナイフを……よっと」


;だからそれ解体用ナイフ!!

:でもいい感じにぐさーっと入ったな

:8888\40,000魔獣素材研究所


「うわっ、うわっと。落ちる落ちる」


:声だけ慌ててるけど迷いなく飛び降りおった

:五点接地で上手く衝撃殺しておる

:冒険者の必須技能っすけど、A先輩は動きすげぇ綺麗っすね

:ふわふわ落ちていくのあれだ、ビニール袋みてぇ

;地面に落ちてもふわあっって感じだからな、ずしんとはいかん

:でも下にいたら押しつぶされるんだよなあ

:まあ全体的な大きさからみたら軽いってだけで普通に重いからな


「んじゃ解体しよっか」


:おおー綺麗な手さばき

:解体に関しちゃ繊細な動きでやるんだよなあこの人

:熊解体とか魚の三枚おろしとか参考になる

;あの動画リピートしてる。あたしの彼氏にも見せて料理手伝わせてる


「ちょっと傷つきすぎちゃってるなー笠、まあいいけど。売れなくはないし」


:クラゲがすっげぇ手際よく納品用アイテムポーチにぶち込まれて行って気持ちいい

:笠のところは食用にもなるんだが、こう傷がついてたらかなり価値が下がるな

:傷がつくと加売部位が少なくなるだけでなく足も早くなっちゃうからな

:俺達庶民が口にできるのは傷アリのみだからこれが普通なもんだと思ってた


「実は触手の方が買い取り価格高いんだよね」


:武器にしてよし、刺胞から毒抽出して麻酔薬にしてよし

:××クラゲの紐を使った鞭丈夫いよねいいよね

:一口サイズに切って天ぷらにしてもうめぇんだこれが、生だと死ぬけど

:生は笠の部分を食うんだぞ、細く切って梅肉とあえて

:お腹減ってきたっす

:あたしダイエット中なのに……


「ふぅ~、終わった」


:おおーあっという間に解体終わった

:早くない?

:結構大きめにぶつ切りしてたし、買取価格気にしなかったらこんなもん

:でっかいまんまぶち込んだら解体費用さっ引かれるのほんとひで

:まあソロなら気にしなくてもいい額なんだけどな

:ソロで倒す奴じゃない定期


「とまあこんな感じで倒せばソロでも遠距離武器無くてもなんとかなるよ。みんなもやってみようね」


:できるか!!

:無理っす!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ